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たった千日間しか営業しないお店N。 写真には「748日」の文字。 店を閉じるまであと748日ということらしい。 基本的には取材をうけないので知り合いの作家仲間に予約をとってもらって行ってきたが、 お店の人がたまたま僕のブログを見ていてくれて、場所と名前は伏せますからということで ブログに載せることを承諾してくれた。 築45年の洋館風の看板もないお店。 なんでもイタリアンマフィアが以前住んでいたというから 二階のバーも、そう聞くと味わい深い。 期限つき! そう聞くだけで、人は食にさえも切なさを感じることを初めて知った。 限りある食! あと何回食べられるのかな? そう考えるだけで、口に運ぶ感動が、いつまでもあると思っている食と違ってくる。 あと748日後に次の借り手まで決まっているので、予定を変えることは絶対にできないという。 きっと千日の間には様々な人が、この店を訪れる。 美味しさに感動する人、彼女に恋を語る人、 特別な記念日に訪れる人、喜びに深酒する人、 様々な出会いと思い出を残して閉じると決めたお店の覚悟。 それが客の心を否応なしに刺激し、料理人にも自然と緊張感が生まれ 客との間にいい時間が流れる。 なんと素晴らしくて、はかないコンセプトなのだろうか・・・。 昔、考えた企画の「未来日記」もそうだった。 限られた時間内だけの恋。 終わりが決まっている恋。 僕はこの「限られた」という言葉に弱いみたいだ。 しかし人生もそうだ! この写真のように神様は寿命を知ってる。 もしも自分の人生の終わりが決まっているなら 出会う人との会話や、1秒ずつ過ぎていく時間も もっと真剣に、だらだら無駄にすることなく、濃く生きていくに違いない。 実はみんな、この店同様期限つきの人生を生きている。 日めくりには「一日」と書いてあるかもしれない。 まさに「一期一会」。 昔の人はいいこと言いはるなぁ~・・・ 高須光聖オフィシャルHP「御影屋」
by kyte-mikageya
| 2006-05-22 02:00
| ┗高須
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Trackback(1)
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Comments(11)
Tracked
from B's Blog
at 2006-05-30 00:53
タイトル : 竹慈庵なかだ
ひょんなことで知り合いになった、 とあるご夫婦をご招待。 2回目の「なかだ」。 ご存知、営業日が「1001日」の限定のお店。 和食なのだが、 フレンチのテイストがふんだんに盛り込まれている。 ご主人が、かつてフレンチシェフだったから。 日めくりには、残り「七三八日」の文字。 この日めくりを、よーく見ると、 けっこう分厚い。 700枚以上あるのだがら当然。 そしてその一番向こうにラストの「一日」という文字が書いてあると思うと、 なんか、ジ~ンと来てしまう。...... more
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ヨウスケ
at 2006-05-22 02:39
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人間は生れ落ちた瞬間から確実に「死」へと近づいていっている。
一生懸命に生きることは一生懸命死ぬことでもある。 着実に「死」へと向かって行く店か・・・ (まぁどの店もそうっちゃそうなんですが。) そんな事を体現し、気付かせることのできるお店ですね。 行ってみたいけど、高いし、お金持ちじゃないと予約なんか 取れやしないんだろうな~と思うとため息が・・・。 こう言っている間にも、「死」へと一歩一歩近づいているんだぁ。
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e-keio
at 2006-05-22 06:02
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確かに私たちは皆、期限付きの人生を生きているんですよね…
だけど無期限であるかのように、無駄な日々を過ごしている 自分がなんだか恥ずかしいです。 出かける前にチェックしてみて良かった、 自分にとってのbreakthroughになりそうです。 ありがとうございます! あと747日の内に行けるようになれるべく頑張る!
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ミト
at 2006-05-22 13:37
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「一期一会」
簡単に繋がれなかった時代だからこそ生まれた言葉だったのかなぁと 思ったりします。 「一期一会」がいろんなことを気づかせてくれる時節なんだなぁと思いました。気づかせてくれたり、考えさせてくれたりする言葉。 あふれかえるものなのに浮かんでくる言葉。やっぱり凄いですね。 中1の頃自信満々で「いっきいっかい」と読んでたことを思い出しました(汗
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ジャガー
at 2006-05-22 17:27
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あちゃこ
at 2006-05-22 18:06
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本当にそうですね。期限つきになると、なんだかお尻に火がついた感じになって普段できないこともできたりしますから…。
このお店、崇高なまでに美しくみえてしまいます。
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じじじじぎ
at 2006-05-22 18:08
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普通、お店を閉じなくてすむようにようにがんばっていることが多いと思うんです。終わらせたくないから、信用を失わないように注意したり。。
だから、終わることが決まっているのに、それでも緊張感をもっておもてなしをされているというのはすごいな~って思います。
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ゆう
at 2006-05-22 19:54
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流れ星
at 2006-05-22 21:38
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『期限付きの店を作る』という発想が、どこから生まれたのか、
その店主さんの事が、とても気になりました!(^^) ついつい、「昨日・今日・明日」は、ずうっと続いていくもの、 と思い込みがちな私ですが、 今、ここにこうしていられる事は、本当は、 すごく幸運な偶然の繰り返しなのかも知れない、 とも思います。 せっかく、その幸運の恩恵を受けているんだから、 私を含めた、私の周りの人たちが、 楽しく毎日を過ごせるように、出来る限りの事をしよう! と思う毎日です(^^)
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メランコリニスタ
at 2006-05-22 22:53
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切ないですね~。そして行ってみたい。
それにしても昨日のガキの使いすごいおもしろかったです!でも「このスマッシュは一体誰が・・・?」ってところが疑問です。あそこも「五郎!」じゃダメだったですか?素人考えながら思いました。
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シロマ
at 2006-05-22 23:51
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一期一会はいいけど、自分の人生に期限はつけたくないなぁ、、、(><)
はじめまして。
私もお店に行って、コンセプトのすごさにびっくりしました。 そして、それゆえに、お料理もお酒もその場の空気も、凛とするのだなぁと感じました。 ■追伸: 私もブログにアップいたしましたので、ご覧いただけますと幸いです。 ( http://www.samsul.com/2006/09/03/91.php )
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オフィシャルHP
御影屋.com
高須光聖オフィシャルHP『御影屋.com』では一線で活躍する多くの放送作家はじめ、テレビを創る人々と、高須光聖との対談がご覧頂けます。是非アクセスして下さい。 【おことわり】 コメント、およびトラックバックは、当ブログへのコメント、およびトラックバックとしてふさわしいか、誹謗中傷や公序良俗に反する内容が含まれていないかどうかを確認致します。内容により予告なく削除する場合もございますので予めご了承ください。 カテゴリ
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