銀座「TROIS VISAGES トワヴィサージュ」へ行く。
懇意にさせていただいている、昨年初のミシュラン1つ星を獲得した銀座の人気フレンチ「TROIS VISAGES トワヴィサージュ」でディナー。
コロナ前は同じ場所で「en.terrible アンテリブル」という名前でアラカルトのフレンチをやっていて、その頃からよくお邪魔させてもらっていた。
現在はスタッフはほぼ変えずに、メインシェフを若き新進気鋭の國長シェフとし、名前は「TROIS VISAGES トワヴィサージュ」に変え、料理もコースのみとして、リニューアルしている。
着席すると、目の前にピンクの器があり、開けると、自社で持っている農園で育ったいい香りのハーブや花と共に、本日のメニューが入っている。
お祝いも兼ねてお伺いさせていただいたのだが、逆にお礼にシャンパンをいただき、感謝。ありがとうございます。
1品目は、睦月(1月)にちなんだアミューズの盛り合わせ。
新年に京都で食べられる銘菓「花びら餅」を模したアミューズは、中に生ハムとクリームチーズとコンソメで煮たゴボウを、出来立ての柔らかい求肥で包んだもの。
七草粥をイメージして、7種のハーブとライスチップスのアミューズと、この時期が旬のビーツのタルト。
味も美味しく絶品なのだが、特に「花びら餅」をアミューズのモチーフに使う國長シェフのセンスに感動した!
東京の、しかもフレンチでこの子に会えるとは!!
京都に仕事でもプライベートでも良く行くので、1月と言えば白餡にゴボウの甘煮を挟んだ花びら餅がどの和菓子屋さんにも並ぶのだが、
東京だと「花びら餅」を見ることがほとんどなく、1月のテーマって色々とありそうなのに、あえて東京で馴染みが無いものにチャレンジと提案をしているのが唯一無二というか、他にはない感動があって、素晴らしかった。
京都びいきなので(笑)、ホントこの「花びら餅」見れただけで、もう感激。
2品目は、ズワイガニのヴォロヴァン(パイ生地に詰め物をした料理)。
ズワイガニと、カリフラワーのムースと、上には水晶文旦。
ソムリエさんが作ってくれた、水出しダージリンにメルローのぶどうジュースを加えたノンアルカクテル。
これがノンアルなのに、ちゃんとワイン飲んでいるような気分になるドリンクですごく美味しかった。
3品目は、埼玉県須永農園さんの下仁田葱のグラタン。
中にはトリッパと大根の白ワイン煮込みが入ってて、他にはないグラタン。旨味がギュッと詰まってて、お酒の進むような味。
パンは天然酵母と十六穀米を使った自家製パン。
4品目は、「極みえのき」のソーセージ。
一見、肉のソーセージに見えるが、実は中はえのき1パックくらいをギュッと凝縮したえのきで作ったソーセージ。
國長シェフのコンセプトの中に「普段、主役にならないものを主役にしてあげたい」というのがあり、
シェフがえのきが好きなので、えのきを主役にした料理を考えたのだそう。
私もえのきは大好きだが、確かにえのきは地味なのでw、なかなかフレンチの主役にさせてもらうことは無かったと思うが、きっとこんな美味しいソーセージにさせてもらえて、喜んでいるに違いない。
「主役にならないものを主役に」って、すごくいいなあ。
それが出来るのは唯一シェフだから。
5品目は、白子のべニエ。
茨城県の自然薯をまとわせて、ふんわりした焼き物に。
この時期、白子の料理は色々と出てくるが、白子料理史上、すごく軽くて、トップクラスで食べやすい白子だった。
ソースは黒トリュフのペリグーソース。
6品目は、グラニテ代わりの金時人参のシャーベットサラダ。
上には茗荷のマリネとローストナッツ。
このシャーベットサラダがめちゃくちゃ美味しくて、通常フレンチのグラニテはフルーツだったり、お茶だったりをシャーベットにしてるが、
もちろんそれも美味しいけど、野菜が美味しいので、グラニテとサラダを兼ねて、シャーベットサラダにしているところは珍しく、すごくいいアイディアだと思った。
水出しダージリンがいい香りで、とても美味しい。
これ、色んなお店でも、シェフやオーナーにも言ってるのだが、
いわゆる市販烏龍茶的なものだと味が強すぎて、料理の味も壊してしまうし、
昨今、特にコロナ後はノンアルのお客さんも増えているので、お茶はされどお茶でちゃんとした方が絶対良い。
お茶好きで、食中もお茶をよくお茶飲むだけに、お茶を軽視せずにちゃんと手を抜かずに作っているところはすごく好感度高いし、信頼できる。
7品目は、熊本県のあか牛のフィレのグリル。
付けあわせは、ほのかな苦みがあるタルティーボと、ものすごく甘いセルフィーユの根。
しっかり牛の旨味を感じるけど、くどくなくて、とても柔らかく食べやすい。
8品目は、川俣軍鶏のコンソメ。
コンソメは作り立てが香りも味も美味しいということで、お客様が入店してから作り始めて、じっくり作って、コースの最後に完成する名物スープ。
まずは、そのままのコンソメの旨味を楽しむ。
鳥の旨味が凝縮されていて、ずっと飲んでいたくなる味。美味しい。
具は銀杏と、肉を詰めた小玉ねぎ。何気ないこの小玉ねぎもすごく美味しい。
コンソメは2杯分あり、2杯目はお客様の要望があれば、麺を入れることができる。
確かに、上品な上湯スープっぽくて、麺を食べたくなる味w。
麺は黒トリュフを練り込んだ手打ちパスタで、上からさらに追いトリュフ。
そのままのコンソメでも十分美味しいが、黒トリュフの風味が加わると、また深い味になる。
9品目は、八朔のパブロワ(メレンゲとホイップクリームのお菓子)。
上の小さな粒は、コショウ科のブドウカズラを煮たもの。
10品目はコンテチーズのブリュレと、「あまおう」のアイス。
上のハーブは、自社農園で採れたアリッサムとウィンターセーボリー。
コンテチーズのブリュレは甘味と塩味のバランスが絶妙で、甘じょっぱさがクセになる味。このブリュレ、好み。
11品目の小菓子は、自家製のカヌレと、バニラのういろうと、ボンボンショコラ。
小菓子にういろうが出てくるのも珍しいが、國長シェフの出身が山口県で、山口県はういろうが銘菓で、子供の頃はういろうは山口のものかと思っていたら、多くの人が名古屋銘菓と言って驚いたというエピソードから(笑)、
山口県のういろうの特徴であるわらび粉を使った「山口県のういろう」を小菓子に出しているとのこと。
全ての料理に意味があって、ストーリーがあって、流行りとかではなく、シェフが伝えたいものを信念持って料理で表しているようなレストラン。
次回のコースもすごく楽しみ。
料理もさることながら、そこに隠されているエピソードや世界観が楽しみになるお店。
■「TROIS VISAGES トワヴィサージュ」
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by meshi-quest
| 2024-01-29 08:08
| 銀座