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スズキトモユ
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2006年 11月 28日
現代社会を、そしてマンガをキーワードで読み解くコミダス。 いつの間にやらもうすぐ12月ですね。うー。 さて、今回のキーワードは「デスゲーム」、取り上げる作品はガイキチヒロインが衝撃的な生き残りゲーム『未来日記』であります。 『未来日記』(えすのサカエ/2巻~/角川コミックス・エース)他者と交わるのに臆病な中学二年生・雪輝(ゆきてる)は、さしたる目的もなく携帯で日記をつけ、空想の世界で時空王「デウス・エクス・マキナ」と遊ぶ孤独な毎日を送っている。 ある朝、打ったはずのない日記が携帯上に現れる。それは未来を記した予言の書であった……。生き残りが神の座を継げる「未来日記」所有者たちのデスゲームが幕を開ける。 苛めによる自殺問題がテレビや雑誌を賑わせ、「少年少女たちよ、自殺するくらいなら復讐だ!!」と呉智英もブチかます昨今。まさに学園はサバイバル、教室の若人たちはデッド・オア・アライブの綱渡りを余儀なくされる現実であります(注:マスメディアに踊らされているわかりやすい例)。 そんな世情を反映してか、生き残りをテーマにした作品がここ数年目立ってきてる気がします。すでに今は昔の印象があるやもしれませんが、中学生クラスの殺し合いを描いた小説『バトル・ロワイアル』は映画・漫画化もされ、バカ売れしましたし、無人島生活の中で最も使えない人間を追放していくアメリカのバラエティ番組『サバイバー』は日本版も作成されました。同様に多数決による追放をルールに組み込んだクイズ番組『ウィーケストリンク』は世界中で大ヒットしています。 ただ、出場者同士の足の引っ張り合いを直に見るのが忍びなさすぎるせいか、日本ではウケが良くなかったようで、ならばフィクションだ! と、福本伸行『賭博黙示録カイジ』の限定ジャンケン以下続く生き残りギャンブルがあったりするような気がします。気分的にはここらすべて地続きじゃないかと思うんですね。 そして大場つぐみ+小畑健『DEATH NOTE』の大ヒット。ライトとLの壮絶な知力戦が、少年漫画とは思えないほど理屈っぽく展開していたのにもかかわらず、あれほどまでに好評を博したのは予想を超えていました。読者の予想を裏切るストーリーテリング、流麗な画などヒットの要因はたしかに存在しますが、過去のジャンプ漫画とは一線を画した作品だったからです。 やはり、能力をフルに生かした生き残りバトル、という物語を世の人々は求めているんじゃないでしょうか。 前置きが長くなりましたが『未来日記』。 きわめて平凡な男子・天野雪輝(あまの・ゆきてる)が、空想の産物のはずだった時間と空間の王「デウス・エクス・マキナ」から、未来を知ることのできる携帯を手渡されるところからゲームの幕は開きます。 雪輝の日記は「無差別日記」。とりとめもなく日々起こったことを日記として携帯に打ち込んでいた雪輝の筆致そのままに近い将来起こることが表示されます。日々のトラブルを避け、上手く立ち回るようになった雪輝の前に気になる存在が。彼女の名は我妻由乃(がさい・ゆの)、成績優秀で美人、学園中の憧れの的、そしてもうひとりの「未来日記」所有者だった。由乃の日記は「雪輝日記」、雪輝の未来を10分刻みで把握する愛の日記だった。げー! ヒロインがストーカーですか! 内容の異なる未来予知をする12人の「未来日記」所有者たちが、自らの能力をフルに生かした生き残りゲームをするというこの作品のもうひとつの魅力といえるのがガイキチヒロイン・由乃さんでしょう。 美人だし、自分のこと好いてくれてるし、で通常ならば万々歳なんですが、この由乃さん、いかんせん怖ろしい。雪輝のためならたとえ火の中水の中どころでなくその身を投げ出してみますが、下手に受け入れたりするととんでもないことになりそうな狂気を秘めたヒロインさんなのでした。男女カップルは成立してても意志の疎通がいまいち図れなさそうなところが登場人物を単純に敵・味方に分類できなくしていて面白いですね。『DEATH NOTE』におけるライトとミサミサの関係もなんか凄いと思ったけど、正常・異常の境界をやすやす飛び越えそうなボルテージは由乃さんに軍配が上がりますね(というか、実際……)。 爆弾テロリストだったり新興宗教教祖だったり、由乃さん以外の女子キャラもマトモな人間只のひとりもいませんが、ガイキチヒロインの系譜についてもいずれ書いてみたいと思います。西尾維新の戯言シリーズ、竜騎士07『ひぐらしのなく頃に』など、流れはあるはずなので。 まさに、いまだから出てきた『未来日記』という作品をとりあげてみた今回でしたが、最後に由乃さんの素晴らしいカットをご紹介して〆としましょう。 うーん、すごいですね。 #
by tomoyu_suzuki
| 2006-11-28 10:00
| デスゲーム
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Comments(24)
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