
森の生きものたちの集まりをのぞいてきたよ。
木のテーブルの上に、みんなで持ちよった松ぼっくりやどんぐりなど、
いろいろな木の実が並べられていた。
「今年はどんぐりが少ないね。あちこちさがし回っちゃった」
「私も遠くまで行きました」
「前はこの辺にもっと大きな木がたくさんあって、木の実の種類も多かったって、おばあちゃんが言ってたよ」
「どうして今はないの?」
「切られちゃったから。あと、病気で枯れたり」
「それに今年はすごく暑かったし、実が少ないみたい」
「向こうの森にまだ大きな木があるんだって」
「でも、木がなくなって柵ができて行けなくなっちゃったでしょう?」
「つっきって行こうか」
「あぶないですよ」
「つかまえられたら大変」
「なんのために森の木を切るのかしら?」
「さあ、人間のやることはわからない。僕たちが困らないように、森も木も残しておいてくれたらいいのに」
ひとしきりおしゃべりの後、みんなで木の実を食べた。
「クマさんは大きいからたくさんどうぞ」
「ありがとう」
「このかわいい実は鳥さんに、どうぞ」
「ありがとう」
「サルさんもイノシシさんもすきなのをどうぞ」
「ありがとう」
「ありがとう」
「リスさんそれだけでいいの?」
「私はこれでもうじゅうぶん。おなかいっぱい。ありがとう」
みんなで分けあって食べる。
自分が必要な分だけもらう。
食べ残しもなし。
もったいないことなくていいね。
人間同士の話も、こんなだったらいいのにね。
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生物多様性条約第10回締約国会議の特別企画として、名古屋市東山動植物園で「もったいないばあさんのワールドレポート展・生きものがきえる」を11月7日まで開催。
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