懐かしいキリマンジャロ/文・野口 健

今からちょうど20年前の冬休み、僕はアフリカ大陸にあるキリマンジャロに登頂した。
高校生2年生のときだ。

キリマンジャロは標高5895メートル。
登山道も整備されており、世界中からツアーがやってくる。
僕は、旅行代理店を通してツアーを申し込んだ。

今から振り返ると若気の至りだが、
僕はキリマンジャロでいくつかのポカをやっている。

まずは、寝袋を持っていかなかったことだ。
その年の夏休みにヨーロッパ最高峰のモンブランに登頂したが、
ヨーロッパは山小屋が整備されているので、毛布だけで十分だった。
それが世界のどこでも同じだと思っていたのだろう。

キリマンジャロの山小屋は作りがよくなく、赤道直下なのに夜は寒くて眠れない。
だから、寝袋のカバーにありったけの衣服を入れてもぐり込んだ。
でも、やっぱり寒くて一睡もできなかった。

2つ目のポカは、体調管理が不十分で高山病にかかってしまった。
睡眠不足も原因のひとつだろう。
ツアーでは高山病にかかると強制的に下山させられるので、なんとかごかまかした。
しかし、歩くに連れて頭痛がひどくなってきた。

高度が上がるにつれ頭痛はひどくなる。
解熱鎮痛剤を飲んだら頭がボーとした。
疲れも寒さもマヒしてしまったようだ。その勢いでなんとか登頂できた。

下山してナイロビに戻ったが、体が2日ほど動かなかった。
そんなにしてまで登ったのは
「キリマンジャロに登って学校のみんなを見返してやろう」という意気込みからだ。
当時の僕はフダ付きの不良で、学校でも問題児だったのだ。

今から思うと、山を登る楽しさなんて少しもなかったように思う。
今年の夏はアフリカに遠征して久しぶりにキリマンジャロに登ったが、
楽しみながら自分のペースでコツコツ登ることができた。


20年ぶりのキリマンジャロではいろいろな発見があった。
驚いたのは氷河が明らかに減少していたことだ。
このまま気象の変化が続くと2050年には消滅するとのリポートもあるが、
氷が溶けて土に汚れた姿をみたら十分ありえる話だと思った。
ここでも、ヒマラヤ同様に環境の異変が起きている。
今後もこの問題に注目していきたいと思います。

懐かしいキリマンジャロ/文・野口 健_a0083222_1259847.jpg

アフリカの大地からキリマンジャロを見上げると、氷河がかなり少なくなっている


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*事務局より*
今回のアフリカ遠征は野口さんの公式ブログできれいな写真とともに
詳細なリポート記事が公開されています。ぜひとも、アクセスしてください。

野口健さんBlog
   by mottainai-lab | 2010-10-01 13:04 | 野口健 | Comments(0)
  
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