タイ旅行記⑩ ~ゾウさんに乗る~





話は5年前にさかのぼる。


たまたまドライブでどっか行こうということになり、


友達数人で日光に行った。













日光のとあるお寺に、それぞれの人の守護神が祀ってある場所があり、


それを見に行くことにした。


守護神は干支で分かれており、ねずみ年の人はこの神様、


ひつじ年の人はこの神様と仏像が安置されている。













で、ずら~っと並ぶ仏像を見ていた中で、


1人(というか、神様)すごく楽をしている方がいらっしゃった。


その神様は全仏像の中で、唯一乗り物に乗っていたのだ。


歩くの大変だしなぁ・・気持ち分かるよと思っていたところ、


よく見ると、それが私の干支の守護神「普賢菩薩」様だった。


そして、普賢菩薩様が乗っていた乗り物こそが、ゾウであった。













で、話を戻す。


以前コラムでも動物園にゾウを見に行ったことを書いたが、


大きくてかわいいくて、元々ゾウという動物がすごく好きなのだが、


5年前に守護神様もゾウを愛車としていることが分かり、


ぜひとも私もゾウに会って、ゾウを触って、ゾウに乗りたかった。













タイへ行って一番やりたかったことは、タイ料理を食べることでも、


寺を見ることでもなく、ゾウに乗ることと言っても過言ではない。


ゾウメインの旅行だ。


誰がなんと言おうとも、ゾウさんと私の旅なのだ。














そして、いよいよ、その記念すべき日がやってきた。


プーケット最大の繁華街パトン・ビーチから車で行くこと20分。


「プーケット・ファンタシー」という、


これまたプーケット最大の繁華アミューズメント施設がある。












夜だけ営業のテーマパークで、


レストランやイベントショー、各種お土産屋などが並ぶ。



メインイベントは、3000人収容の園内「パレス・オブ・エレファント」で行われる


ゾウ、虎、水牛などが登場するイリュージョンショー。


このテーマパークのメインは、ゾウ。


ここで会えないわけがない。













「プーケット・ファンタシー」に着いた。


そして、ちょっと侮っていた。


もっと地味なテーマパークを想像していたが、


ディズニーランドのエレクトリカルパレードを彷彿とさせる


電飾バリバリの派手な外観、立派なチケット売り場、なかなかのものである。













園内に入ると、所狭しとレストラン、フードコート、


ゲームイベントコーナー、ミニイベント(マジックとか)、


土産物屋が並ぶ。広さは東京ドームシティ(旧・後楽園遊園地)くらいだろうか。


ここもやっぱり電飾バリバリだ。


派手さはあるが、よくよく冷静になって園内を見ると、遊べるところは少ない。


デパートの屋上にあるような射的や釣りのミニゲームがあって、


当たると変なぬいぐるみをもらえたりするくらい。













・・・と、思っていたら、園内一番奥に、最高のアトラクションが待っていた。


「エレファント・ライド」


看板にそう書いてある。


間違いない。












気がついたら、チケット売り場に向かって猛ダッシュしてした。


血湧き肉踊るとはこういうことを言うのか。


感激のあまり猛ダッシュするなんて、


小学校3年生のときに初めて東京ディズニーランド行って、


チケット売り場に向かって猛ダッシュして以来だ。












エレファント・ライド代200バーツを握り締め、チケット売り場に駆け込む。


売り場には20バーツでゾウにあげる


バナナやさとうきびなどのエサも売っており、


ゾウに乗りたいし、エサもあげたいしで、


もう嬉しくて何がなにやら分からん状態に突入。


私の狂喜乱舞っぷりがあまりにもだったのか、


売り場のおじさんに「後で、後で」と笑って止められた。













まずはCool Downだ。


深く深呼吸をして、自分を取り戻せ。












たまたまあまり「エレファント・ライド」に興味のない客が多かったのか、


3頭いたゾウも全部フリー。


一番手前にいたゾウに乗ることにした。













ゾウさんは見かけによらず、剛毛だ。しかも、毛が硬い。


ゾウさんはねずみ色している。水色ではなかった。


ゾウさんはかなり揺れる。


人工的な揺れではなく、大地をしっかりと踏みしめる生き物が起こす揺れだ。













ゾウさんは賢い。


芸の仕込みもバッチリで写真を撮るとき、


鼻をあげてパオーンのポーズをとる芸達者っぷりだ。












ゾウさんは高い。背中の上で見る景色はとても素晴らしかった。


ゾウさんは優しい目をしていた。人を襲ったり、警戒したりもしなかった。


ゾウさんのお鼻は長かった。


ゾウさんはお茶目だった。


鼻で私のショルダーバックの中をさぐって、エサをさがしていた。


そして、ゾウさんは、なぜか泣いていた。号泣していた。













エレファント・ライド、万歳!


最高だ。












乗り終わってからもしばらくゾウの側にいて、エサをあげていた。


20バーツ払ってはせっせとゾウにエサをやっている変な日本人を見て、


売り場の人がエサを大盛りにおまけしてくれた。


ゾウさんはいいなぁ。













ファンとしてはずっと夢のひとときを過ごしていたかったのだが、


21:00より始まるイリュージョン・ショーにご出演のようで、


泣く泣くスターたち(ゾウ)とお別れすることにし、


私もうちファンとしてショーの客席に向かった。












イリュージョン・ショーはとても楽しかった。


タイの英雄伝説(?)をベースにしているようで詳細は分からなかったが、


分からなくても問題なく楽しめた。


人が消えるイリュージョンあり、13頭ほどのゾウが出てきて、


芸をやったり、劇+イリュージョン+マジック+サーカスのてんこ盛りだった。













そのほか、虎の赤ちゃんと写真撮れるコーナーもあったが、


虎はやはり凶暴らしく、SPのように調教師が客の周りをガッチリガード。


しかも、哺乳瓶入りのミルクを飲ませ続けて、


それに気を取られているから、


なんとか人間が近づける(写真撮らせてもらえる)レベル。














ダメだな、虎は。やっぱ、ゾウだわ。














ホテルに戻り、早速ゾウと撮った写真を見てみたのだが、


そこには、ゾウさんの背中で視点が定まらないまま大笑いしている、


ヤバイ薬をやっているかのような私が写っていた。


数枚撮ったのだが、どれもこんな感じだった。













私、よっぽど嬉しかったんだなぁ・・・。


この写真は記念として、私だけの宝物にしておこうと思う。



















■今日のカメ


◆プーケット・ファンタシー入り口①
タイ旅行記⑩ ~ゾウさんに乗る~_f0232060_19521162.jpgちょっと遠い山の高台みたいなところにあります。交通の便はあまりよくないかも。この施設以外はまわりに何もありません。








◆プーケット・ファンタシー入り口②
タイ旅行記⑩ ~ゾウさんに乗る~_f0232060_19522875.jpg入り口から電飾バリバリです。










◆チケット売り場
タイ旅行記⑩ ~ゾウさんに乗る~_f0232060_19524255.jpgチケット売り場も電飾バリバリ。
チケットは基本は入園+ショーがセットになっていて、オプションでディナービュッフェや送迎バスをつけられます。
ちなみに、私は全部つけて、約1800円くらいだったかな(チケット代理店によって若干値段違います)。




◆園内
タイ旅行記⑩ ~ゾウさんに乗る~_f0232060_1953245.jpg派手ではありますが、遊べるところは少ないです。
開園が17:00~で18:00くらいから園内の巨大バイキングレストランが開いて、21:00~22:30までイリュージョン・ショーで、23:30閉園なので、まぁ、ショーを待つ間の余興という感じです。









◆ゾウさんのエサ
タイ旅行記⑩ ~ゾウさんに乗る~_f0232060_19533882.jpg1かごで20バーツです。手渡しでゾウさんにエサをあげられます。なんかご買ったことやら、忘れてしまいました、嬉しさのあまり。








◆ゾウさん
タイ旅行記⑩ ~ゾウさんに乗る~_f0232060_19532083.jpgお行儀良く、とても大人しいです。
次々に写真撮られたり、背中に乗ってくる人間を見て、何を思っているのでしょう・・・。ゾウさんと話がしてみたいところです、腹割って。







◆ゾウさん、アップ
タイ旅行記⑩ ~ゾウさんに乗る~_f0232060_1953529.jpg

ゾウの調教とかって難しいのでしょうね、きっと。日本でも乗馬くらいに気軽にゾウに乗れる場所あればいいのに。
by meshi-quest | 2005-12-01 19:50 | 旅行_海外
プロフィール
ゲームプロデューサー
成沢 理恵
「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」シリーズで知られる㈱スクウェア・エニックスを経て、 現在、ちゅらっぷす株式会社取締役、兼、ゲームプロデューサー。

ヒマさえあれば、国内、海外を食べ歩き、遊び歩く、生粋の遊び人。

その経験は、ゲームづくりにも活かされている、はず……。
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