メイド・イン・カッシーナ展 公式ブログ
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カッシーナ社の家具100点を、1000㎡もの会場に一堂にそろえ、技術とデザインが融合した歴史的な名作を、一気に鑑賞できるのがこの
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「メイド・イン・カッシーナ」をフラッシュバック
 高い技術と品質を誇る、イタリア・カッシーナの家具。その歴史と名作をまとめてみられる展覧会が、「メイド・イン・カッシーナ」でした。昨年のミラノで開催され、東京に巡回。4月24日、連休前から華々しく始まったこの展覧会も、ついにクローズいたしました。最後に、この展覧会の意味をもう一度、ちょっとマジメに考えてみたいと思います。


メーカーが工芸史の一部となる
「ものづくり」の見直し


 これまで「アート&クラフト」「バウハウス」といったデザイン流派の展覧会は、よく企画されてきました。けれども1社の歴史を追うことで、それがそのままものづくりとデザイン史の一部となる。そういう内容を持てる家具ブランドは世界でもまれです。

 そんな意味でも「メイド・イン・カッシーナ」展は、ものづくりの原点に立ち返ったものといえます。私たちはつい、アイコン的に「カッシーナ」「カッシーナ」とブランドネームを口にしてしまいますが、その名前が力を持つまでには、創始者と職人の地道な努力があったわけで、これが今回の展示の肝と言えます。



生活実用だけではない、
「家具」の意味を考える好機


 家具と言えば、新婚、引っ越しを機に、通販や近場で取り急ぎそろえる。そんな人が多かった日本。けれども、家具は空間の一部であり、長く使い続ける目で選ぶ。そんな視点を与えてくれたのも、この展覧会でしょう。

 スゴい家具がただ「見るだけの作品」として並んでいるのではありません。その‘スゴい家具’(の一部)は、今の日本でも買うことができ、生活の現場で活躍しているのです。時を経ればアートピースになりうる家具が、現実的な予算で入手できる。この展覧会では、そんなメッセージも伝えました。



アートとデザインの境界を越えた

 ちょっとびっくりするようなアート的な家具も多く登場したのが、この展示。家具もアート、という発想は、インテリアの世界に近くないとなかなか持てませんが、「トラモント・ア・ニューヨーク」や「ウィンク」チェアのような楽しいフォルム。「ゴルゴタ」や「テッラ」のような実験的な試み。そんな作品の数々に、「これも家具?」とサプライズを感じた人も多かったのでは?



ブランド複合化の時代の
シンボリックなイベント


 異業種ブランドや競合他社が、複合化し、ふくらみを持つ時代。カッシーナ社もイタリア本国で、ポルトローナ・フラウ・グループに入って、新しい展開を見せています。そんな流れで、フィアットとのコラボレーションイベントも実現(松浦明さんのエントリーを参照)。

 またレストランやカフェ、ホテルといったブランドとも、面白い連携を試みました。ミュージアムカフェ「マドラウンジ」、カフェ「エスプレッサメンテ イリー」、グランドハイアット 東京「フィオレンティーナ」、そして「フィアットカフェ」。こちらも松浦さんのエントリーが詳しいです。

 家具とデザインにとどまらず、こういったイベントを介してさまざまな生活とのつながりを表現することで、この展覧会は一つのライフスタイルを見せたと思います。カッシーナの家具を愛用し、質の高いランチを楽しみ、快適な車を乗りこなす、そんな暮らしのシーンを多くの人が体感する好機を提供したのです。

文/本間美紀
# by madeincassina | 2009-06-08 19:59 | 本間美紀