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小学生の頃に住んでいた家の近所に「ミッキー」という小さなパン屋があった。

おじさんとおばさんと、おそらくその娘さん三人で経営していて、お店は外からパン作りの様子が見えるようになっていたので、学校の帰りにいつもガラス越しにパン作りを眺めていた。お店はいつも焼きたてのパンのいいニオイがした。

「パン屋」さんが大好きだった。
パンをこねて、焼きたてのパンを並べて、袋に詰めてお客さんに売っている姿が、楽しそうに見えて仕方がなかった。

パンの味がどうだったかは、残念ながら、もう覚えていない。
マズかった記憶はないので、そこそこ美味しかったのだろうと思う。

パンを買うたびにお店のシール(もちろん、ミッキー(笑))が来るのだが、それをシール台帳に貼り、一定数集めると、「ミッキー」特製の巨大なパンがもらえた。

一日1個限定の巨大なパン。
4~5人が食べれるくらいあったと思う。
パンダだったり、うさぎだったり、時にミッキーだったり。
中にはチョコやクリームがギッシリ詰まっていた。

プレゼントの巨大パンはいつも店頭に飾ってあった。
朝、学校へ行く前にあったのに、帰りに見てなくなっていると、自分のものじゃないのに、ひどくガッカリした。

大きくて、かわいくて、珍しくて、子供の私にはそれが宝物に見えた。

とっても欲しかった。
だから、ことあるごとに食事にパンを要求した。
親の目にはよっぽどのパン好きに見えただろうが、もちろんシールを集めるためだった。この巨大パンが狙いだ。

記憶が正しければ、3回、巨大パンをもらった。

1回目は食べずにずっと飾っておいて、賞味期限切れ。
2回目と3回目は、ある程度飾ってから、最後は家族みんなで食べた、と思う。
とにかく、すごくすごく嬉しかったのを覚えている。

コラムでも度々書いている私のパン作り趣味は、おそらく元をたどると、この時から来ているのではないかと思う。



「ミッキー」は今もあるのだろうか・・・。
あの場所でパンを焼き続けているのだろうか。

店名「ミッキー」が示すように、もちろん、ミッキー顔のパンもバリバリ売っていた。
チョコ入り、ジャム入りなど、数種類のミッキーが売られていた。
ドナルドだって、キティーちゃんだって、ドラえもんだっていた。

まるで、中国の偽ディズニー遊園地のようだ。

今となっては、巨大パンよりも、版権やら損害賠償やら、そんな夢のないことばかりが頭をよぎり、「ミッキー」の未来が心配になって仕方がないのだが、私にパン作りの楽しさを見せてくれた「ミッキー」には、個人的にはこれからも頑張っていてもらいたい、と思う。








■今日のカメ

コラム「カフェの条件」で紹介をした上目六ショッピングセンター内に私が大好きなパン屋があります。

正面入り口からは見えず、建物を奥に入ったところにあるので、分かりにくいですが、とってもかわいらしくて、ステキなパン屋です。


■opatoca
パンの思ひ出_f0232060_1122156.jpg「オパトカ」というパン屋さんです。
上目六ショッピングセンター奥にあります。








■opatoca入り口
パンの思ひ出_f0232060_11222631.jpgパンを焼いているすぐ隣で焼きたてを売っています。外のベンチに座って食べることもできます。









■店内の様子
パンの思ひ出_f0232060_11223680.jpg4~5人入るといっぱいになるくらいの小さな店内に、色んなパンを置いています。個人的には、最初、小学校の教室っぽい印象を受けました。








■ショーケース
パンの思ひ出_f0232060_11224758.jpgパン以外にも、手作りプリンやクッキーなども販売しています。
全体的に数は少ないので、売り切れ御免です。








■手作りのぬくもり
パンの思ひ出_f0232060_11225852.jpg木箱の中に、ビニールに包まれた手作りパン。
このぬくもりがたまりません。








■出来立て
パンの思ひ出_f0232060_11231155.jpg出来立てはそのまま棚に置かれています。
パンには親しみやすいかわいい名前がつけられています。
この日の出来立て、パンにあんこがギッシリ「あんばた子」と、あんこと抹茶のハーモニー「あんまちゃ子」。

ちなみに、私のお薦めは「miso」という味噌パンですが、この日買ってすぐ食べちゃったため、撮影できず。すんません。
私は好んでよくカフェに行く。

そんなにコーヒーを知っているわけでもなければ、コーヒーにやたらこだわりがあるわけでもない。
人によっては、家で飲んだほうが安く済むのに、と言うだろう。

値段だけで考えれば、その通りだ。
どこのカフェに行っても、必ずコーヒーの量を半分以下に減らしてもらい、「95%牛乳」という状態で飲む私みたいな人は、家で飲んだ方が安上がりだ。だって、ほぼ牛乳なのだから。

私がカフェに行くのは、本格的なコーヒーを楽しむためではない。
もちろんコーヒーは美味しいほうがいいに決まっているが、それ以上に、カフェという場所、カフェという存在が好きなのだ。その雰囲気とそこで過ごす時間に対して、お金を払っているのだ。

このコラムを書くにあたって、私が好んで通っているカフェを思い浮かべてて、ふと、いく つかの共通点があることに気が付いた。

1.「外が眺められる」
一人で考え事をすることが多いので、窓が大きく外がゆっくり眺められるようなところが多い。
外に川や公園などの自然があり、オープン席もあると、なおグッド。

2.「街はずれにある」
表が騒がしかったり、客の出入りが激しいと落ち着かないので、繁華街からちょっとはずれたところにあるようなカフェが多い。

3.「テーブルや椅子の統一感がない」
私が行くカフェは、店の統一感がない。色だったり、質感だったり、形だったり、全部が違う。
一見するとマイナスに聞こえるかもしれないが、そのカフェのカラーを無理矢理押し付けられることなく、そのときの気分で場所を選べるので、すごくいいのだ。
逆に、うちは白がテーマですとか、花がモチーフですとかが前面に出ていると、白や花気分じゃないときに行くと、イラッとくる(笑)。
私みたいな気分に波のある人間は、雑多なほうがいい。

4.「融通が利く」
これも大事。コーヒーを好んで飲むくせに、大量に飲めないという非常に面倒な体質のため、必ずコーヒーの量を半分以下に減らしたカフェ・オレを注文する。
これもお店によっては、面倒なのか、すでに機械で混ざってしまっててどうしようもないのか、コーヒーの量を減らしてくれないところもあり、融通が利くカフェの方がいい。

5.「タバコ臭くない」
これも重要。客層だったり、店内の換気だったりの影響もあるのだが、やたらタバコ臭いカフェは絶対NG。

6.「店員が楽しそう」
「このカフェが好きなんです」という感じで店員が楽しそうに働いているお店はいい。
店員も愛しているようなお店は、やっぱりお客にも愛されるのだ。

7.「どこか懐かしい」
これ、とても説明しにくいのだが、子供のときに見たおじいちゃんの家だったり、田舎の親戚の家だったり、なんだか自分の関係者の家でくつろいでいるような錯覚を覚えるカフェが好き。
実際、そのカフェと同じ家を見たわけでも、行ったわけでもないのだが、「行った気がする」「そこにいた気がする」そんな気持ちにさせてくれるカフェは、不思議とつい足を運んでしまう。

8.「知り合いに遭遇しにくい」
別に何かやましいことをしているわけではないのだが(笑)、一人でカフェにいるときは全く別の自分で、誰も自分のことを知らない状態でいたいと思っている。
普段、人とよく会ったり、しゃべったりしている仕事をしているせいか、休日は極力「素の自分」でいたいのだ。そのため、あまり知り合いがいなさそうな場所を選び、結果として、割とよく行くカフェは仕事場からも、家から離れていることが多い。

とはいえ、長く通っていると、だんだんお店の人とも仲良くなって、ある程度「知り合い」になってしまうのだが、まぁ、それはそれ。
お店の人も気を遣ってくれて、あだ名で呼んでくれたり、必要以上、自分を探るようなことはしないでいてくれる。

カフェでの付き合いは、人と猫のような感じが望ましい。
無理に膝の上に乗せたり、頭をなでることなく、猫が寝っころがっていたいときはそのままそうさせておく。
自ら近寄って、頭を擦り寄ってきたとき、初めてなでてくれればいいのだ。


と、まぁ、こんな感じなのだが、今日はそんな私が気に入っているカフェの中の1つを紹介したいと思う。
もし同じ場所で遭遇した場合には、どうか「人と猫の関係」を思い出して、そっとしておいてやってほしい(笑)。








■今日のカメ

コラムでもご紹介した美しい目黒川沿いにあるカフェです。
家からはちょっと遠いのですが、川を散歩したくなったときに立ち寄ってます。


■上目六(かめろく)
  さくらショッピングセンター
カフェの条件 _f0232060_1120753.jpg今では雑誌でもよく取り上げられて、かなり有名になってしまったお店ですが、サクラの木が生い茂る目黒川沿いにひっそりと建つお気に入りの場所の1つです。












■二階がカフェバーになってます。
カフェの条件 _f0232060_11201897.jpg一階にレストランとパン屋、二階にカフェバーがあって、ここは二階の入り口です。











■オープンテラス
カフェの条件 _f0232060_11202821.jpgオープンテラスからサクラ並木と目黒川を見ることが出来ます。さらに奥には目黒川に向かって設置されたカウンター席もあり、目の前にコーヒー、眼下に目黒川という最高のシチュエーションになってます。










■店内
カフェの条件 _f0232060_11204079.jpgソファ、木の椅子、様々な席があります。
ちなみに、1階のパン屋さんの出来立て手作りパンやデザートをここの2階で食べることもできます。
GWはいかがお過ごしだっただろうか。

今年は5/1、5/2を休むと最大9連休となる大型ゴールデンウィークだった。
この両日、会社的には営業していたのだが、有給をいただき、9連休を取らせていただいた。

天気にも恵まれ、暖かく晴れの多い、ゴールデンウィークだった。

4月末がママの60歳のバースデーだったので、よく晴れたある日、横須賀の先にある墓地へお墓参りに行ってきた。

命日よりバースデーの方がずっといい。
赤いバラとオレンジのガーベラの花束と、いちごのショートケーキを持っていった。

60歳のママはどんな顔をしていたのだろう。
何を好み、何を見て、何に笑っていただろうか。
私の中の時間は完全に止まってしまっているので、想像することすらできない。

お墓参りの帰り道、横浜の赤レンガ倉庫に立ち寄った。
名の通り赤レンガの倉庫を改造して、ショッピングモールにした横浜の観光スポットだ。名前はよく聞くが一度も行ったことがなかった。

外から見た景観はなんだか外国チックで、近くに港もあっていい感じなのだが、いかんせん肝心のショッピングモールは店の数も少なく、わざわざ混んでいる赤レンガで買わなくても、他にも支店があるようなところばかりだったので、「なんもないね」ということになり、コーヒーだけ飲んで帰ってきた。

残り8日間のGWだが、新規コンテンツの企画書草案を考えるためにちょっと仕事をした以外は、全部引きこもってしまった。

せっかくの良い天気だし、外でも行くか!という気持ちはあったのだが、心が乗らない。足が進まない。
朝起きて、スーパーでご飯の買い物をして、ご飯作って、ボーっと考え事して、気が付いたら夕方で、またスーパー行って、「何作るかなぁ・・・」と考えながら買い物して、ご飯作って・・・そんな繰り返しだった。

我ながらもったいない時間の過ごし方だなとも思うのだが、不思議と全くこの生活に飽きが来なかった。

何が見たい、何が食べたい、誰と会いたい、そんな衝動が一気に無くなってしまったので、いよいよ本当に引きこもり始めたかと心配にもなったが、結局、GW最終日の雨の降った日だけなぜか気乗りして、川沿いを散歩しに外に出た。

ちゃんと電車に乗って、2時間ほど外を歩いて、喫茶店に入ってカフェ・オレを注文し、8日間ほとんどやってなかった社会生活を行った。

人ってのはよく出来ていて、明日から仕事で社会復帰しないといけないことを敏感に察知し、前日から徐々にエンジンをかけて動くための予行練習を無意識にさせてくれているんだと思う。

すげーなぁ、人間。

お陰様で引きこもることなく、GW後も会社に行き続けている(笑)。








■今日のカメ


■赤レンガ倉庫
引きこもりのゴールデンウィーク _f0232060_11173487.jpg右手が一号館、左手が二号館、奥が港です。
景観は悪くないんだけどなぁ・・・、正直あまり楽しむようなものはないかも、です。







■新緑の目黒川
引きこもりのゴールデンウィーク _f0232060_1118512.jpgコラム「サクラサク」でお伝えしたピンク色の目黒川は、きれいな緑色に変わりました。風情があって、いいなぁ、ここは。







■お気に入りのカフェ
引きこもりのゴールデンウィーク _f0232060_11182418.jpg緑の木々に囲まれたところにある川沿いのカフェ。窓際の特等席。とってもお気に入り。このカフェの話はまた後日・・・。
by meshi-quest | 2007-05-10 11:13
プロフィール
ゲームプロデューサー
成沢 理恵
「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」シリーズで知られる㈱スクウェア・エニックスを経て、 現在、ちゅらっぷす株式会社取締役、兼、ゲームプロデューサー。

ヒマさえあれば、国内、海外を食べ歩き、遊び歩く、生粋の遊び人。

その経験は、ゲームづくりにも活かされている、はず……。
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