西荻窪「和食なない」へ行く。
懇意にさせていただいている、静かにお酒と料理に向き合える隠れ家和食「和食なない」さんで夕食。
雑居ビルの2階にあり、常連さん含めて、知る人ぞ知るでお客さんが来ているので、表の看板は電気が消えてて、入口も普通のマンションの1部屋のような感じだが、ドアが少し開いていれば、中はちゃんとやっている。
「和食なない」さんの先付が名物で、季節を表す方式の1つである「七十二候」に基づき、その日の「七十二候」の名前や内容に合わせて、大将がお通しを作っている。
伺った日は、「土脉潤起」という時期の日で、「つちのしょううるおいおこる」と読む。寒く凍てついた大地が溶けて潤いをとり戻す時期という意味だそう。
お通しはマッシュポテトとホタルイカ。雨が染みて大地が潤っている様子をマッシュポテトで表現し、上にホタルイカや蕗の薹など、春を感じさせる食材を乗せている。
今回は大将中川さんのおまかせコース。
1品目は、クリガニの蒸し寿司。
上にあるのは珍しい自家製のスダチのドライ。スダチの季節にいっぱいスダチをドライにしておいたのだそう。
2品目は、あえて昆布と煮干しだけで出汁を取ったというシンプルでスッキリしたお椀。
中には菜の花の卵豆腐と、三陸のわかめと、フルーツトマト。
3品目のお造りは、北海道のサクラマスをサッと炙ったものと花山葵、銚子のマカジキの昆布締めで菜の花を包んだものの2種。
4品目は、淡路の甘い玉ねぎのすり流し。
中にはべったら漬けを刻んだものと生湯葉が入っている。
5品目は「始末」というタイトルのお料理。
2品目のお椀で使った美味しいわかめの茎を捨てずにちゃんと食べれるように、生海苔と合わせて、酢の物に。
6品目は、サワラのフライ。
生でも食べられるサワラを軽くフライにし、私が命名させていただいた京丹後「竹野酒造」のラグジュアリー日本酒「理瑰-rie」の酒粕を使ったディップソースでいただく。(✳︎メニュー側の「理瑰」の漢字は間違っていたので(笑)、中川さんに報告済み)
手前味噌だが、「理瑰-rie」酒粕がとてもいい香りで、大人のマヨネーズというか、サワラのフライともよく合う。
7品目は、ブランド百合根「月光」と苺の白和え。
百合根「月光」は全くクセがなく、芋のように甘みがあり、通常の百合根ではありえないのだが生でも食べれてしまう。
8品目は、鴨とブラッドオレンジ。
大将中川さんのスペシャリテとも言える肉料理で、季節によって合わせる果物を変えている。鴨の旨味が入った甘辛い醤油だれと一緒に果物を炒めてフレッシュなフルーツソースを作り、焼いた鴨上からかけていただく。
9品目は、口直しの柚子皮。
これもお料理に使った後の、黄色い部分は禿げてしまってるが香りも味も美味しい柚子を捨てずに美味しく食べてもらえる方法として考えたものだそう。甘く煮てあり、箸休めにとてもいい。
10品目は名物の出汁巻きサンドウィッチ。
通常お店で出しているものは、ちょっとビックリするくらい、あえて和辛子をキツく入れて、かなりお酒飲んだ人でも辛さが分かる、なんなら目が覚めるくらいの感じなのだが(笑)、私は辛いのが苦手なので、NO辛子で、マヨネーズのみの優しい出汁巻きサンド。
薄めのパンをトーストでカリッと焼いて、サンドというより、出汁巻きを支えるパンくらいの立ち位置で、〆でもペロッといただける。
11品目は、口直しのチーズと蜂蜜。
お酒が好きな大将中川さんらしく、和食の食事のコースというよりは、全てお酒に寄り添ったお酒好きな人のための料理。
考えてみれば日本酒は米から出来ているし、そう思うと、日本酒と和食の料理の合わせはご飯を食べているようなものなのかもしれない。
■「和食なない」
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by meshi-quest
| 2025-03-19 08:07
| 西荻窪