恵比寿「刻々」へ行く。
懇意にさせていただいてる予約困難な鮨の名店「鮨心白」の大将石田さんが、
今年2023年の4月末に「鮨心白」の真隣(ほぼ同じ建物内)に絶品朝食専門店「刻々」をオープンしたので、早速お邪魔させてもらった。
正面の扉の左の茶色が「鮨心白」への入口、向かって右のグレーが「刻々」への入口。
今からさかのぼること2年前に、常連さん友達と「鮨心白」にお邪魔した際に、
鮨屋さんは米も、海苔も、刺身も、焼魚も、卵も美味しくて、
これってもう朝食メニューだしw、鮨屋さんの朝食はさぞかし美味しいんだろうなあー、食べたいなー!みたいなおねだりをしたところ、
大将の石田さんが快諾をしてくれて、本当に超常連のみ貸切の1回限定で早朝に「心白」集合で
その様子は、上記リンクから「メシクエ」で公開しているのでぜひご覧いただきたいのだが、
私の朝食史上一番美味しい朝食となった。
とはいえ、夜営業をしつつ、朝にも朝食用のすごい料理を準備するのは相当大変で、
常連としては何度もやりたかったがw、一旦は、後にも先にもこれ1回きりだった(感謝)。
そんなことがあっての数年後、石田さんから「朝食店をついにオープンします!」というまさかの連絡があり、もう待ってました!の狂喜乱舞。
6時半起きの、8時半集合という、本当にこの朝食のためだけに早起きして恵比寿にやってきたw。
店内は、グレーを基調とした落ち着いたシックでカッコいい内装。
調光も暗めなので、まだ完全に立ち上がっていない私のOS(脳みそ)にも優しい仕様。
キッチンを囲むように作られているカウンターは7席ほど。詰めれば8席くらいは座れる感じ。
まず驚くのは、カウンターにずらーーーっと並べられた大将・石田さん選りすぐりのご飯茶碗。
この中から、今日出てくる2種類のご飯に合わせて、2つの茶碗を自由に選べる。
自分がその日に使う茶碗を選ぶって、すごく大事だと思ってて、
当然毎日同じ気分や体調ではないので、変わって当然で、出来るだけ自分に合った環境を自分に与えるのは大事。
例えば、飲食店さんでもいいお店は猪口を選ばせてくれたり、カフェでもカップを選ばせてくれたりするが、
ご飯茶碗まで選ばせていただけたのはここ「刻々」が初めてだなあ。良いシステム。
・・・で、結構悩んでw、気分的に明るめよりは、ちょっとシックにいきたかったので、この2つを選ばせてもらった。
まずは、白湯から。
上にある柑橘の皮を白湯の中に落として飲む。
朝起きたての胃腸を緩やかに起こすため。
三重県岡村農園さんの200%トマトを使った手作りトマトジュース。
トマトというより、甘酸っぱい苺を飲んでいるようで、とても美味しい。
ちなみに、私はトマトはものすごく大好きなのだが、青臭さのせいでトマトジュースがあまり好きではない。
そんな私が一気に飲んでしまったくらい美味しい。
大将・石田さんの千葉のご友人で、朝に有機野菜を収穫し、朝のうちに届けるという
とんでもなく大変なことをされている野菜業者さんによる朝採れ野菜サラダ。
いい意味で野菜の苦みや香りを感じ、野菜が元気というか、自分の体に野菜の元気が入って、体から老廃物が出ていくような感じがある。
合わせるドレッシングは和歌山「梅ボーイズ」山本さんの梅酢と、沖縄「The Cheese shop」ジョンさんのヨーグルトを使った自家製ドレッシング。
和風シーザーっぽいクリーミーなドレッシングで、この石田さんのドレッシング買いたいくらい美味しい!
食中のドリンクは、三重県のかぶせ茶。
他にも日本で唯一天然水で炭酸が入っている炭酸水や、珍しいクラフトビールの数々、各種日本酒などアルコールも選べる。
石田さん謹製の自家製豆腐。
数年前に行われた幻の朝食会でもいただいたが、豆腐が甘くて、大豆の香りと旨味が強くて、めちゃくちゃ美味しい豆腐。
豆腐はたまらずお代わりさせてもらったw。
そのままでも美味しいが、石田さん厳選の塩3種、もしくは、石田さんが「美味すぎて驚いた」という奈良県片上醤油さんの醤油を使う。
ここからは待望のご飯タイム!!
これでもか!というくらいこだわり抜いたご飯のお供達と、土鍋で炊いた炊き立て白飯。
ご飯はササニシキの突然変異である「かぐやひめ」と、コシヒカリの突然変異である「ミルキークイーン」の突然変異米2種。
ご飯はもちろんお代わり自由。
ご飯のお供の内容は・・・
・灰干しという特殊な干物の技法で水分を取ったキンメダイ
・山形県の3種の時代豆を使った糀寝かし豆
・石田さん特製のなめたけ(これがめちゃくちゃ美味しかった!)
・黒毛和牛の雌の左だけを使ったしぐれ煮
・3年熟成のメイクイーンと特製ベーコンを使ったポテトサラダ
・和歌山「梅ボーイズ」さんの梅干(少し塩抜きして優しくしたもの)
・奈良県の割干し大根
・自根きゅうりの「心白」ガリ酢漬け
→知らなかったのだが、きゅうりはかぼちゃの根を使って育てるのが一般的で、自根で育たないというか、自根のものはほとんどないらしい。その中でも自根にこだわった生産されている農家さんの超貴重なきゅうりだそう。
もうお盆のご飯のお供だけでも豪華で十分なくらいの品数だが、
食べている間にさらにお供が増えていく、なんだか大人気の勇者になった気分のシステム。
アサクサノリの一番摘みだけを使用した佃煮。
海苔は通常二番、三番摘みまで使わないと採算が合わないそうなのだが、
貴重なアサクサノリの、しかも一番摘みだけを使っている、ものすごく食べやすく香りいい海苔佃煮。
山形県の時代豆を使った石田さん手作り納豆。
私は納豆大好きなのでものすごく美味しくいただいたが、納豆食べれないお客様が来た時も石田さんの納豆だけは食べれるという人が多い一品。
納豆を手作りする鮨屋さんなんて、きっと石田さんだけだと思うw。
石田さん自家製の食べる辣油。
辛さはほとんど無くて、香りと旨味が凝縮されており、ご飯にかけても、つまみとしても美味しい。
伊賀牛をあさりとウタセエビの出汁でしゃぶしゃぶした一品。
もうご飯のお代わりが止まらないw。
朝食と言えば、もちろん卵の存在も忘れてはいけない。
卵は2種から選べて、蒸し卵か目玉焼きがある。
希望者は2つとももOKなので、当然2つともいただくw。
蒸し卵は、蒸した半熟卵。ご飯の上に大胆にドーン!
ご飯の上にドーーンと卵を乗せて、目玉焼きご飯も可能。
食後は2種のお茶で締め。
最初は、福岡県奥八女の星野製茶園さんの冷抹茶。
続いて、一番茶だけを使ったほうじ茶は温かいもので。
本当にすごい朝食だった。
ご飯のお供が美味しすぎて、「かぐやひめ」3回、「ミルキークィーン」3回お代わりした。
お腹が幸せ過ぎて、その日は夜まで何も食べなかった。
ちなみに、私は朝が非常に弱く、頭も胃も機能してないので、普段は一切朝食を食べない。
ホテルの朝食もよほど食べたい理由やテンション上がってないと、朝食付きでも食べないくらい。
そんな私がお代わりしまくるくらい美味しかった。
石田さんの朝食が、やっぱり私の朝食史上のNo.1だ。
朝食として単に美味しいというだけではなく、
日本の食材の奥深さ、生産者さんのこだわり、こんな美味しいものがあるのかという驚きと知識への刺激、
野菜や魚、調味料の歴史や製作工程の勉強、そして、石田さんの食への想い、
すべてがすごくて、食べながら体も元気になりつつ、頭も心も元気になる。
そんな素晴らしい朝食店が誕生した。
一度、食を愛する全ての方に体験してもらいたい朝食だった。
なお、朝食は朝8:30スタートで、「鮨心白」の電話(03-6721-7880)から予約可能。
夜は常連さんをメインに17:00から「刻々」の同じ場所でワインバーもやっていて、朝食で出てきた食材をつまみにアレンジして出してくれる。
■「鮨心白」
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by meshi-quest
| 2023-05-15 08:08
| 恵比寿・広尾・白金