赤坂「赤坂 おぎ乃」へ行く。
片岡鶴太郎さんの三男で、
「京都嵐山吉兆」や「銀座小十」といった
有名日本料理店で修行された荻野聡士さんが独立をされ、
3月10日にオープンをした日本料理店
「赤坂おぎ乃」にお邪魔してきた。
入口に開店のお祝いのお花が並べきれないほどいっぱい!
美しい白木のカウンターは7席のみ。
夜の前半と後半の2部制で料理は一斉スタート。
3月のテーマは春と桜と雛祭り。
箸置きを花瓶に見立てて、そっと桜が差してあり、素敵。
振る舞い酒の白酒。
桃の節句に白酒を飲む風習があるのは、
その昔、大蛇を宿してしまった女性が3月3日に白酒を飲んで流産できた、
という言い伝えがあるからだそうで、
厄払いの意味でこの時期の白酒の飲むのだそう。
器にもこだわっている大将が選んだスズメの徳利も、ものすごくかわいい。
まず1品目は、このこ(ナマコの卵巣)と木の芽の温かい茶碗蒸し。
色鮮やかな緑色と、木の芽のいい香りが広がる。
茶碗蒸しの出汁も優しくて、美味しい。
2品目は、10種の春の山菜と、
ほっき貝と平貝のお浸し。
貝の旨味と出汁の旨味に、山菜の苦味が相性良く、春を感じる一品。
3品目は、車海老の真薯とよもぎ麩のお椀。
お椀を開けて、内側に出てくる鶴の絵は、もちろん鶴太郎さんをイメージしたもの。
お出汁もめちゃくちゃ美味しかったのだが、海老の真薯がさらに絶品だった!
4品目は、大きな、大きな鹿児島県産伊勢海老登場!!
雛祭りをイメージしたお造りは、
店内の照明を少し落として、ぼんぼりの明かりでいただく。
先ほどさばいた活き伊勢海老をはじめ、
桜の葉で〆た、桜の香りがする鯛、
とらふぐのたたき、雲丹と本鮪など豪華で、美しい一品。
お造りもものすごく新鮮で美味しかったのだが、
この雛祭りのお造りのぼんぼり、実は周りは大根で作られてる。
こんな綺麗な大根、そして、こんな使い方をする大根を初めて見た。
大根の繊維が和紙のようなきめ細やかさで、ぼんぼりを眺めながら、
改めて日本人で良かったな、日本料理は素晴らしいと思った。
5品目は、白甘鯛「シラカワ」を使った鱗焼き。
鱗を立てて、上手に揚がっていて、皮がパリパリで美味しい。
根付きアサツキと共に。
6品目は、大きくて、傷1つないツルンとした美しい名残りの白子。
自家製のからすみとホワイトアスパラガスと一緒に。
7品目は、宮崎県の超有名ブランド牛「尾崎牛」を味噌幽庵焼きに。
京都の筍と揚げた蕗の薹と共に。
尾崎牛も柔らかいし、味噌幽庵もいいお味だったなあ。
8品目は、ご飯前の箸休めと口直し。
ハマグリだけで出汁を取ったハマグリのスープ。
中には黄ニラとうるいが入っている。
9品目は、2種の炊き込み土鍋ご飯。
土鍋は、有名な土鍋作家の雲井窯九代目当主・中川一辺陶さんのもの。
1つ目は、5種の貝を使った貝づくしのご飯。
ほっき貝、ハマグリ、小柱、あさり、とり貝の5つの旨味が凝縮されてて、いいお味!
2つ目は、春が旬のホタルイカと、
グリーンピースの色鮮やかな炊き込みご飯。
10品目のデザートは、桜のあんみつ。
桜のアイスクリームに、寒天、優しい甘さのあんこ、求肥など。
お料理、特に出汁が美味しいのも素晴らしいが、
さらに、季節を感じる食材選びや料理のプレゼンテーション、
そして、1つ1つの料理への想いを語ってくれる大将が素晴らしい。
大将の目の届く範囲できちんとお客様に向かい合いながら、
1つ1つ丁寧に食材や料理の説明をしていただきながらいただく
すごく和やかで、温かい雰囲気のお店。
全体的な満足度も高く、赤坂にまた1つ素晴らしい日本料理店が誕生した。
◼︎「赤坂 おぎ乃」
https://www.facebook.com/akasak.ogino/
by meshi-quest
| 2020-03-16 08:08
| 六本木・麻布・赤坂