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カテゴリ:医療キャスターのおしごと( 167 )

「首都圏2040年介護危機」トークライブ

「首都圏2040年介護危機」、
在宅医療をライフワークに30年診療されている小野沢滋医師と、
“地域の中で安心して最期まで自宅で暮らす”という思いを実現するために
「介護支援専門員(ケアマネジャー)」として支えている田中春枝さんの
話を聞いてきました。

特別養護老人ホームに入居しようと思ったら最低でも月に25万、
夜間も看護師が常駐しているようなホームであれば最低35万は
費用がかかるという現実を前提に、
「在宅介護」の現状と課題を話されました。

家族(未婚者増加。2050年は男性の生涯未婚率が3割とも!子どもも減少)もいない、
介護人材(在宅を支えるホームヘルパーの減少と、ヘルパーの高齢化)も減る一方、
都市部ではこの先、
“お金でも解決できないくらい”在宅での介護が難しくなると、小野沢医師。

圧倒的なヘルパー不足で、
冗談ではなく「おむつの交換は1日1回でいい」と割り切れる人しか
在宅介護を受けられなくなるという日が遠くないと言います。

そうした問題をクリアするには、
残念ながら日本の介護保険制度は追いついておらず、右往左往。
長らく続く “医療>介護” の価値観で設定される報酬では、
この先も介護人材や環境を満たすことは難しいと想像できます。

2040年代には「団塊ジュニア」が70代を迎えます。
年金は?皆保険は?雇用は?国の社会保障費は?
どんな社会になっているでしょうか?

区議会議員、都議会議員の選挙や、「議会だより」を見ていつも思うのは、
若い候補者の関心が一様に“子育て”“教育”“スポーツ”で、
高齢化対策を本気で、具体的に、提示している人が少ないということ。
少子化への対策はもちろん、でも同時に、
待っていられない高齢者の対策を進めないと、
東京はどうなるのだろうかと感じていました。

この先を生きるには、
人生のゴール(死)を見据えてわたしたちひとりひとりそれぞれが
「本当はどうしたいか」という問いと向き合わなければなりません。

何年で死ぬか”ではなく、“どう死ぬか”、
つまり命の長さより、希望が尊重される最期かどうかを大切に、
医療や介護の価値観を示していくことが、個人にも社会にも求められます。

老いや病で、あるとき急に自分の意思を発信できなくなる。
いまの日本では身体的な安全と、人としての尊厳の、
どちらも求める医療や介護はできない。

それらをしっかり心に刻んで、
家族や周囲の気にかけてくれる人へ「自分はどうしたいか」の希望を伝えておく。
伝えられる人、関係を作っておく。
そのために終末期の医療についての関心を高める。

いまできることをまず、、、そう思いました。

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医療プレミア×毎日メディアカフェ
「首都圏2040年介護危機」トークライブ

2019年7月31日 毎日ホールにて開催

by mori-mado | 2019-08-01 11:35 | 医療キャスターのおしごと | Comments(0)

ご挨拶

またまたblogの更新がご無沙汰となっておりました・・・。


医療ジャーナリストとして、キャスターとして、
より深く、より広く活動の場を持ちたいという思いがあり、
この度、「エクステンション」の所属となりましたことを、
ご報告申し上げます。

プロフィールページ → こちら

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よい情報とよい声をお届けできるよう、今後も努力してまいります。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。


令和元年 7月
森 まどか



by mori-mado | 2019-07-19 21:40 | 医療キャスターのおしごと | Comments(0)

IBDとはたらく。自分らしくはたらく。

5月19日は「世界IBDデー」。


IBDとは腸に炎症が起きる病気の総称で「潰瘍性大腸炎」「クローン病」があります。

原因が明確にわかっておらず、完全に治すことが難しいとされ、

厚生労働省の難病に指定されています。

腹痛や下痢、下血が特徴的な症状です。

長く付き合う病気。若くしてなる人も多いので、

症状と仕事や学校を含む日常生活をどのように折り合いをつけるか、

みなさん苦労されています。


土曜日、IBDデーを前に、

IBD患者さんの就労を考えるトークイベント

“自分らしくはたらく”を考える」が開かれ、

司会を務めさせていただきました。


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これは製薬会社であるヤンセンファーマ株式会社が

難病患者さんの就労支援サービスや患者ネットワークと協力して立ち上げた

IBDとはたらくプロジェクト」の、キックオフイベント。


重度の潰瘍性大腸炎患者でもある人気脚本家の北川悦吏子さん、

治療しながら“自分らしく”仕事をしている3人、

医師の江崎幹宏先生、就労支援サービスの施設長 藤 大介さんが登壇し、

それぞれの経験や思い、アドバイスをお話しくださいました。


病気とのつきあい方はみなさんそれぞれです。

でも同じように話していたのは、

「大切なのは“やりたいことをやる”こと。

ただし、自分を知り、自分のペースで、

周りを(良く)巻き込んで、やれる環境を作りながら…」ということ。

北川悦吏子さんは「病気を人生のメインテーマにしない」という表現をされていました。


そして、周りを巻き込む一方で、

自分も、周りに対して力を発揮すること、つまりGive and Takeを成立させることが、

自分らしくはたらくことを叶えるために大切だと言っていました。


病気のために諦めたりがまんしなければならないというのは、

一生その病気とつきあっていく人たちの人生そのものを変えてしまうことになります。

でも、周りの私たちや会社がうまく“巻き込まれて”いけば

=つまり理解し、共に助け合っていけたら、

ひとりでも多くの病気を持つ人たちが諦めなくてよい社会が実現します。


外からはわからない病気なので、

本人が表明していないとわからないかもしれません。

伝えてくれても想像がつかないかもしれません。


IBD患者さんは、

トイレの回数のことや時間がかかること、

食べられないものが多いこと(会議のお弁当、飲み会や会食の場とか)、

移動のときの苦労、疲れやすい、痛みや下痢があること、、、

仕事と両立するにあたってそのような悩みを抱えているそうです。


5月19日は世界IBDデー。知ろう!IBD。


そして、、、IBDだけでなく、

病気があっても障がいがあっても“諦めずにトライできる社会”が実現しますように!


人はいつ病気になったりけがをしたりするかわからない。

それは“特別な人”のことではないのです。

と、かつてバリバリ働いていたころに長期入院&手術をした私は思っています。


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IBDとはたらくプロジェクト キックオフイベント

「自分らしくはたらく」を考える

主催: ヤンセンファーマ株式会社

協力: IBDネットワーク株式会社、株式会社ゼネラルパートナーズ(atGPジョブトレ ベネファイ)



by mori-mado | 2019-05-19 09:15 | 医療キャスターのおしごと | Comments(0)

2月28日は世界希少・難治性疾患の日。

明日2月28日は

「世界希少・難治性疾患の日(Rare Disease Day 略してRDD)」。

より良い診断や治療による

患者さんのQOL(生活の質、人生の質)向上をめざしてた活動で、

この日を中心に世界中でイベントが開かれます。

それに先駆けてプレス向けのセミナーがあり取材してきました。


お話を伺ったのは、

国立精神・神経医療研究センターで

筋ジストロフィーの診療をされている小牧宏文先生と、

遠位型ミオパチーという進行性の筋疾患の患者さんの織田友理子さん。

38歳の女性で、大学時代に発症し診断。

いまは手足はほぼ動かせず、車いす生活で、

話す以外のことは全て介助が必要だそうです。

飲む、食べるはもちろん、たとえば外出時のお化粧もご主人がされているそう。


これらの病気がどういう病気かということは別の機会に書くとして、、、


例えば、遠位型ミオパチーは日本に約400人で、人口の0.0003%。

そのような希少・難治性疾患と呼ばれている病気は約6,000種類あり、

世界中をみれば3億人の人たちが、

「患者数が少ない」ということで

“治療も治療薬もない”という困難と向き合っています。


患者会を立ち上げ製薬会社や国への働きかけなどをしても、

「採算性が認められない」と薬の研究開発は進まず、

「患者数が少ない病気に薬は贅沢品」と言われたこともあったそうです。


「それでもこの10年で患者を取り巻く状況は明るくなったし、

私自身も明るくなりました!」と言う織田さんは、

「患者だけの力ではどうにもならない。

色んな人が手をつないで未来を見ていけたらいいと思っている。

それは、社会の成熟にかかっています」

と、話していました。

患者数の多い少ないに関わらず、

病気と向き合うすべての人たちが

「社会から見放されている」と感じない社会を実現することは、

ものすごく難しいかもしれない。

でも、私たち1人1人が変わることはできる。

第一歩は応援することからです。寄付、ボランティア、技術の提供…

ありとあらゆるカタチの応援があると思いますが、

イベントに参加して“知る”こともそのひとつ。


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明日、丸ビル1Fのマルキューブで

10回目を迎える「RDD2019」のイベントがあります!

患者さんの生の声を伺うステージプログラム、パネル展示など

11:00〜21:00まで開催していますので、

関心のある方、お近くの方は是非立ち寄ってみてください。

(主催:RDD日本開催事務局)



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プレスセミナー「希少・難治性疾患を取り巻く現状と課題」

ー筋ジストロフィー治療の展望・患者さんの体験談を交えてー

主催: ファイザー株式会社



by mori-mado | 2019-02-27 17:53 | 医療キャスターのおしごと | Comments(0)

平成の災害と赤十字展

日本赤十字社(港区芝大門)で、
今日からスタートした「平成の災害と赤十字展」。

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そのオープニングにあたり
「平成の救護活動から学び、新時代の支援を考える」
と題したトークセッションが行われ、取材してきました。
次世代を担う大学生と、伝えるを担うメディアが参加しての開催です。

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まもなく終わる平成の間に、
日本だけでもいくつもの大規模自然災害がありました。
長期間の避難を余儀なくされた平成3年の雲仙・普賢岳噴火災害から
阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災、熊本地震、
西日本豪雨、北海道胆振東部地震…まで。もちろんほかにも。

改めて振り返ることで今後につなげたい、
「災害支援」「防災」を“自分ごと”として捉えてもらいたい、
という願いをこめて、写真パネル展は一般公開されています。

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時系列に並んだ写真パネルと解説



今日のトークセッションでは、
日本赤十字社の白土直樹さん、人と防災未来センターの菅野拓さん、
現場で救護活動を行う職員、看護専門学校在学時に被災経験を持つ看護師、
大学在学中に被災地の子供たちの学習支援ボランティアに参加し、いまも交流を続ける若手職員、
それぞれの意見、経験や思いを聞く貴重な機会となりました。

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災害支援は、いのちを守る応急的な活動はもちろん、
こころのケアや生活再建までを見据えた長期的なケアへ。
ひとりひとりの尊厳を守るために必要な支援は、
より広く、深く、長くなっています。

日本赤十字社の白土さんは
「全員に同一の質と量のサービスを提供する“平等”ではなく、
全員が一定水準の尊厳を確保できるよう
必要に応じて差異のある質と量のサービスを提供する
“公平”な扱いを考えていかなければならない」と話し、
ハッと気づかされるものがありました。

欠かせないのは、医療、福祉、介護の専門職や
地域をつなぐ役割を担っている人たちの、“平時からの”連携と、
ボランティアのチカラ。
成熟した社会での新しい災害対策を、
私たちも“平時から”考えていかなければならない。そんな時代です。

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「平成の災害と赤十字」は、3月29日(金)まで平日午前9時半〜午後5時まで、
日本赤十字社 本社1階で開催中。御成門の駅からすぐです。

会場には、写真パネルのほかに、
阪神・淡路大震災の炊き出しで使用された災害用炊飯器と同じ物や、
北海道胆振東部地震の避難所で使われ
睡眠環境の改善につながったという「段ボールベッド」などを展示。
また、支援活動時の救護日誌や、
登壇した看護師さんの看護専門学校卒業式での「答辞」など、
経験から学び未来へ活かすための貴重な記録の実物もあります。

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「段ボールベッド」を体験する大学生と、取材するメディア


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石巻赤十字看護専門学校在学時に被災した看護師さんの、卒業式での答辞


ぜひ見て、知って、感じてください!

by mori-mado | 2019-02-19 19:18 | 医療キャスターのおしごと | Comments(0)

「AYA世代」のがん ~わたしたちにできること。

神様はいるのだろうか…と思うほど衝撃を受けたニュース。

日々進歩する医療の力を信じ、心より回復を祈るのみです。

 

18歳、未来に向かって夢を追いかける時期。

白血病と診断されたことを公表した池江璃花子選手、

そして日本中、世界中に、

ティーンエイジャーや若い世代でもがんとたたかっている人たちがいます。


わたしたちがもっとそれを知り、社会全体で支えていけるように、

以前「がんQ&A(テレ玉)」のインタビューで

埼玉県立がんセンター血液内科の川村眞智子先生に伺ったことを改めて書きます。


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50代頃から増えていく高齢期のがんや

「小児がん(15歳未満のがんの総称)」ともまたちがった特徴を持つ

思春期~若年成人のがんがあり、

これを「AYA(アヤ)世代」のがんと呼びます。

高齢期のがんは胃がんや肺がんなどが多いですが、

この世代に多いのは白血病やリンパ腫などの“血液がん”や“肉腫”など。

その種類は非常に多く、あらわれる症状も様々で、

年齢的に最初から「がん」を疑わないことで

発見が遅れる原因となることもあるそうです。

数が少ないため、小児科や高齢期のがんを診療、研究する医師にくらべて

専門家の数が少ないというのも、

この世代のがんの難しさだといいます。

近年、国も「AYA世代」のがん対策を推進する必要があると、

取り組みをはじめました。

“治療”ももちろんですが、川村先生が「とても大切」と強調するのは、

“療養環境”をサポートする体制の整備。

身体的にも精神的にも発育途中の年代なので、

治療環境は高齢のがん患者さんと大きく異なります。

学校、進学、就職、友達、きょうだい、

薬による肥満や脱毛など思春期における容姿の変貌…など、

この世代に特有の問題を少しでも解決していくためにも、

医師、看護師、臨床心理士に思春期や若年成人を専門とする人が

増えていくことが望まれています。

また、教育支援を始めとした環境の整備は、

治療効果にも影響があると、川村先生。

将来の希望を失わないことや、学校や友達とつながって復学をめざすことは、

病気克服の目標となると言います。

しかし、現在、義務教育ではない高校生の支援体制はまだ不十分で、

出席日数や単位が不足し、学校生活を続けられなくなるケースも少なくないそうです。

この解決には学校や都道府県の理解が必要です。

10代、20代…、治療後もつづいていく長い人生の、

方向を決める重要な時期だからこそ、

“病気を治すだけ”ではない治療をしなければならないと、

AYA世代」の患者さんたちと共にがんとたたかっている川村先生は

くりかえしていました。

池江璃花子選手への応援の気持ちから

「何か自分にもできることはないか」と感じた人も多いと思います。

AYA(アヤ)世代」のがんを知ること、

この世代特有の問題と課題を知り、社会全体で共有していくこと、

支援体制が整うよう身近なところから働きかけていくこと、

それもわたしたちにできることだと思い、

わたしもまずできることを。…と思って書きました。



by mori-mado | 2019-02-13 13:08 | 医療キャスターのおしごと | Comments(0)

知ってほしい「掌蹠膿疱症」

「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」のメディア向けセミナーで司会をし、
日本大学の照井正教授と患者さんとのトークセッションでファシリテーターをしました。

「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」は、
手のひらや足底に、小水泡が混じる“無菌性(=感染しません)”嚢胞が
くりかえしできる炎症性の病気。
重症になると大きなフケのように皮膚が剥がれ落ちます。
痒みや痛み、鎖骨などに関節の痛みが出たり、
頭やお尻、膝など全身に皮膚症状が広がる人もいます。
悪化の要因として、扁桃炎や歯科治療の材料、喫煙なども考えられるそうです。

日本に約15万人。
照井教授によれば、世界的に見ても多くはないため
これまでは研究するドクターも多くなく、
治療薬も開発が進みにくかった経緯があるそうです。

ご自身の経験を話してくださった患者さん(Sさん)は、34歳で発症。
30年以上、自分の顔や頭を自分の手で洗えない、
足の裏の症状で朝起きてベッドが立ち上がる時の痛みは、画びょうを5個くらい踏むような感覚、
湯船につかると剥がれ落ちた皮膚が浮かび上がってお湯が見えなくなるし、
痛みもあり、真冬も含めて30年湯船に浸かったことがない、、、。
重症化したSさんの日常生活は、
聞いても簡単には想像ができないくらい制限を受けているものでした。

皮膚症状のため人からの視線も気になり、
買い物は手袋をはずせない、
靴は自分の足よりかなり大きいサイズを履かないとならないため
特に冠婚葬祭のときにジロジロ見られるなど、
自分の症状による苦しみに加え、外からの視線の“二重の苦しみ”と向き合ってきたそうです。

照井教授は、
「ピアニスト、寿司職人、美容師…など、症状のせいで仕事を失う人もいる。
死活問題です」と、話します。

症状は“大波小波”、すこし落ち着いてもまた悪化していたというSさんが、
「“大波小波”がゼロになった」と話すのは、
「生物学的製剤」といわれる新しい薬の治験に参加したことがきっかけだそう。
私が今日お会いした鈴木さんは皮膚の症状も見える場所にはほとんどなく、
ハツラツとしていました。

「全ての人に合うかどうか私にはわからないから何とも言えないけれど、
私は症状が“ゼロ”になった。
30年ぶりに湯船で手足を伸ばしたのが嬉しかった。
素足になれたのが嬉しかった。
やっとやっと普通の人間に戻れた気がしました」

この現状をお伝えできたことは大きな意味があったと思います。

15万人が多いか少ないかはわかりません。
でも、原因がわからなかったり患者数が少ないことで治療技術が進まなかったり、
情報がなかったり、社会の理解が得られなかったり…と、
苦しんでいる人たちがいるということは事実です。

日進月歩の医療の力の大きさと、
私たちひとりひとりの認識、理解が患者さんの苦しみを減らすことができるということを、
今日また再確認しました。

生物学的製剤は高価です。
患者さんたちの負担も大変だし、国の医療費にも重くのしかかります。
様々な課題がありますが、「普通の人間に戻れた気がした」というSさんの言葉が、
強く胸に響きました。

まず、いますぐにでも私たちにできることは、偏見をなくすこと。
「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」という病気があることをぜひ知ってください。

・「掌蹠膿疱症ネット」→ こちら

・日本皮膚科学会のホームページに
掌蹠膿疱症に関するQ&Aが掲載されています。→ こちら

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帰り道のクリスマスイルミネーション。


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いろんなテーマのお仕事の本番がずっと続いていて、
秋から冬への記憶がすっ飛んでいる気がしますが、、、
日々、情報を届ける責任とやりがいを感じながら、まもなく今年も終わります。
ブログでのレポートも、さかのぼって書かねば・・・( ̄▽ ̄;)

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掌蹠膿疱症メディアセミナー
「中重症患者の日常生活に深刻な影響を与える『掌蹠膿疱症』とは?
―患者さんが直面する実態および最新治療のご紹介ー」
主催:ヤンセンファーマ株式会社

by mori-mado | 2018-12-10 22:35 | 医療キャスターのおしごと | Comments(0)

「ポリファーマシー」とは?

今日の取材は、高齢者の「ポリファーマシー(多剤併用)」。

メディア向けのセミナーで、
秋下雅弘先生(東京大学医学部附属病院 老年病科)と、
池上あずさ先生(社会医療法人芳和会 くわずみ病院 院長)のお話を伺いました。

ポリファーマシーとは、多くの薬を同時に服用することで害をなすもののことを言います。
高齢になると多い脳血管の病気や糖尿病、高血圧、
脂質異常症(高コレステロール、高中性脂肪)、
胃の不調、便秘、不眠、痺れなど…、
これらで医療機関にかかり、それぞれの病気や症状に対する「薬」が積み上がっていくことで、
認知機能を低下させたり、転倒の原因となったり、、、
様々なリスク(害)が生じることをご存知ですか?

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厚生労働省の資料によれば、日常的に飲んでいる薬が6種類以上という人は75歳以上で4割以上。
ピークは80代後半で、10種類以上服用している人も15%近くになります。
秋下先生のお話では、
日常的に服用する薬が5、6種類を超えると明らかにハイリスクとなることが
日本老年医学会の調査でもわかっていて、
慢性の病気のコントロールについては症状や生活環境などを考慮しながら
“処方の見直し”をする必要があるというのが、これからの考え方とのこと。

とくに不眠症に対して処方される治療薬は慎重にする必要があり、
薬を減らす→止めることが治療のゴールであることを明確にし、
睡眠に関する生活習慣改善をしっかり実行していくことが重要だそう。

眠れない、夜中に起きる、早朝に起きるということに悩む高齢者のみなさん、
何時間眠れたかということは問題ではないそうです。
眠ることにこだわるのでなく、
昼間の生活に大きな支障がなければ
睡眠時間は何時間でも(例えば3時間でも4時間でも)良いということを知ってください。
寝付けないときは一旦起きることも有効。
眠れないからとベッドで何かするのではなく、
一旦起きて疲れをためて眠くなったらベッドに入るということを心がけるといいそうです。
本人と家族&医療者が不眠症治療のゴールを正しく認識することで、
現在高齢者の7%程度である不眠症治療薬の処方は半分くらいに減らせるのでは、、、と
池上先生は話していました。

不眠に限らず薬の処方の適正化に向けては、
医師はもちろんですが、薬剤師の専門性と経験がカギを握っています!
“チーム医療”の時代、地域の薬剤師さんがもっと専門性を発揮できる医薬連携を!
医師も薬剤師もどちらも意識を変えることが求められます。


今回のセミナーのベースとなったのは、
MSD株式会社が行った「シニア世代における服薬・不眠症治療に関する実態調査(2018年)」。
シニア世代の7割が「多剤併用(ポリファーマシー)」を「知らない」と答え、
「配偶者には睡眠薬に頼らず眠ってほしいが、眠るためには薬も仕方ない」と板挟みの状況が9割…など、
調査結果からは、高齢者の薬を巡る実態が見えてきます。

薬を創る製薬会社が健全な社会をめざして服薬の実態を調査し、
適正使用に向けて啓発していることに、大きな意義を感じました。

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メディアセミナー「高齢者の多剤併用に関する実態と不眠症治療の課題」
主催:MSD株式会社


by mori-mado | 2018-11-06 23:33 | 医療キャスターのおしごと | Comments(0)

「ふれらなかったにんげんもよう展」レポート

「乾癬(かんせん)」という慢性の皮膚の病気について、

 ・ 感染しないことを知ってもらいたい
 ・ 患者さんが抱える“自身にも他人にも見える症状だからこその辛さ”を知ってもらいたい

という目的で開催されたアートイベント「ふれられなかったにんげんもよう展」、
私は司会でお手伝いさせていただきました。

ニース番組でも取り上げられ、大きな反響だったようです。
3日間で多くの方が足を運び、お花をつけるというアクションで
“乾癬について知った”“理解した”ことを意思表示するフラワーボードは、
明るく彩られ“満開”になりました♡

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オープニングレセプションのトークセッションでは、
私たちが何気なく過ごしている日常のシーンで、
乾癬患者さんたちは目に見えるご自身の症状のことを不安に思ったり、
苦しい思いをしているということも具体的に伺いました。


この思いは、アート作品でも展示。
電車、美容室、寝室、会議の4つのシーンを作り、フラッシュで写真撮影すると、
患者さんたちが気にしてしまう症状が浮かび上がってくるという仕掛けです。

たとえば電車の中・・・
右端に座っているのが患者さんだとすると・・・

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全身に出ている乾癬の症状を見られているのではないか・・・
だから隣の席に誰も座らないのではないか・・・
と、例えそうではなくても思い悩んでしまう、と言います。

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女性なら「どんなヘアスタイルにしよう」と楽しみにでかける美容室、
鏡の前の自分と向き合いながら、美容師さんの視線が気になって・・・

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感染すると思われているのではないか・・・
症状の出ている首や頭を見られたら何か言われるのではないか・・・
と不安な気持ちになるそうです。

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トークゲストとして登壇されたモデルの道端アンジェリカさんも、
長袖のセーターで手元を隠したり、
「加圧トレーニングで痣みたいになっちゃって・・・」とか
「急に肌が荒れちゃってどうしたのかなぁ?」とか、
ヘアメイクさんや近しいスタッフの人たちにも言えずにごまかしていたと、話してくれました。


“乾癬は感染しない”

病名による誤解や皮膚症状への思い込みを減らすことができたら、
患者さんたちはもっと穏やかな気持ちで暮らすことができ、
もっと穏やかな気持ちで治療と向き合うことができるはずです。


3日目の日曜には、「人からの視線は、良くも悪くも強い力になる」をテーマに
スペシャルトークセッションも開催。
「見た目が9割」とも言われる現代社会で、
乾癬以外にも、さまざまな病気や治療の影響が“見た目”に現れ、
積極的になれずに悩んだり苦しんだりしている人は少なくありません。

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人からの視線を“強い力”にした9人を取材した「顔ニモマケズ」の著者である水野敬也さん
「見た目問題」に取り組んでいるNPO代表の外川浩子さん、
思春期に乾癬を発症し治療、現在は乾癬の啓発に力を注ぐ大蔵由美さん、
乾癬治療の第一人者である医師の佐野栄紀さんと、
この日も道端アンジェリカさんをお迎えし、
立ち見が大勢出るほどいらしてくださった観覧の皆さんと一緒に、
見た目の悩みを持つ病気や障害の人たちが生きづらいと思わない社会について考えました。


実は、、、登壇者の大蔵由美さんは、なんと母校の素敵な先輩!
10年ほど前に恩師がつないでくれたご縁なのですが、
まさかの共演する日が来るとは、感激でもあり、心強くもあり・・・♡

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由美さん、お世話になりありがとうございました!


難しい医療の展示ではなく、「アートイベント」。
スタイリッシュなミッドタウン東京にマッチする、素敵なイベント。
そんな雰囲気で「乾癬(かんせん)」について発信したというのは、
画期的なことだと私は思います。

このイベントは「HIKANSEN Project(ヒカンセン プロジェクト)」のキックオフ。
「乾癬」が、“非・感染(ヒカンセン)”ということを伝え、
患者さんたちが“悲観せん(ひかんせん)”社会を実現するための、取り組みです。
昨年SNSで自身が乾癬であることを告白した道端アンジェリカさんをアンバサダーとして、
今後も病気の認知度を上げるさまざまな活動を行っていくそうです。

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私も“認知度の低い病気を経験した一人”として、このご縁をたいせつに、
乾癬について学び、今後も発信できたら・・・と思っています!

10月29日は「世界乾癬デー」。
東京タワーでイベントもあります。まずは“知ること”から、はじめてみませんか?


by mori-mado | 2018-10-15 20:02 | 医療キャスターのおしごと | Comments(0)

明日から、「ふれられなかったにんげんもよう展」

「乾癬(かんせん)」を知っていますか?
“生物学的製剤”という新しい薬によって、
症状を抑え、コントロールできるようになりましたが、
原因や、完全なる治療法がまだわかっていない“皮膚の疾患”です。

患者さんは、“かんせん”という名前から
「感染するのでは?(※しません!)」という誤解を受けたり、
症状が見えるがゆえの苦しさを抱えながら、長く治療と生活と向き合っています。
★ 過去のブログ → 「乾癬(かんせん)をしっていますか?


この「乾癬」について理解を深めてほしいという願いから、
アートイベント「ふれられなかったにんげんもよう展」が、
明日から東京ミッドタウンで開催されます。入場無料。

道端アンジェリカさん、乾癬の啓発活動をされている患者さん、
診療にあたっているドクターらをお迎えしての、
オープニングセレモニーと日曜にはトークセッションもあり、どなたでもご覧いただけます。

多くの人に「乾癬」を知ってほしい、
その思いを込めて司会を務めさせていただきます。

私ももう13年前になりますが、
なかなか診断がつかなかった珍しい病気をした時期がありました。
その時、情報がなくて苦しんだり誤解を受けたこともあり、
医療情報が意外と届いていないことの課題や、
社会に発信していくことの大切さを強く感じました。
キャスターとして医療に関わりながら、
知られていない病気への理解を広げていきたいと、いつも思っています。


ミッドタウンのガレリアでお待ちしています!





by mori-mado | 2018-10-04 12:17 | 医療キャスターのおしごと | Comments(0)

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