秘湯に行く。(2) ~ 大沢館という宿 ~
大沢駅に着いた。
大沢駅は無人駅で、駅員はもちろん、ホームにも人がいない。駅周辺に喫茶店すらない。
まだ4時だというのに、真夜中のような静けさと寂しさだった。
他にも4名ほど大沢駅で降りた乗客がいたが、見ると駅前で待っていた宿の送迎車に乗り込んでいたので、どうやらみんな宿泊客のようだ。
車に乗ること、5分。
目指す大沢館は雪に一面覆われた一角にひっそりとたたずんでいた。
大沢館に泊まるのは今回が初めてなのだが、雑誌を見ても、私設HPを見ても、まず皆が絶賛しているのは、その「サービスの高さ」だった。
スタッフの気遣い、館内の清潔さ、日本家屋を感じさせる温かみのある館内、少数収容によるケア、美味しい食事などはもちろんのこと、至る所に今まで行った温泉にはないサービスが施されている。
大沢館の門をくぐってすぐの場所にご自由に焼きいもを楽しめる焼き芋焼き機とサツマイモが置いてある。
玄関を入ると、すぐ左に大きな石臼に水が満たされており、その中に旬の果物や野菜が沈めてあり、こちらもご自由にお楽しみください、とある。
米どころ新潟の名産なのか、手作りチマキもご自由になっている。
玄関そばに、団欒用として、堀で炭がたかれている暖炉があるのだが、その傍には餅やおにぎりが置いてあり、焼餅や焼きおにぎりができるようになっている。
焼きおにぎり用のお味噌までちゃんとある。
もちろん、ご自由に、だ。
露天温泉に向かう途中には、露天へ行く人帰る人の寒さを考慮してか、手作りの甘酒と、味噌田楽の用意がされている。
さらに、露天へ伸びている長い渡り廊下にはアイスキャンディーボックスが置かれており、すごくイイポイントに、すごくイイ物が置かれている。
食べ物だけを主張してしまっているが(笑)、それだけではなく、休憩用の椅子が置かれているそばには、タバコが用意されており、タバコですらご自由に、になっている。
部屋にも行き届いたサービスがされており、浴衣やタオルの設置以外にも、ヘチマ(本物)、軽石、足袋なども1人に1つづつ用意されている。
とにかくこんなに色々なサービスがされている宿は、はじめてみた。
豪雪地帯で、まわりにコンビニや土産物屋すらない。
外に出るのは用意ではなく、携帯も通じない。
もちろん、そういったことも考慮しての客へのサービスではあると思うが、どこか田舎の親戚に御呼ばれをしたときのようなホッとする温かさをこの宿で感じた。
■今日のカメ
■大沢館

■玄関です

■旬の果物、ご自由に

手書きでふるさとの大地の味を・・と書かれた看板に、温かさを感じます。
■ちまきもご自由に

■部屋

トイレや部屋風呂はありません。
トイレは廊下に共同で、風呂は内風呂と露天を利用します。
■部屋にあるグッズ

■部屋にはこんなモノもありました。

■部屋の廊下です

■暖炉です

■おにぎりもご自由に

■お餅もご自由に

■焼いてみました

■熊がいました。

■田楽もご自由に

たまたま大沢館の館主がいらっしゃって、新潟地震のときに、この1.5トンの石臼が倒れていたという話を聞きました。
■味噌田楽です

■アイスキャンディーもご自由に

■見たことないアイス

■タバコもご自由に

■雪んこ、気分
