モスクワライブ初日―――2月9日


12時。ホテルを出発して今日の会場、ゴーリキ記念モスクワ芸術劇場へ出発する。今やモスクワ名物となっている噂の交通渋滞の洗礼に合う。もうぜんぜん進まない。進まない車の横を、SHIMA UTAの巨大ビルボードと遭遇。車を降りて記念撮影。すごい迫力。
難関、ロシア語特訓中

50分くらいかけて、ようやっと会場へ到着。楽屋は日本からの報道陣でごった返している。
1時間以上遅れてリハーサルがスタート。本当に大きな会場。この会場がお客さんが満杯に入っているなんて、まだ想像できないでいる私。開場時間になって(当然、予定より遅れている)、メンバーも徐々に支度を始める。宮沢は各会場恒例となった、現地の言葉でのMCの練習。通訳のカーチャさんに特訓してもらう。「これで通じるかな?」と心配する宮沢を、カーチャさんは「大丈夫。ちゃんと通じますよ」と流ちょうな日本語で励ましてくれる。
遂にディアナ・アルベニナのバンド、ナイト・スナイパーズのライブがスタートする。初めて観るナイト・スナイパーズのライブ。日本中どこを見回しても、こんなに全身全霊で感情をぶつけて歌っている女性シンガーはいないと思う。すごくカッコイイ! 客席に行くと、中学生くらいの女の子の集団がお揃いの自作とおぼしき「ナイト・スナイパーズTシャツ」で盛り上がっている。
最後の歌「コシカ」で宮沢が呼び込まれる。日本語とロシア語で掛け合いながら歌う。2人の雰囲気が似ていることは、出逢ったその日から思っていたけど、こうやって並んで歌うと、本当に似ている。容姿が、ではなく、歌に掛ける姿勢。矛盾がない、嘘がない、全身全霊。長年連れ添ったデュオみたいな感じだった。客席からも大歓声が上がっていた。


ナイト・スナイパーズのステージが終わって、遂に宮沢和史の出番。予定より50分以上も遅れてのスタート。
反応が気になって客席を観に行くと、真ん中から後ろの席の人達は、身を乗り出しながらも立とうとはせずライブを観ている。真ん中から前の席の人達は、ちょっと斜に構えてライブを観ている感じがする。戸惑う。ステージのメンバーもなんとかお客さん達のテンションを上げようと、一所懸命になっているように見えた。
その一方、宮沢の弾き語りコーナーになると、携帯電話をペンライトに見立てて、会場中がプラネタリウムのようになる。歌い終わると、大歓声。
他の国とは明らかに反応する場所が違う。

そして「島唄」。宮沢がロシア語でMCを始めると、みんな大きく反応をした。「島唄」と漢字でプリントされた白い紙を頭の上に掲げる人がたくさんいる。一緒に歌っている人もたくさんいたし、盛り上がっていた。
しかし、「島唄」が終わると「この曲が聴けたからOK!」と言わんばかりに、5分の1くらいの人が席を立ち始めた。開演時間が遅れていたので、「途中で帰ってしまう人がいるかも」と現地のプロモーターの人が言っていたのを思い出した。この時、既に22時近く。
落胆しかけていると、状況は変わってきた。
残っている人達は明らかに「島唄」以降、テンションが上がってきた。立ち上がる人もたくさん出てきた! 「ひとつしかない地球」をディアナが美しい日本語で歌い、そしてアンコール
でもう一度「島唄」を、今度はディアナとデュエットする。会場の後ろ半分は総立ちに!

後で聞いたところによると、客席ごとに値段が違っていて、前方の席になると日本円で約2万円、最後方の席は約2000円のチケット代金だったそうです。ただ、ロシアの物価は日本よりまだだいぶ安いので、それ以上の価値があるようです。そのため、前方の席に座っていたのは、いわゆる「セレブ」の人達だったらしい。由緒正しいこの劇場でコンサートを行なうというのは、こういう弊害も出てくるのか……とひとつ学んだ気がします。
でも、手強いロシアへの第一歩を、私は確実に踏み込めたと思いました。
24時、会場を出て宮沢はレセプション会場へ。私はメンバーとともに、日本食レストラン「一番星」に向かう。今回のツアーで初の日本食レストラン。夢にまで見た「やきそば」「やきとり」「お寿司」「みそ汁」……。
結局ホテルに帰ったのは夜中2時。今日もお疲れ様でした。 明日はライブハウスでのスタンディング・ライブです!
by miyazawa-sick05
| 2005-02-14 10:09