酋長シアトルの話し

アメリカインディアンのこころ


空が金で買えるだろうか? 

と、酋長シアトルは話し始めた。


雨や風をひとりじめできるだろうか?


母は、わたしにこんな話しをした。

この大地にあるものはみな、わたしたちにとって神聖です。

松の葉。砂浜。暗い森にたちこめる霧。

草地も、羽音をたてて飛んでいる虫たちも。

みんな、わたしたち一族の思い出の中に、

神聖なものとしてあるのですよ。


父は、わたしにこういって聞かせた。

わたしは知っているよ、木々の幹を流れる樹液のことを、

血管を流れる自分の血のことを知っているようにな。

わたしらは大地の一部だし、大地はわたしらの一部なのだ。

いいにおいのするあの花たちは、わたしらの姉妹だ。

クマ、シカ、大ワシ、あれたちはわたしらの兄弟だよ。

岩山の峰、草原、

ポニー・・・・みんな、同じ家族なのだ。



遠い祖先たちの声は、わたしたちにこう語った。

小川や大川をきらめき流れていく水は、ただの水ではない、

おまえの祖父のまた祖父たちの血でもある。

すきとおった湖水のなかのおぼろな面影は、

わが一族のいのちの営みの記憶をものがたる。

せせらぎの音は、おまえの祖母のまた祖母たちの声よ。

川はわれらの兄弟。川はわれらのかわきをいやす。

川はわれらのカヌーを運び、またわれらの子らを養う。

おまえも川にやさしくあれよ。

兄弟たちにやさしくあるのと同じように。



亡き祖父の声は、こう語った。

大気は尊い。大気はすべてのいのちを支え、魂を与えてくれる。

わたしたちに誕生のいぶきをおくってくれた風は、

臨終のときもまた、受け取ってくれるのだ。

この大地と大気を、いつまでも神聖なものとして守るように、

草原の花々のかおりに満たされた風を、だれもが、

心ゆくまで味わいにいける場所として。

最後の肌赤き人たちが、荒野とともに消え、

われらの思い出が、草原をよぎる雲の影にすぎなくなったとき、

浜辺や森が、それでもここにあるだろうか?

わが一族の魂が、わずかでも残っているだろうか?

祖先たちは、わたしにこう告げた。

われらは知っている、大地はわれらのものでなく、

われらが大地のものであることを。



亡き祖母の声は、こう語った。

おまえが教わってきたことを、おまえらの子らに教えなさい。

大地はわたしたちの母である事を。

大地にふりかかることはみな、大地の息子とむすめにも、

ふりかかるのだということを。




聞いていただきたい、わたしの声を、わたしの祖先たちの声を、

と、酋長シアトルはいった。


あなたがた白人の宿命は、わたしたちには測りがたい。

何が起きるだろうか、バッファローが殺しつくされたときに?

野生のウマがみな、飼いならされてしまった時に、

何が起きるだろうか、森の秘密のすみずみまで、

人間のにおいで満たされてしまった時に?

豊かな丘のながめが、電話線で汚されてしまった時に?

しげみはどこに? 消えてしまった。

ワシはどこに? 飛び去ってしまった!

何が起きるだろうか、わたしたちが速足のポニーと狩りとに、

最後の別れを告げる時に?

それはいのちの終わりであり、そして生き残りの戦いの始まりなのだ。


わたしたちは知っている。

血が人をつなぐように、すべての存在は網のように結ばれあっていることを。

人は、このいのちの網を織りだすことはできない。

人はわずかに網のなかの一本の糸、だから。

いのちの網に対するどんな行為も、自分自身に対する行為となることを。


わたしたちは、この地を愛している。

生まれたばかりの赤ん坊が母の鼓動を愛するように。

わたしたちの土地を買い取られるならば、

わたしたちと同じに、この地を大切になされよ。

この地の秘める思い出を、心にとどめおかれよ。

この地を受け取られたならば。

あなたがたの子供のまた子供たちのために、

大地や大気や川を、いつくしみ守られるように、

そしてわたしたちが愛してきたと同じに、

この地を愛されるように。



白人に限らず、いま・・・・・

・・・・・・・すべての民にあてはまる言葉ですね。


母なる地球は、「みずから、再生」しようとしています。

そこまでわれらは、追い込んでしまっていることに、

謝罪のこころ、感謝のこころ、

本気で示すときでしょう・・・・・

by mamashiningmoon | 2012-07-03 21:46 | アメリカインディアンのお話し | Comments(0)