メイド・イン・カッシーナ展 公式ブログ
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カッシーナ社の家具100点を、1000㎡もの会場に一堂にそろえ、技術とデザインが融合した歴史的な名作を、一気に鑑賞できるのがこの
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30分でツボをおさえる「メイド・イン・カッシーナ」
 行きたかった展覧会、行こう行こうと思っていたら会期が終わっていた… なんてことは結構よくある話です。「メイド・イン・カッシーナ」展も、いよいよ6月7日まで。手帳の空いた時間を見つけて滑り込ませけれど、実質30分しか見られないかも! 今回はそんなあなたのためのコースを考えてみました。名付けて「30分でツボをおさえる、メイド・イン・カッシーナ」。

 アシスタント・キュレーター、バーバラ・レーマン氏によると、この展覧会は「実験的な試作モデル、アートピース、現行販売品の3つがミックスされた珍しい内容」です。そこで、あえて「ここでしか見られないもの」を中心に見ていくのはいかがでしょうか? LCやペリアンなどの現行販売品は、カッシーナ・イクスシー青山本店で後日、ばっちりゆっくり確かめながら見られ、買うこともできますから。とはいえ、構造内部を公開、というコーナーもありますので、そこではちょっと足を止めましょう。では、コースを紹介しましょう!

(1) カッシーナの歴史
まずはカッシーナの歴史の始まり。こういう情報は意外と、出てこないのでここでざっと読み。さらに精巧な木組みのディテール、その後ろの皮革の型取りをチェックしましょう。家具ってこういう風なパーツの集まりです。現代では「ローテク」かもしれません。けれどもハイテクでは絶対にできない何かが込められています。

(2) ジオ・ポンティのスケッチ
スーパーレジェーラ(現行品)はもちろんですが、名建築家の直筆スケッチはなかなか見られませんので、アートのように楽しんで。

(3) アエオ/パオロ・デガネッロ
パオロ・デガネッロの「着替えるチェア」です。家具とポップアートの距離感を縮めたともいわれていますが、実は緻密なモジュールシステムの開発から生まれたものなのです。

(4) タングラム/マッシモ・モロッツィ
パズルができるテーブル、というとピンとこないかもしれませんが、数学の公式の考え方をデザイナーの視点で取り入れ、テーブル天面の組み合わせで、いくつもの図案ができる仕組みです。1人用から20人用までできる幅広さ、さらに正方形、長方形から花、魚、家、木、踊る人などさまざまな意匠を表現することができるのです。動かしてみたい、という衝動にかられます。

(5) メモリア/A.R.D.I.T.I
前衛的な発想と、家具の常識を超えた着眼点で生まれたのがこの「ソファ」。ベースをポリウレタンでくるんだ本体は、バルブから空気がシューッと抜けて、座る人の体によって姿を変えるのです。家具が人に合わせて変化する。1970年代当時はとても斬新な発想でした。

(6) キャブの骨組み/マリオ・ベリーニ
キャブ自体はお店でも見られますが、フレームから革を脱いだその姿が必見!

(7) テネリーデ/マリオ・ベリーニ
これは実はオフィスチェア。ポリウレタンを型に流し込んで製造されたそうです。椅子というより、人を快適に包むものをつくっていく、という発想。

(8) ブルッコ/マリオ・ベリーニ
イモムシみたいな姿。ちょっと心もなごみます。キャタピラから着想を得て、研究されたフォルムだそうです。

(10) ウィンクの骨組み/喜多俊之
こちらも人気の「ウィンク」チェア(現行品)。最大の特徴である「耳折れ」の仕組みがどうなっているのかは、こちらでご覧ください。

(11) テッラ/ブラッチオディフェッロ
実験的な家具も、普段はなかなか見ることができません。「テッラ」は大地をイメージして砂を流し込んだ椅子。となりは、樹脂を布に含ませ、人が座り、その形のまま固めたという椅子「ゴルゴタ」。こうなってくると工業デザインからアートに近づいた気がします。

(12) トラモント・ア・ニューヨーク/ガエターノ・ペッシェ
今回の展示で密かに人気ナンバーワン? 長山智美さんもお気に入りのようですが、以前キッズガイドを会場で行った時も、このソファに子どもたちがわっと集まりました。明るい色、明快な造形。わかりやすいんですよね。

(13) サンソン/ガエターノ・ペッシェ
3色の樹脂溶液を、職人が一度に各方向から流し込み、材料が自然に混ざるままにまかせたという、こちらも実験的なテーブル。同じものが世界に二つとないのです。

(14) フェルトリ/ガエターノ・ペッシェ
フェルトに樹脂をしみ込ませて固め、中はキルト仕立て。家具に使う普遍的な材料(木材や皮革、スチールなど)から脱する試みが見て取れます。

(15) 713テーブル/テオドール・ワッデル
テーブルは現行品ですが、デザインされるまでの物理学的な過程を知ることで、なんとなくこのテーブルの奥深さがわかってきます。建築に化学や経営まで学んだというデザイナーの作品です。

(16) シスター・エメンタール /ヴェルナー・パントン
「パントンと言えばパントンチェア!」では、ちょっとデザイン通にはなれないでしょう。これはパントンの回顧展のために、カッシーナが彼のデザインを製造したもの。パントン曰く「王が玉座に座るようなあたり前の行動習慣を崩してみたかった。もたれたり、浅く掛けたり、くつろいだり、背筋を伸ばしてみたり、誰かが何かを始めるまで用途のわからないものはどうだろうか?」
あなたならどう座りますか?

以上、各2分ずつで30分。いかがでしょうか?


 さらにおすすめなのは本間の5月8日のブログを御参考に、「子ども視点で楽しむメイド・イン・カッシーナ」の内容で楽しむコース。名作あり、変わったものありで「わかりやすく、印象に残って、たのしい!」というものをピュアに厳選してありますし、子どもで一時間なら大人が駆け足で見れば30分、もっと短縮できるかも? ということで、子ども向けガイドツアーに登場した家具は以下の通り。質問にこたえる形で見学が進みます。

(1)アンドレア・ドリア号のような大きな舟は何年かかってつくられたでしょうか?

(2)LCソファのフレームをとってしまうと、このソファはどうなるとおもう?

(3)スーパーレジェーラの重さはどれ?メロン(1.7kg)、ボーリングボール(5k)、カッシーナの本(2.4kg)

(4)メモリアソファの穴はなぜついているのでしょう?

(5)キャブチェアの革はかたそうに見えるけれど、牛のどの部分を使っているでしょう?

(6)マラルンガソファには動く部分があります。それはどこでしょう

(7)レッドアンドブルーチェアは何個のパーツでできあがっているとおもう?

(8)トラモント・ア・ニューヨーク、このソファは何に見える?

(9)ウィンクチェアには車と同じように動く部分があります。さてどこでしょう?

(10)ゴルゴタチェアは何でできているでしょう?

(11)オスピテテーブルにはある仕掛けがかくれています。なんでしょう?


 子ども向けと侮るなかれ、質問を念頭に見れば、意外や、カッシーナらしいポイントが自然につかめるのです。答えを考えすぎて、時間オーバーなんてことになりませんよう! 特にレッドアンドブルーチェアのパーツを数え始めると、意外に「はまる」のでご注意。

取材/本間美紀
# by madeincassina | 2009-06-03 18:18 | 本間美紀