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がん治療薬の副作用と対策

がんの抗がん剤治療のひとつに、
がん細胞だけが持っている特徴的な分子をピンポイントで狙い撃つ、
「分子標的薬」という種類の抗がん剤を使う治療があります。
近年はさまざまながんに対する分子標的薬が研究・開発され、
治療の現場でも広く使われるようになりました。

「分子標的薬」は正常な細胞に与えるダメージが少ないため、
従来の抗がん剤より副作用が少ないとされていますが、
にきびのような発疹、皮膚の乾燥や亀裂、爪の周囲のひどい炎症など、
さまざまな皮膚の症状(皮膚障害)を起こすことがあるということがわかっています。

“がん患者さんを支える”という視線で、
その分子標的薬の副作用対策はどのように考えられているか、
メディア向けのセミナーで専門医にお話を伺う機会があり、取材してきました
3月16日に開催された「特定非営利活動法人JASMIN プレスセミナー」です。
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たとえば私の場合、風邪の薬によって皮膚に蕁麻疹のような症状が出たため、
その薬を中止し以後は処方されなくなった、という経験があります。
その後 風邪をひいたときは別の薬でカバーできていますし、
極端なことをいえば薬を飲まなくても、時間をかければ風邪はやがて治ります。

しかし、、、
がんの治療薬は生命に直結しますから、簡単に中止するわけにはいきません!
それが、がん治療の難しいところでもあり、大きな課題でもあるのです。

今回のセミナーでは、がん治療医と皮膚科医が高度かつ密に連携し、
皮膚の症状をうまくコントロールしながら、分子標的薬による治療を続行させていく、
医療現場の先進的な取り組みについて報告がありました。

講演された吉野孝之先生が診療する国立がんセンター東病院では、
医師、看護師、薬剤師等がチームになって
皮膚治療に使用する薬剤や外科的な処置の理解を深め、
早め、早めの対応で、副作用が出た患者さんが
がん治療を継続できるように支援しているといいます。
(ちなみに、治療の基本方針は「予防」+「治療」で、
「ミノサイクリン」という抗生物質の内服、保湿剤、ステロイド外用剤の3つセット)
実際に薬を処方する地域の保険薬局が知識や情報を共有できるように、
勉強会も開催しているそうです。

東京女子医科大学皮膚科の川島 眞教授は、
皮膚科医の果たすべき役割は今後ますます大きくなると考え、
がん医療を実施しているような規模の病院だけでなく、
地域の皮膚科クリニックなどでも治療できるように、
症例や情報の共有など、さらに連携を深めていかなければならないとお話されました。

患者さんの生活の質を保ちながら、より高度な治療をおこなうためには、
今後ますます、それぞれの専門性を生かした「チーム医療」が重要となってくるようです。

これまであまり縁のない領域だったため、少し難しいテーマではありましたが、
最新の情報を入手することができ、とても勉強になりました。

by mori-mado | 2012-03-16 23:51 | 医療キャスターのおしごと | Comments(0)

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