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私は、毎朝、電車通勤をしている。

以前書いたコラム「通勤再考」でも伝えたが、通勤はいい。
考え方ひとつで、割と楽しげなものになる。
朝起きて、カタンゴトンと電車に揺られ、通勤ラッシュにあい・・・そんな嫌なことばかりでもない。

私は山手線を利用しているのだが、最近の電車はすすんでいる。
車内にテレビが付いている。
今になってはごく普通の当たり前のことだが、私が子供の頃は、クーラーが付いていない扇風機電車もあったし、テレビ付きなんて考えもしなかった。

通勤していると、たった電車賃130円で色々な情報を得ることができる。

最近の私のお気に入りは、サッポロビールが車内テレビで提供している「シャベリオーネ」というワンポイント英会話番組だ。

これが結構楽しくて、勉強になる。よくできている番組だ。
見かけたらぜひ注目していただきたい。130円で楽しめる車内留学だ。

3つの問題が出題されるのだが、テーマ別に「屋形船」とか「金魚すくい」とか、「そう言われてみれば、これって英語で何というのだろう・・・」という単語やフレーズが絶妙にチョイスされている。
朝のほとんど何も考えられない頭でも「おや・・」と興味をもってつい目を向けてしまう、内容、量、質になっているのが素晴らしい。

客はこの番組を車内の短時間の移動中に見るであろうこと、車内なので、あまり難しい要求をしても興味をもってもらえない、車内には老若男女さまざま人がいて、万人にウケるような内容にしなければならないこと、これら【車内】というシチュエーションがちゃんと考慮されているのである。
だから、ちゃんと楽しめる。

時同じく、某大手予備校が漢字やことわざをテーマとした車内番組を提供しているのだが、こちらは異様に難しい。
あまりの問題の分からなさに、朝っぱらから落胆すらしてしまう。
私がバカなのだろうか・・・と思うのだが、隣にいる者に聞いても全く分からないらしいので、私だけではないらしい。

扱っているテーマは面白そうなんだけどなぁ・・。
もう少し簡単にしてください、通勤中に考えられる程度に。通勤者からのせめてものお願いである。



さてさて、話は【英語】のことに戻す。
日本人は英語を理解しやすい幸せな環境にあると思う。

例えば、「金魚」。
英語では「gold fish」という。そのまんまである。
でも、これを「そのまんまじゃん」と言えるのは、金がgold、魚がfishであることを知っているからだ。
これがロシア語だったら、どうだろう。普通の人だったら、金や魚をロシア語で何と言うかなんて知らない。ロシア語「金魚」の予測すら付かない。

先に、日本人は英語を理解しやすい環境にあると言ったのは、このことだ。
英語であれば単語や内容の「予測」を付けれるくらいに、英語と密接な環境にあるということである。

自国語以外の言葉をしゃべれることは、とてもステキだ。
それは、単に勉強や知識の問題ではない。
他国語をしゃべれるということは、それだけ「人」と出会う可能性を広げるということだと思う。

日本は他人種国家ではないので、日本語を話せれば、一応生活に支障はない。
そういう環境下では他国言語の必要性をあまり感じない。

私も以前はそうだった。
家族はもちろん日本人だし、周りに外国人の知り合いもいないので、「人」とも出会わないし、英語を使う機会がなかった。

が、高校時代にタイの女の子と文通を始めたことや大学時代に「英語必須」の学校へ行ったこと、大学一年目にオーストラリアに留学したこと、そして、毎年一回くらいのペースで海外に遊びに行くようになったこと、こんなことなどがきっかけで、英語を話せることが勉学知識のためでなく、自分のため、人と出会うため、人に自分の考えをきちんと伝えるために「話さないといけない」から「話したい」に変わっていった。

もちろん、他国言語を話すことは容易ではない。
大学入るまでは何の英語の特訓も受けてなかったので、私にとっても容易ではなかった。

大学時代にオーストラリアに留学していた時、ホームステイ先でこんなことがあった。

私のホームステイ先は、旦那さんのブライヨン、奥さんのガイル、娘のレイチェル(4歳)の3人家族であった。
ホームステイして1週間目くらいのことだっただろうか、レイチェルが絵本を読んでくれと言ってきた。

いやな予感がした。

頼むから、私の知っている絵本であってくれ。
そして、できるだけ薄い絵本であってくれ。
今日一日で最大の祈りをささげた。

祈りが届いたのか、レイチェルが私に差し出した本のタイトルは「P」から始まり、表紙には全身緑の服を着た男の子が空を飛んでいた。
ピーターパンである。

あの頃は相当自信がなかったので、今でもピーターパンであっていたのか、不安だ。
たぶん、緑の男の子の隣に、ちっこい天使のような虫のような女の子(たぶん、ティンカーベル)が飛んでいたので、大丈夫なはずだ。

さて、色々軽いトークをして、時間を稼ぎ、その間に読解をしようと思ったのだが、そんなことはレイチェルが許してくれなかった。
彼女から「即効、読め!」の指示が出た。
時に子供は大人に残酷だ。

ドキドキしながらページをめくる。
「お、なんとかいけそうだ」
レイチェルを見ると、一応うなづいているので、あっているらしい。
歳こそ十何歳違えど、英語に関しては彼女のほうが先輩なのだ。

そして、2ページ目。
・・・私の絵本への挑戦は終わった。
ピーターパン登場前に、読めない単語がいくつも現れた。

言葉に詰まって悩んでいると、レイチェルはあきらめたように絵本を持っていってしまった。
チャンスは一度だけ・・・と言わんばかりに。
その後、彼女がホームステイ期間中にこの東洋人に絵本を読んでくれと言うことはなかった。
何度も言うが、子供は時にホント残酷だ。

英語を学ぶことは容易ではない。
が、せっかくこの世界に生まれてきて、世界には日本人以外のたくさんの人々がいて、今じゃ海外旅行と称して気軽に出会えるチャンスがあって・・・・そんな中で自分の言いたいことを第三者を間に置かないと伝えられないというのじゃ、淋しい。私は、そう思う。

殿様じゃあるまいし、目の前に相手がいるのに、侍従の者に耳打ちして伝えてもらうのは、なんかイヤだ。
第三者を通したときに、コトバの温度や速度や微妙なニュアンスは必ず変わる。
本当に言いたいこと、伝えたいままで伝わらない可能性がある。

そう思ったとき、英語を真剣に学ぼうと思ったし、海外旅行に行くときもどんな国であっても必ずツアーは避けて、フリーで行くようにしている。
「自分」と「相手」という超シンプルな関係を体験できるように。

どんな勉学でもそうだと思うが、強制されては面白くない。よって、結局身に付かない。
英語もフレーズや単語を無理に覚えるのではなく、興味を持ったことからゆっくり学んでいけばいい。

そういった意味で、車内英語番組の「シャベリオーネ」は良いと思う。
内容、量、質がちょうど良いので、気軽に毎日3つづつ学べる。
この番組は、ぜひこれからも続けて欲しいとぜひ思う。

私もいつかレイチェルに「読めるようになったじゃん」と言っていただけるよう(笑)、毎朝車内留学をしつつ、頑張っていこうと思う。





■今日のカメ。
今日の「今日カメ」は、私事で本当に恐縮ですが、ちょっと宣伝をさせてくださいませ。


◆windows用ゲームソフト
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英語でシャベリオーネ_f0232060_1435484.jpg

舞台は、近年銀河星の果てで発見された、地球と同じく生物が生きられる宇宙惑星。
プレーヤー(みなさん)はこの宇宙に、宇宙農家としてやってきます。

英語でシャベリオーネ_f0232060_14353291.jpg
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http://cosmogu.com
by meshi-quest | 2003-07-25 14:34
先日、長年会っていなかった知り合いに会った。

久しぶりに近況報告などをしあったのだが、そのときに「いいなぁ、りえちゃんはー。」と何度も言われた。
しまいには、帰りの電車を降りるときに、ため息交じりで同じセリフを吐いていった、「いいなー」と。

が、何も特別に良い話などしておらず、ただ、今やっていることとか、考えていることを話しただけである。
どちらかというと、そのときの私は精神的にも、肉体的にも疲労していたときだったので、逆にうらやましくないこと満載の状態だったはずである。

ただ、関係ないグチやらを久しぶりに会った友達に言っても仕方がないので、それだけは考慮して話をしていたと思う。

中途半端に自分に介入されるのがイヤなので、もしグチを言ったり、プライベートの込み入った話をするならば、それだけの関係がお互いに生まれた時点で話がしたいと思うし、それだけの時間と環境が必要だとも思う。

内容をきちんと分かってもらえないうちに「大変だねー」とか「元気出してよ」とか言われたくないし、聞きたくもない。
言うほうも、言われるほうも何の益もない。
「分かってくれる」人たちで分かってくれる話がしたい。そう思うのである。

それは、すべて成沢Yesマンの集まりで話がしたいということではなく、時に反対意見、時にお叱りがあっても全然ウェルカムなのである。
自分のことを本当に思って言ってくれる人の話は、それが賛成でも反対でも、意味があって、ちゃんと私の益になる。
そういう人と掛け値ない話がしたいし、そのために時間を使いたいし、本音を伝えたい。それだけのことだ。
これが、私が「素直じゃない」とか「協調性がない」とか「秘密主義だ」とか言われるゆえんの一端なのだろうが(笑)。

と、まぁ、こんな天邪鬼精神を積んでいる小娘として、その人にはグチなどは話さず、とりあえず現状をありのままに淡々と語った。

彼の話も聞いてみたのだが、大変そうではあったが、それなりに充実していて、私とは全く違う業種に属しているので、非常に興味深かった。
やりがいのある仕事をしているなぁ、と思ったし、プライベートでも数年前にご結婚され、お子様も生まれたとのことで、充実しているように感じた。

が、彼にとっては、相当私のことがうらやましかったらしい。
はっきり言うが、実際はそんなこと全くないのである。



他人のことをうらやむことを『隣の芝はあおい』という。

うまくできてるコトバだ。
そりゃ、誰だって枯れかかっている芝より、青々している芝の方がいい。
青い芝のほうが、見た目もいいし、寝心地もいいだろうし、香りも良いだろう。出がらしのお茶葉のような芝なんて、イヤだ。



が、本当に隣の芝はあおいのか?

実は、青さを保つために、土やら肥料やらで相当な金がかかり、借金で火の車なのかもしれない。

もしかしたら、実は、出がらし以下の色をしているにもかかわらず、それを隠すために青い色を塗っているのかもしれない。

はたまた、毎晩ご主人が寝ずの努力をして、芝の手入れをしており、芝はきれいだが、そのためにご主人が精神的にも肉体的にもボロボロになっているのかもしれない。

芝だって、生き物。
必ず、寿命があって、いつかは枯れていくのです。期間は人それぞれ、芝それぞれであったとしても。
そして、また新しい苗を一から育てなければならない期間がやってくる。

そう思ったときに、散々嫌気がさしていた自分の芝を見たときに、茶色の草の中に、小さな青い青い芽があったりして、自分の芝も捨てたもんじゃないはず。
1点だって、青い芝があれば、自分の芝もあおいのだ。



私には、何でも話せて、お互いに尊敬できる友達が数人いる。

彼女、彼らたちの芝は青く輝いている。

でも、それをうらやんだことはない。
もっと言うと、うらやむを超えて、それよりももっとすごく先に行き着いて、「すげーな!おまえ!」とココロから言い合えるような関係になっている。
そして、私が彼女、彼をそう言うように、彼女、彼も同様に、私にそう感じて、接してくれている。

彼女、彼でしか育てられない芝が存在する。
仮に、それを自分の土地に分けてもらったって、その芝は育たないし、育ったとしても同じ生命力は持たないのである。
それに、その輝きを得るために、それぞれがどんな思いで、どんな気持ちで、どんな状態で頑張っているかを知っているから、うらやめない。
だから、素直に尊敬しあえる。

自分で言うのもなんだが、我ながらいい関係だと思う。



この原稿を書く数日前、家で育てている「パキラ」という観葉植物に水をあげていた。

はっきり言って、うちの「パキラ」は不細工だ。
よく花屋で売っている売り物の「パキラ」とは種族すら違う気がする。
基本は水しかあげていないが、居心地いいのか、成長が良すぎて、太っているのである。
観葉植物のくせに肥満だ。

でも、毎日水をあげていると、とてもコイツがかわいくなってきて、どこの子よりかわいい気がしてくる。
水だけで、ここまで太れるこの子がかわいい(笑)。
うちじゃないと育たなかった異型パキラ。
良いか悪いか、商品価値があるかないかはさておき・・・・。

そんなことがあって、で、例の知り合いにあって話をしたことを思って、この原稿を書いた。




本当に、隣の芝はあおいか?






■今日の夏祭りなカメ。
◆祭りの季節がやってきましたー。隣の芝はあおいか?_f0232060_14304696.jpg日本の「祭り」という文化が大好きです。
老若男女問わず、誰もが楽しげで、にぎやかで、派手で、色とりどりの露店が出てて、あー楽しげ。
夏の暑さはキライですが、祭りの楽しさと相殺でなんとか毎日を乗り切っています(笑)。

先日、下町の入谷朝顔祭りというところに行ってきました。
「朝顔」とあなどるなかれ、かなりここいらじゃ有名なお祭りらしく、すごい人の数でした。


◆おじさんが朝顔を吟味
隣の芝はあおいか?_f0232060_14312567.jpg祭り会場の道路片側一面に朝顔売りのおじちゃん、おばちゃん。
朝顔にも色々な種類があるらしく、色、かたち、早咲き遅咲きなどなど。奥深いです。







◆私の特技
隣の芝はあおいか?_f0232060_14314356.jpg祭りに行くと、必ず私は「金魚すくい」します。

そろそろ履歴書の特技欄で認められても良いと思っているんですが、実は金魚すくいが子供の頃から得意。でも、何の役に立たないところがミソ(笑)。

ちなみに、今回の戦歴。
1回で、25匹いきました。えへ。
by meshi-quest | 2003-07-15 14:29
プロフィール
ゲームプロデューサー
成沢 理恵
「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」シリーズで知られる㈱スクウェア・エニックスを経て、 現在、ちゅらっぷす株式会社取締役、兼、ゲームプロデューサー。

ヒマさえあれば、国内、海外を食べ歩き、遊び歩く、生粋の遊び人。

その経験は、ゲームづくりにも活かされている、はず……。
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