ボルネオ島へ行く。 ⑳ ~マングローブの森 前編~
とても悩む・・・。
今旅、あまり時間的な余裕がなく、
ボルネオに着いた日は、胃痛で撃沈、
1日は、ホテルのビーチでだらだらし、
1日は、動物園に行き、
1日は、マーケットを見に、町に行き、
もう1日だけしか空いてる日がない。
せっかくなので、何か大きめなものを見学したいと、現地ツアーを申し込むことにしたのだが、
ボルネオは、単にどこか建築物を見て回るようなものではなく、
自然を相手にしたツアーが多いため、見学先に行くまでもかなり時間がかなり、
見学先でも時間がかかったりし、半日~1日潰れてしまう。
ツアーパンフレットを読み、吟味した結果、選択肢をこの2つに絞ることにした。
●世界遺産「キナバル山」を見に行くツアー
●マングローブの森へ行くツアー
このラインナップだと、圧倒的に、「世界遺産」という看板が魅力的なのだが、
情報を元に、ちょっと冷静に分析をしてみることにした。
まず、ツアーカウンターのお姉ちゃんの話によると、
このキナバル山へは片道車で約2時間、往復4時間もかかる。
そして、見どころを聞くと、「キャノピーウォーク」という吊り橋を渡ることと、
山の近くにある温泉だ、という。
たしかに、ガイドブックにも、ツアーのパンフレットにも、
同じような、森の中に掛けられた吊り橋と、温泉の写真が載っている。
が、逆に言うと、これだけしか載っていないので、ウリはこれだけの可能性がある。
また、ガイドブックに、ボルネオで世界最大の花ラフレシアが見られると書かれており、
個人的に、それはとても見たかったので、聞いてみると、
「ラフレシア、ノット、オンシーズン」と言う。
どうやら、今は、ラフレシアの季節ではないようだ。
もっと聞いてみると、シーズンであったとしても、1年に1週間しか花は開かず、
残りの膨大な日々は、つぼみになっているか、枯れているか、だそうだ。
こりゃ、ダメだ。
そして、さらにナイスな助言を得た。
「世界遺産と言っても、単に一般の人が見てスゴイとかキレイで
世界遺産になっているわけではないこともある。
たとえば、研究者の視点からすごい自然が残っていて世界遺産になっている場合、
分からない一般の人から見れば、単なる山に見え、面白みはないかもしれない。」
決めた。
「マングローブツアー」へ行こう。
後日談。
先の動物園に行ったときに、一緒のバスで仲良くなった日本人の母娘2人と
翌日、朝食を食べるレストランでバッタリ会い、
世界遺産「キナバル山」のツアーに行ったというので、感想を聞いてみたところ、
急に、おばさまの顔が曇り、「それがね・・・」と。
どうやら、往復4時間もかけて行ったのに、
吊り橋から山を眺めるくらいしか見どころがなく、
しかも、途中で雨が降り、山の中でずぶ濡れとなり、
寒くて寒くて、見学どころじゃなかったようだ。
野生の植物に詳しかったり、
山も登山までして、頂上からの眺めまで見れば、また違うのだろうが、
観光の範囲では、なかなか面白さは感じられなかったようだ。
「世界遺産」にご用心。
■今日のカメ
■マングローブツアーへ

町はずれの森へ向かいます。
ちなみに、マングローブツアーには「片道2時間」と、「片道45分」の2種類があり、2時間かけて行く方は、マングローブの森に生息している野生のテングザルが見れ、片道45分の方は、サルなど野生の動物はいない代わりに、ホタルが見れます。
■何もない町はずれに到着

■民家が1軒だけ

■民家の裏、さらに奥へ

■雲行き怪しく

■さらに奥へ

■ボート乗り場到着

ここからはボートに乗って、マングローブの森を進みます。
■乗り場の様子

■これに乗ります。

■いざ、出発!

■マングローブの森

虫や鳥の声は聞こえますが、見える範囲にはいません。
ひたすら森が続きます。
■マングローブ

ちなみに、マングローブの写真でよく見られる、この根っこ、「呼吸根」というらしく、マングローブでは土が泥質になり、酸素が不足しがちになるため、根が地表に出てくるそうです。
■オージーの老夫婦

このツアーで一緒になり、仲良くなりました。
とてもお茶目なおじさんと、やさしいおばさんと、楽しくおしゃべりさせてもらいました。
■開けた場所に出ました。

森が開け、川幅の広い場所に出ました。
■漁師の小屋

■養殖場

■貝の養殖

町で小さな貝を買ってきて、ここで3カ月くらい育て、また町に売る、らしいです。
1kg300円くらいにしかならないそうです。
■祭りの船

■雨が降り始めました

雨にも負けず、それでも、濡れながら、まだまだボートは進みます。