ホテルの中の水族館
地上の動物よりも海の生き物のほうが神秘的で、珍しくて、見ていて楽しかった。
特に、深海魚コーナーが好きだった。
キレイな魚より、ちょっとグロテスクだけど愛嬌のある魚が好きだった。
きっと人間が潜れる範囲には、「共存」の観点から、比較的人当たりの良い魚たちが住むようになり、人間が来なさそうなところには魚のボスクラスというか、キワモノたちが住むようになったんだろうなぁ、そんなことを深海魚コーナーを見るたびに思っていた。
仮に、あんなグロテスクな魚が水深1メートルくらいのところにウヨウヨしていたら、人類の夏のエンターテイメントとして、海水浴なんて流行らなかっただろう。まさに修行、もはや苦行に近い。
うまくできてるなぁ、世の中。
このように、子供の頃の私は真剣に、魚と人間の共存の歴史を紐解こうとしていた。
理論としては、相当間違っていると思うが。
大人になって、なかなか水族館に行く機会がなくなってしまったのだが、品川(しながわ)に2つめの水族館が出来たと知って、遅ればせながら行ってみることにした。
とある日曜日。
JR品川駅から徒歩3分。いざ、品川プリンスホテル内にある「エプソン品川アクアスタジアム」へ。
水族館を持つ都内の室内娯楽施設では最大級らしい。
元々、ボーリング場だった場所に、水族館、メリーゴーランド、ライブ会場、レストランなど様々なエンターテイメントが集まっていた。
水族館はホテル内の施設ということもあり、魚の数も少なく、そんなに大きくないが、様々なサメが周遊する水槽トンネルやイルカプール、ペンギン、マンボウなど、目玉もいくつかあった。
特に、マンボウ好きとしては、ちゃんと彼がいたことが嬉しかった。
巨大な水槽の中で、水に揺られ漂うハンペンのような魚。
本当に彼こそ最高の癒し系だ。
イルカショーもかなり楽しかった。
この水族館全体の大きさからは想像できないほど、立派で大きいイルカプールが用意されていて、イルカショーも今まで見た中で一番イルカの技術が高かったように思う。
よくある高速移動やジャンプだけでなく、ジャンプしながら高速回転のひねりが入っていたり・・・、うーむ、このあたりは私のつたない文章では表現しきれないので、機会があればぜひ見に行ってもらいたい。
水族館の中のお客の入りは多すぎず、少なすぎずと行ったところ。カップルが多かった。
ただ、その他のメリーゴーランドやレストランなどはかなり空いていて、超余計なお世話なのだが、経営のことを心配してしまうほどであった。
そんなに大きい施設ではないにしろ、家に帰る途中に立ち寄れる水族館があるなんて、なんとも素晴らしいと思う。
「クソ上司め!!!」なんて悶々としながら家に帰るくらいなら、水族館に立ち寄って、マンボウに今日一日辛かったこと語ってみてはいかがだろうか。
きっとその上司より、ナイスな回答をくれるはずだ。
■今日のカメ
◆サメのトンネル

◆館内の様子

◆イルカプール

◆マンボウ

◆たつのおとしご

◆ペンギン

剥製でも静止画でもなんでもなく、生きているペンギンを水槽越しに撮ったのですが、背景がかっこいいセットになっていたので、とても絵になりました。