想像力を鍛えると相手の心が読める!
脳科学者・茂木健一郎氏はいいます。
すべての動物の中で「自意識」を持つ人間だけが鏡を常用する。そして鏡がわたしたち人間の自己イメージ、自己意識の進化や発達に大きな影響を与えている。
つまり鏡に映っている姿を見て「それはわたしである」と認識することができること自体、かなり高度な認知能力なのだそうです。
鏡に映るその姿が脳の中で「自分だ!」とわかることで、鏡の中の自分を見て美しくありたい、化粧をして創作する、自分の顔が持つ特徴から自分を知るなどの認識力が生まれ、「自分」という人間像を形成していくということになるわけです。
また鏡を見て「それはわたしである」と認識できる能力が発達していると、他者の心や考えを推量できる共感能力も同じように発達していると考えられるといわれています。
そこではミラーニューロンという能力が必要で、自分と他者との行動を同じようにコード化し、感覚情報と運動情報が渾然一体とならなければ本来の能力にはならない。
そしてそれが自分では出来たと思っていても、その鏡に映る自身の顔の裏にある感情の幅や変化、状況や影、無意識に湧き上がる心情などを想定できないと「他者の心を読み取る」ことは難しくなるそうです。
他者の心を読み取る=「想像(イマジネーション)」する能力ということにもなるわけです。
鏡を見ているとき本当に心から喜んでいるか泣いているか、悔しいのか寂しいのか、自分の心の奥行き、苦味、隠れ道やごまかしなどがないかなど、自分の内面と対話ができるようなイマジネーションが働いているかどうかなのです。
その訓練こそ「想像力」の強化となり、他者の心を読み取るコミュニケーション能力につながっていくのではないかと考えられます。
相手を知るにはまず己を知る。
これは人間の本質を捉えた真理です。
鏡はそのための大切なツールだというわけですね。
そこで注意するのは、想像と妄想は違う、ということです。
想像力を強化する訓練をするためには、自分の心は常にニュートラル状態でないと上手くいきません。
偏りや勝手な思い込みで自分の想像力を働かせると、妄想にならないとも限りません。
心をニュートラル状態にするということは、自分の思いすぎる傾向をいったんリセットかけてみるということ。
自分の知っている経験や知識、問題解決方法からいったん離れて、拘りをなくすことです。
そのように訓練した後に、ニュートラル状態になった純粋な自分の心を反映して鏡を見てみると、それまでに見えなかった真実や自分の顔にある表情の裏にある拘り、思い込み、妄想などが浮かび上がって見えてくる。というわけです。
想像力は神が人間に与えた最高のギフトです。
人類の進化は想像力のおかげといっても過言ではありませんね。
他者の心を読み取る能力をつけるには、まず自分の心に柔軟性があること、そして人間の本性や心を思い量るだけの想像力があることが大切だということになりましょう。
鏡を見て、イマジネーション・トレーニング してみませんか?^^!