富士山へキノコ狩りに行く。 ~後編~
「富士山へキノコ狩りに行く。~前編~」の続き。
さて、腹ごなしもしたので、
「よっしゃ、キノコ狩るか!」と外出てみたら、
さっきまで空がブルーだったのに、グレーになってた。
山の天気は、ホントに変わりやすい。
ガスが出てきて、視界が妨げられた。
早くも、難易度が上がったキノコ狩りだが、
なるべく遠くに行かず、声を掛け合うと決めて、
みんなで森の中に突入した。
登山道入り口に行くと、そのまま登山道に入る道と、
その横に「小富士遊歩道」という脇道がある。
事前にお土産屋さんで、どこでキノコが採れるかを聞いたのだが、
「初心者なら遊歩道へ行った方がいい」という人と、
「遊歩道はすでに採られているので、登山道へ行った方がいい」という人がいた。
意見が割れていたが、
結論から言うと、どちらにも生えていた。
そりゃそうだ、同じ森だもの。
ただ、早朝組の熟練キノコ狩人によって、
大方見える範囲にある大きなキノコは狩られきっていたので、
ちょっと小ぶりのものか、行きにくいところに入って探すか、
そのあたりは、登山道も、遊歩道も共通であった。
キノコ狩りは、めちゃくちゃ楽しかった。
スーパーで売っているような茶色のキノコではなく、
黄色や赤色の、ヨーロッパの絵本に出てきそうなキノコが生えていた。
日頃の運動不足と、高度による酸素不足で、
相当息は上がっていたが、2時間ほど、まるで時間の経過を感じずに、
もくもくとキノコを探して森を歩いた。
楽しい。
なんて楽しいんだ!
最初は、小ぶりのキノコでも感動して採っていたが、
だんだんと大物狙いになり、気がつかないうちに、
かなり山の奥まで入ってしまった。
午後3時過ぎ、周りがだんだん暗くなってきて、
そろそろ戻った方がいいなと思って、ふと見ると、
見える範囲に道がなかった。
山の中で方向も分からず、目印になるものもなく、
同じような風景に囲まれ、まるで魔法にかかったようだった。
ヤバイ・・・。
「遭難」という二文字が頭をよぎり、
とにかく下に向かって、降りてみたが、
降りても降りても、道が見えない。
しかも、倒木や崖もあるので、真っすぐには降りられず、
蛇行しながら降りるので、ますます方向が分からない。
さすがに、心配になってきたので、
iPhoneで、先に土産物屋まで戻っていた友達に電話した。
山の中でも電波が通じるのが、せめてもの救い。
ただ、「いま、どこ?」と聞かれても、周りに木しかなく、答えようがない。
とにかく、「下に向かえば、車道が見えるはず」という
土産物屋のおばさんの言葉を友達から伝言され、
ひたすら下に向かって、降りた。
周りがどんどん暗くなるので、焦る。
20分近く、歩いただろうか。
ようやく、遠くに、舗装された車道が見えた。
正直、ホントほっとした。
ああ、遭難して、車道が見えた時は、こんな気分なんだな。
結局、登山道を逸れ、だいぶ変な方まで入ってしまったらしく、
土産物屋まで、車道を15分近く歩いて戻った。
色んな経験が出来て、ホント楽しい一日だった。
今回の経験を踏まえ、来年またリベンジしたい。
少なくとも、もっと早起きして、朝早くからキノコ狩りに来ようと思う(笑)。
後日談。
翌日、右の上顎に激痛があり、緊急で休日診療をしている歯医者に行った。
すると、持病の顎関節症が発症しており、腫れていた。
医者から、「なんか固いモノを噛みましたか?」と聞かれ、
全く思い当たらなかったのだが、色々と前日の話をした結果、
どうやら日頃の運動不足で、無意識のうちに歯を食いしばりながら
山を歩いていたようで、それが原因みたいだった。
どんだけ、運動不足なんだよ、私(苦笑)。
あと、キノコ狩り帰宅後、そして翌日と連続でキノコ料理を作って食べたが、
今のところ、顎を除いては、超元気なので、毒キノコの心配はなさそうだ。
■今日のカメ
■登山道入口
お土産屋通りを超えると、すぐ登山道入口。
さっきまで快晴でしたが、ガスが出て、視界が悪い。
■小富士遊歩道
登山口のすぐ脇にある遊歩道入口。
キノコ狩りがしやすいらしく、初心者向け。
■キノコカゴ
キノコ狩人の必須アイテム「キノコカゴ」。お土産屋さんで売っています。1つ1000円。
これを皆さん腰に付けて、キノコ狩りに出かけます。
■うっそうとした森
登山道や遊歩道の脇から、こういう森の中を入り、キノコを探します。
軍手必須。できれば、滑りどめ付きの軍手がおすすめ。
■キノコ①
こんな感じで生えています。
■キノコ②
小さくて、黄色いキノコ。これは食用。
■キノコ③
大きめで赤いキノコ。これも食用。
■キノコ④
マリオのキノコみたいなのもありました。大きくなれるかなw。
■キノコ⑤
大きいけど、なんかあやしいキノコw。
とりあえず、見つけたら一応採って、お土産屋さんで鑑定してもらいます。
■キノコ⑥
オレンジがかっていて、キレイな色のキノコ。
■キノコ⑦
しめじみたいな、キノコらしいキノコ。
■キノコ⑧
でかくて、ヌルッとしていたキノコ。一応、採取。
■こんなに採れた!
途中、遭難しかけるというハプニングもありましたが、3時間くらいでこんなに採れました!
■おばあちゃん鑑定中
キノコ名人のおばあちゃんが鑑定してくれます。
基本的に、「毒キノコ」「古くなっているキノコ」「悪くなっているキノコ」「食べれるけど、美味しくないキノコ」は捨てます。
■毒キノコ、いた。
これは、毒キノコだそうです。紫色で、キレイだったな。
■OKキノコ
おばあちゃんが鑑定してくれた、食べてOKのキノコ。
■ダメキノコ
こっちは、ダメなやつ。
採ってきたうち、1/3くらいが食べれるキノコでした。初めてにしては、上出来。また来年だ!
■塩水に漬ける。
採ってきたキノコは、家で塩水に漬けて、ゴミや虫を洗い流します。2時間~一晩くらい。
一部のキノコはアクが強いので、塩水に付けた後に、軽く茹でてから使います。
■富士山キノコのリゾット
採ってきたキノコを使って、クリームリゾットを作ってみました。いい香り。
自分で頑張って採ってきたキノコなので、美味しさ倍増です。
by meshi-quest
| 2012-10-02 08:09
| 旅行_国内