神宮丸太町「cenci (チェンチ)」へ行く。
懇意にさせていただいているミシュラン1つ星の予約の取れない京都イタリアンの名店「cenci」(チェンチ)でディナー。
「cenci」では通常は1人でもテーブル席なのだが、オーナーシェフの坂本さんのお友達や常連さんのためにキッチンに近いところに数席だけカウンター席があり、いつもそちらに座らせていただく。シェフとも近い距離で話が出来るので、嬉しい席。
1品目は、琵琶湖の鮒(ふな)を使ったアミューズ2種。
1つは、鮒の出汁とカリフラワーのポタージュに、馬告(マーガオ)の香りを付けたもの。
もう1つは、鮒の身の南蛮漬けに、発酵キャベツとレモングラスを合わせたザワークラウトのような付け合わせ。
鮒と聞いて、もっと川魚のような独特のクセがあるかと思ったら一切なく、すごく綺麗な味で驚いた。
ドリンクは、奈良の密紅茶の水出しと、私が大好きな京丹後・竹野酒造のラグジュアリー日本酒「in/ei 陰翳」。
2品目は、岐阜県の日本人唯一の公認パルマハム職人である多田昌豊さんが作る24ヶ月熟成の生ハム「ペルシュウ」と、米で作ったドーサ(インドのクレープ料理)の前菜。
ドーサの中には、カルダモンをしっかり効かせたリコッタチーズ。
3品目は、クエのスープ仕立て。
クエの出汁の旨味に発酵白菜の酸味と、スープの中のラビオリには発酵白菜、百合根、発酵柚子が入っている。上から掛かっているパウダーは米糠(こめぬか)。
素朴な甘味とオリーブオイルの旨味がたまらない自家製フォカッチャ。ついつい食べすぎちゃう、止まらないパン。
4品目は、足赤海老とほうれん草と金柑のピクルスの料理。
原木椎茸やセリ、香り付けに海老醤油が使われている。
5品目は、兵庫県のベニズワイガニの温かい料理。
黒米や九条葱、上からは岐阜の郷土料理「ふなずし」のパウダーが掛かっている。洋風のかに雑炊っぽい感じ。
6品目は、「cenci」のコースの中に必ず1品入る動物性を使わないヴィーガン料理。
黄色ニンジン、菊芋、春菊、八朔、キヌアなどをペペロンチーノオイルで和えたもの。
7品目は、青森の鴨。
むね肉は炭火焼きにして、もも肉と内蔵はハンバーグで。付け合わせはカーリーケール。
ソースは鴨出汁に、私が命名させていただいた「竹野酒造」ラグジュアリー日本酒「理瑰-rie」の酒粕を合わせたもの。
8品目は、キウイとビーツのシャーベットと、ジンのゼリーのグラニテ。口直しのちょっとしたグラニテもちゃんと美味しい。
9品目は、鶏と蕪とレモンのパスタ。
本当のメニューでは牡蠣なのだが、食べられないので、坂本シェフが特別に鶏肉で作ってくださった。
レモン系のパスタはバランスが悪いと、全てレモン味になってしまって他の味が感じられなくなりがちだが、すごく優しくほんのりだけレモンを効かせてて、鶏肉の旨味と蕪の甘味がちゃんと感じられて美味しいパスタだった。
10品目は、希望者だけ+3000円で追加可能なスペシャルリゾット。
この日は、「今帰仁アグー」と白菜とパクチーのリゾット。
チャーシューのような今帰仁アグーのグリルと、下には白菜のパクチーのリゾット。アグーの上には、鮎魚醤、香茸のパウダー、ニラ、キクラゲ、生姜、ピーナッツもやしを合わせた洋風XO醤のような薬味。
このXO醤とパクチーのリゾットが豚肉にすごく合ってて、絶品だった。
コースのパスタと対照的で、パスタだけで表現しきれない、いい意味でチャレンジや遊び心があるものが、毎回スペシャルリゾットに登場するので、「cenci」に行かれる方で〆のお腹に余裕がある方は、ぜひ追加リゾットも注文されることをオススメする。
11品目は、ヘーゼルナッツのセミフレッドで、上からは自家製マーマレード。
12品目は、苺「さちのか」のチーズケーキと、甜茶のアイスのデザート。
上から香り良いティムールペッパーと甜茶のクランブル。
この時期、苺とお茶を合わせるお店が多く、大好きな組み合わせ。苺の甘さをいい感じでお茶が引き締めてくれて、赤と緑の色のコントラストも綺麗だし、この組み合わせの妙が分かるというか、サラッとできるのは、美味しい苺の種類も豊富で、お茶に精通している日本ならでは。デザート食べながら感謝。
最後は選べる紅茶と、「cenci チェンチ」。
ドリンクに付いてくるイタリア・トスカーナ地方のパスタのお菓子の名前が店名と同じ「cenci」。
この日も知らない食材、知らない調理法に出会えた、楽しく美味しい「cenci」ディナーだった。
■「cenci (チェンチ)」
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by meshi-quest
| 2025-03-12 08:07
| 京都