銀座「銀座大石」へ行く。
懇意にさせていただいている銀座の予約困難な人気フレンチ「銀座大石」でディナー。
今宵も大石シェフの楽しいトークと美味しい料理をいただく。
この季節は1年の中でも特に人気の季節で、
大きな黒トリュフ、新鮮なオシェトラキャピア、上質なフォアグラの3種の神器が揃い、
大石さんのスペシャリテが目白押しになるので、常連さんの予約も集中する季節。
まずは、胃を温め、保護するためのバター茶から。
バター茶はチベットやブータンなどで飲まれているバターを溶かしたチャイのようなもの。
1品目のアミューズは、「銀座大石」さん名物のオシェトラキャビア「大石キャビア」をたっぷりと使った燻製キャビアのグジェール(チーズを混ぜたシュー皮)。
コースの最初には必ずこのグジェールが出てくるのだが、見た目は一緒でも毎回季節によって中に入っている食材が変わっていて、この日は愛媛県のスマガツオのたたき。
スマガツオが脂乗ってて、旨味があって、ものすごく美味しい。中には新玉ねぎのクリーム。
2品目は、青森県のムラサキウニとカリフラワーのムースのコンソメゼリー寄せ。
旨味がしっかりあって、最初の一口は和食っぽさもあるが、中のクリーミーなムースと途中で一緒に食べると、ちゃんとフレンチになる仕掛け。
3品目は、青森のヒラメの温州みかんドレッシング。
自家製ドレッシングには、温州みかんジュース、薬草酒、ハマグリの出汁などを加えて、サッパリと。上には水晶文旦。
4品目は、大石シェフのスペシャリテでもある12時間以上じっくり煮込むスッポンのコンソメ。
この日はスッポンの出汁のフラン(卵豆腐のようなもの)と、小さく角切りにされた蕪の組み合わせ。
一切のクセや引っ掛かりのない、どこまでも透明感のあるクリアなコンソメ。それでいて、薄すぎずしっかり旨味がある。
いついただいても本当に美味しいコンソメ。
季節によって麺が入っていたり、具が変わるけど、今日のフランと蕪のシンプルな組み合わせが好き。
5品目は、フレンチ風の豪華な八寸。
新年あけての縁起物として、八寸の上にはウラジロ。髪が白くなるまで長寿を願う意味がある。
8種の野菜とホタテのゼリー寄せ、ホタテと鳥と舞茸・しめじ・マッシュルームのテリーヌ、
燻製の香りを付けたサワラとジャガイモのテリーヌ、そして、「Ginza大石」のロゴが入った焼き立てのパテ・ド・カンパーニュ。
6品目は、冬の風物詩「モンドール」チーズと真鱈の白子を使ったグラタン。
中には特製トマトソース。
チーズと白子だけだとかなり重くなってしまうが、このトマトソースの甘酸っぱさにより、すごく軽く、サッパリといただける。
7品目は、去年初登場した製麺の名店「開花楼」の特注麺を使った「銀座大石」特製パスタ。
この日は、苺のように甘い糖度12度のブランドトマト「OSMIC FIRST QUEEN」を使ったトマトソースパスタ。
自家製のサルシッチャを作り、それをわざと砕いて、酸味あるトマトと、甘味ある「OSMIC FIRST QUEEN」を組み合わせて作ったバランス良い濃厚なトマトソース。ものすごく美味しい!
ちなみに、「OSMIC TOMATO」(オスミックトマト)が大好きで、家でもよく食べているのだが、中でもこの箱入りの「QUEEN」はちょっと高いがその価値アリの、フルーツ感覚で食べれてしまうほど美味しいのでオススメ。
8品目は、「銀座大石」の冬の超レアスペシャリテ「黒トリュフとフォアグラのパイ包み焼き」。
これはコースとは別メニューになってて、使っている食材も高級なためお値段もかかるので、事前の希望者のみ。でも、ほぼ全員が希望するくらいの人気の料理。
大きな大きなボールのような黒トリュフは、目の前にあるだけで、すでにものすごいいい香りがする。
その黒トリュフを贅沢に超厚切りにして、それに負けないくらい厚切りのフォアグラを挟み、特製のパイ生地で包んで焼き上げる。
この日のお客さんはほぼ全員頼まれたので、使う黒トリュフの総量はなんと243g!!
こうしてパイ包み焼きが焼き上がり、完成――(゚∀゚)――!!
焼き上がりのパイのバターのいい香りと、黒トリュフの芳醇な香りと、肉汁がほとばしるフォアグラの香りと、香りで酔いそうなくらいの料理。
ソースは酸味を効かせた黒トリュフと赤ワインのソース。
この酸味が濃厚なパイやフォアグラを軽く美味しく食べれるようにしてくれる。
このパイ包み焼き、もちろん黒トリュフとフォアグラがメインなのだが、実は生地だけでも美味しいパイとソースが裏の主役で、これがあるからこそ、食材をより美味しく食べさせてもらえてる感じ。
黒トリュフのパイ包み焼きはクラッシックなフランス料理で、
有名な都内のグランメゾンなどでは丸ごと1個黒トリュフが入ったパイ包み焼きなどを出してくれるのだが、
正直、どんなに黒トリュフが美味しくていい香りでも、丸ごと1個はキツイ。
これまで色んなところでこの料理をいただいたが、途中できつくなって、ちょっと残したりしてしまうのだが、
「銀座大石」さんでいただいた黒トリュフのパイ包み焼きは中にフォアグラを挟み、濃厚で飽きやすいところをパイとソースがうまくカバーしてて、
私の黒トリュフのパイ包み焼きの中のNo.1だった。
9品目は、新潟県燕三条の鴨を2種類の食べ方で。
まずは、シンプルに鴨の旨味を感じてもらうために、塩とわさびで。
大石シェフはフレンチのシェフだが、実はジビエが苦手だそうで、そんな大石シェフでも美味しく食べれる鴨なので、鴨のクセやジビエ独特の野性味のようなものが一切ないクリアなお肉。
10品目は、鴨を炭火焼きし、鴨の肝や骨など羽以外の鴨を全部使ったサルミソースで濃厚にいただく。
11品目は、口直しのグラニテ代わりの、高知のスイカとミントのジュース。
料理の合間のこういうちょっとした口直しも一切妥協無しで、徹底的に美味しいw。
12品目は、三重県松坂牛のスネ肉の煮込み。
牛肉の煮込みというと赤ワイン煮込みが多いが、赤ワインで煮込むと、牛肉の味や旨味が消え、赤ワインの味だけになってしまうので、
「銀座大石」ではスネ肉だけをじっくり柔らかく煮込んで、後からポルト酒のソースをかける。
付け合わせは、焼き立てのアッシェパルマンティエ。
実はこれまで牛肉の赤ワイン煮込みがそこまで好きではなく、それはまさに牛肉に赤ワインが染み込んでて、全部が強くその味になってしまってたからで、この牛肉は全然違った。
牛肉の煮込みの中のNo.1に出会ってしまったかもしれない。
13品目は、毛蟹のリゾット。
蟹身はほぐしてリゾットの中に、蟹味噌は混ぜて蟹クリームコロッケにし、これらを全部混ぜ合わせる。
そして、その上から濃厚な蟹のビスクソースをかけて、リゾット風に。
甲殻機動隊にはたまらない〆のご飯。
14品目は、「銀座大石」さん名物の絶品大石カレー。
具もないし、バターや乳製品を一切使っていないが、ビックリするくらい濃厚で、旨味がある。
なのに、恐ろしく軽い。こんなに何品も出てきたフレンチ最後の〆のご飯なのに、不思議と食べれてしまう。
バターや乳製品を使わない代わりに、大量の人参と玉ねぎと牛肉をしっかり炒め、特製の鳥出汁と合わせて数時間煮込み、それをミキサーにかけて、丁寧にペースト状にしたもの。
大石さんのカレー、本当に美味しいなあ。絶品。
このカレーをいただくと、確かに「カレーは飲み物」かもしれないと思う。
15品目は、洋梨のクレームダンジュ。
フレッシュな洋梨と柚子とシャンパンジュレの組み合わせ。
16品目は、フランスの伝統的なデザート、クレープシュゼット。
愛媛の「紅まどんな」を使い、中には軽く仕上げたチョコムース、ソースはオレンジと洋酒のアルコールを飛ばして、少し酸味を効かせたもの。
今日も新しい発見とワクワクが止まらない全16品の大石コースだった。
行く度に何かのNo.1が見つかるのだが、この日は特に今まで食べたNo.1が多かったなあ。
ある程度冒険をして、レベル上げもしてきた自負があるので、
そうそうなかなか経験値も溜まりにくいし、レベルも上がらなくなっていくのだが、
テレレレテテテー♪と軽やかにレベルアップ音楽が鳴り響いて、自分の中のメシクエの歴史が更新されていくのは心地よく、幸せなもんだ。
いつも応援ありがとうございます。
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by meshi-quest
| 2024-02-16 08:08
| 銀座