麻布十番「PentolaC」へ行く。
ものまねタレントとして有名なコロッケさんがオーナーを務める馬肉創作料理「PentolaC」(ペントラック)でディナー。
コロッケさんのご出身が熊本県なので、熊本の名物である馬肉を中心に、熊本の食材をふんだんに使った料理が出てくる。
余談だが、お店に入ると、いきなり目の前にコロッケさんの特徴的な顔のオブジェが現れるのだが、造形にするとものすごくインパクトがあると共に、すごくこの顔が似てるのだが、そもそもこの状態を「顔」で出来ているコロッケさんもすごいなと思う。
場所は麻布十番駅のすぐ近くで、入口は隠れ家っぽく、あまり大きな看板は出ていないビルの地下。
席数も少なく、ゆったりとしたテーブル席がメインで、落ち着いて食事が楽しめる空間になっている。
まずは、白ぶどうのノンアルジュースで乾杯。
1品目は、馬肉のコンソメから。
周りには赤ワインで作ったパリパリの生地と、アクセントに中にはニラのオイル。
馬肉のコンソメは初めていただいたが、全くクセはなく、とても上品な味。
2品目のアミューズは、3種のフィンガーフード。
左から熊本の名産品「南関揚げ」と毛蟹を使ったお稲荷さん、真ん中は馬のたてがみとトリュフと竹炭の春巻、右は冬瓜とマダイのタルタル。
馬の各部位がこんなオシャレなフィンガーフードになっているのはとても興味深かった。しいて言うと、右のタルタルの上の球体が崩れやすい中、このタルトが割と大きく1口で食べれないため、必ずこぼれるので、見た目だけでなく食べやすさにも配慮があると良かったかな、と思う。
ここで選べるお箸の登場!
熊本で作っているという上品なお箸は全部色違いで、その色のコロッケさんのものまねスタンプが押されている。めちゃくちゃかわいい(笑)。このスタンプシール欲しいなあw。
芸能人の方は存在がIPであり、エンタメでもあるので、普通のお店ではできないこういうお客さんの楽しませ方ができるのは強いなあ、と思う。一方で、若い方はこのスタンプを見ても、何のことか分からない人もいるのかな・・・と思うと、ふと切なくなったりもする。
さて、箸選び。スタンプからすると、断然美川さんだったのだが、色的にはちあきさんの色の箸が好みだったので、赤を選択。
このお箸、嬉しいことにお持ち帰りもさせてもらえる。なので、全種類の色が欲しい方はぜひ通って集めてください。
3品目は、熊本名物の4種の馬刺し。それぞれの馬刺しには、それに合わせた薬味が付いている。
左から赤身はモレソースとマルドンを合わせた塩、「ふたえご」はサルサソース、馬タンは熊本の赤酒と西洋ワサビを合わせたもの、ハツは七味でいただく。付け合わせは、生のマコモダケ。
4品目は、馬ロースのしゃぶしゃぶ仕立て。
とても面白い食べ方ではあると思うのだが、下に敷いてある大量の生の千切りの根セロリと、肉の量と、スープの味があまり合ってなくて、根セロリのセロリ感だけが残る料理になってしまっており、ちょっと残念。少しバランスが悪い印象。
5品目は、赤身のハンバーグ仕立て。
水キムチの白菜を使ったクリームソースが掛かっているのだが、このハンバーグがかなり塩味が強く、割と固めの仕上がり。ハンバーグには期待していたのだが、もっと塩味を落として、馬肉の味を出し、もう少し固さも柔らかい感じの方が美味しい気がした。
6品目は、馬肉ランプのステーキ。
白胡麻と馬出汁のソースと、赤ワインとゴボウのソースの2種のソースでいただく。
これも馬肉の問題なのか、火入れの問題なのか分からないのだが、かなり硬くて、残念だった。そして、馬の旨味もあまり感じられなかった。
7品目は、馬肉そぼろと生マッシュルームを使った炊き込みご飯。
これもかなりご飯がパサついており、ジューシーさが無くて、それにより馬肉とご飯とマッシュルームが分離している印象。現にお箸でご飯がすくえない、ボロッと落ちるくらいの水分量。味もかなり薄味で、全体的に味がぼやけてしまっている印象。
8品目は、熊本の麦焼酎「とろしかや」のメレンゲと、馬の脂を使ったアイスのデザート。
デザートにも馬を持ってきているのは面白いのだが、麦焼酎のえぐみのようなものがメレンゲに出てしまってて、焼酎が苦手な人にも香りだけ味わえるような作り方の方が良かったのではないかと思う。
シェフはとても気さくで、話をしていても楽しく、熊本への愛も深くて、居心地は良かった。
一方で、大事な会食の日ではあったのだが、料理は全体的に残念で、満足感は無かった。
私はフードプロデューサーという仕事をしているので、色んな飲食店からも相談を受けるのだが、料理のチェックの話を言うと、例えばオーナー(もしくは料理の監修をしているシェフなど)が食べますとなると、当然、実際作る料理人もいつもの何倍も気を付けて作るので問題点が見つからないことが多い。
色々と問題の根っこがありそうな気がしていて、ちょっと一概に言えないのだが、とにかく今の現状の料理を関係者が等身大で一度食べた方がいいような気がした。何なら本当に抜き打ちでやるくらいに、お客さんと同じ視点で、少し客観性を持って見た方が良い気がする。
今の状態だと、言葉を選ばずに言えば、「コロッケさんのレストラン」というだけのウリになってしまうと思う。
老婆心ながら、お店をされているのであればきっと関係者の皆さんも食事が好きで、「料理の味」でお客さんに来て欲しいのだと思うので(名前で売れればいいなら、飲食店でなくてもいいはずで、もっと楽なビジネスもあるはずなので)、あえての熊本推しの創作料理という凝った料理のジャンルを選ばれてるのだから、熊本をもっと好きになってもらえるような料理を追求された方がいいのではないかと思う。
■「PentolaC」
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by meshi-quest
| 2025-06-17 08:05
| 六本木・麻布・赤坂