佐原「佐原商家町ホテルNIPPONIA」に泊まる。
千葉有数の水郷でもあり、
まるで江戸村のセットのような歴史的建造物が町ごと残っている博物館のような町・佐原。
町の真ん中を走る小野川の船下りや、日本地図で有名な伊能忠敬さんの旧宅があることでも有名。
都内の小学生は社会科見学がてら遠足で来ることもあり(私も最初の佐原は小学生の時)、
東京から(渋滞無ければ)高速で1時間半くらいの有名な観光地でもある。
川沿いに雛人形がむき出しになっていた。
きっとこういう飾り方の文化があるのだと思うけど、初めて見た。
盗まれないかとか、濡れないかとか、色んな事が気にかかるw。
何を見ても新鮮で、どこで写真撮っても絵になる。
歴史好き、建物好き、写真好きはもちろんのこと、普通に遊びに来ても楽しい町だと思う。
そんな歴史的な建造物に泊まって、
町ごとホテル感覚で楽しもうという「佐原商家町ホテルNIPPONIA」というホテルがあり、この度宿泊させてもらった。
この「NIPPONIA」は日本各地に同じコンセプトのホテルがあり、
兵庫の「篠山城下町」、三重の「伊賀上野城下町」、滋賀の「五個荘近江商人の町」など
日本の色々な歴史的な町に、町全体をホテルに見立てた独立型集落ホテルを展開している。
まずは、メインロビーでチェックイン。
このメインロビーも古い蔵を改装したかのような作り。
今回は、「佐原商家町ホテルNIPPONIA」で唯一の一棟貸しをしている「AOI」という家に宿泊することにした。
他の部屋は、1つの建物にいくつかの部屋を分けていたりするが、
この「AOI」という部屋は、佐原・小野川沿いに昭和初期に建てられた
「柳半別邸」という元料亭をリノベーションしており、1日1組1棟貸しになっている。
・・・というわけで、ロビーから移動することになるのだが、
小野川に沿って駅に向かい、ロビーから歩くこと約8分。
あとで気がついたが、「佐原商家町ホテルNIPPONIA」のロビーから一番遠い場所にある家(部屋)だったw。
まずは外観。
元料亭をリノベーションしているので、素敵なお庭があるのがウリになっている。
お庭はこんな感じで、入口から右手の庭に回り込めるようになっていて、
正式な宿泊者なのに、なんだか覗き見しに来た変な気分になるw。
庭の端の方に朽ちた鳥居と小さな神社があって、それはちょっと怖かった。
扉を開けると、広い玄関があり、
障子を開けると、居間が広がる。
ここがメインでいることになる部屋。
居間を正面にして左の部屋がベッドルーム。
ツインのベッドが並んでおり、部屋は広いのに、残念ながらベッドが小さく、固い(詳細はまとめの感想にて後述)。
浴衣と羽織、巾着の中にはアメニティーが入っている。
ちなみに、ホテル予約サイトの「一休」のダイヤモンド会員だと、
水郷・佐原の馬場本店酒造さんの「大吟醸 海舟散人」が無料でいただける。
その他のドリンクは水以外、有料。
居間を正面にして右の障子を開けると、お庭が見える椅子がある。
先ほど、まるで泥棒かのように庭に回り込んで見た、あの場所だ。
奥にもう1つ小部屋があり、元茶室なのか、小さい窓に囲まれた部屋がある。
全体的にどこも広いせいか、なんかこの小ささが落ち着くw。
この椅子に座っての庭の眺めは、この「AOI」の最大のウリだと思う。
月でも見ながら一杯飲みたい気分だったが、残念ながら、あいにくの曇天。
庭を囲むかのような長い廊下を進んでいくと・・・
その先に、トイレと洗面所がある。
小さなことではあるが、備え付けの石鹸がパリ製で、ここは日本製の方が合うんじゃないかなとは思う。
トイレのある部屋を通過して、さらに奥の部屋に行くと、
脱衣場と檜風呂がある。
庭がウリで、元料亭をリノベーションした一棟貸しと聞いて、
めちゃくちゃお風呂に期待をしており、
大きな檜風呂に、なんなら半露天で庭も見れたらいいなと思っていたが、
檜風呂は思ったよりも小さい内風呂で、窓も庭が見れる感じではなく、小さかった。残念。
歴史的建造物なので、部屋の隅々に歴史を感じさせるものがあり、
昔ながらの摺りガラスや障子、電灯などの備品もそのままのものが残っている。
お仕置き部屋のような謎の小部屋があったり(笑)、
鍵が掛かってて行けない謎の二階などもあり、
こういうのが楽しめる人は良いと思うが、
想像力が豊かで色々と考えると寝られなくなっちゃう人だと、少し厳しいかもしれないw。
夜のお庭はこんな感じでライトアップされる。
朝食は、ロビーまで歩いて、ロビー併設のレストランでいただく。
せっかく素敵な部屋とお庭があるのだから、
出来れば朝食は部屋に届けてくれて、部屋食にしたいところだが、これは残念。
朝食前に、温かい甘酒が出てくる。
水郷ということもあり、酒蔵が多い佐原の地元の酒蔵さんの酒粕を使っているらしく、
クセが少なく、とても飲みやすくて、美味しい。
朝食は、こんな感じでランチボックス式。
メインは、越田商店の「もの凄い鯖」の塩焼き、
佐原の酒蔵さんの酒粕を使った酒粕汁、佐原の塩麹を使った玉子焼き、
黒毛和牛と野菜の煮物、佐原名産の鉄砲漬け、佐原の「油茂製油」さんの胡麻油を使った金平など。
「もの凄い鯖」は味も良く、脂も乗ってて、凄く美味しかった。
滞在感想のまとめとして。
まずは、映画のセットのような町の中で、映画のセットのような元料亭に宿泊できたのはすごく有意義で、素敵な時間だった。
庭も綺麗で、独立した建物なので静かでのんびり過ごせる。
一方で、期待していたほどでもなかったこと、残念なことも多かった。
■広さを活かしきれていないこと
元料亭だけあって、とても広い。
だが、ただ広いだけで、その広さの恩恵を享受できないというか、残念ながら「不便さ」の方が目立つ造りになってしまっていた。
本来は見た目や雰囲気は歴史的な建造物のままで、それをいかに現代の人が来ても、不便さよりも歴史的良さだったり、楽しさを出せるかだと思うのだが、そのまま「歴史的建物は住むには辛いね」の感想が出てしまうのは、勿体なかったなと思う。
■ベッドの寝心地が良くない
ベッドルームはかなり広いのと、この「AOI」は一番高い良い部屋なので、もっと寝具は大きく、いいモノを入れた方がいいと思った。
この辺も広さを活かせてないというか、費用に対する満足度が低く感じられた。
■朝食は部屋食にして欲しかった・・・
せっかく庭も見れる部屋なのに、朝食がロビー棟まで行くことになるのはすごく残念。
庭を見ながら、ゆっくりご飯を食べられたら、空間の贅沢も味わえたはずなのに・・・。
ロビーに行く理由が、例えば、温かい料理をこまめに会席のように出すとかならまだわかるが、
先の通り、ランチボックススタイルなので、これなら持ってきてくれても変わらないはずなのに、と思う。それくらいの費用は宿泊に含まれているような値段のはず。
■お風呂はもっと広くして欲しかった
造り上でどうしようもなかったのかもしれないが、
一棟貸しのプライベート感抜群の部屋で、かつ、庭がウリの部屋で、
小さな檜の内風呂は残念で仕方がなかった。
■痒いところに手が届かないというか、サービスが残念
こういう町並みなので、当然近くにコンビニは無く、店も早く閉まる。
だからこそ、部屋でゆっくりくつろぐべきで、
そんなに値段はしないのだから、部屋の飲み物や食べ物をオールインクルーシブにした方がいいと思う。
水以外は有料、かつ、そんなに種類もないのが残念。
佐原を知ってもらうホテルなのだから、
佐原の銘菓だったり、飲み物だったり、いっぱい用意して、
それをご自由にどうぞにすれば、満足度ってかなり上がったと思う。
金額的にはそれを準備してもそんな大した額にはならないし、そもそものホテル代が高めなので、それくらいはあってもいいかな、と。
というわけで、もちろん良いところもいっぱいあったのだが、
残念なところも多くて、満足度は正直低かった。
比べにくいところもあるが、「星のや」(直営のもののみ)さんとかはその辺うまいというか、
値段は高いけど、その分の体験や感動を与えて、費用対効果、というか、費用対満足の価値をあげている気はする。
そもそも、このクラスのホテルに泊まる人は、実はそこまで値段を気にしてなくて(だったら安いホテルにするので)、
値段に対する、得られる経験、体験、感動、満足を求めている気がする。
そこに応えてくれるものだったら、喜んでもっと泊まってくれるんじゃないかと思う。
すごーく可能性は感じ、コンセプトも好きだし、
その分、すごーーーーく勿体ないところが目立ったので、冒険録としてここに残しておく。
■「佐原商家町ホテルNIPPONIA」
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| 2023-04-06 08:06
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