メイド・イン・カッシーナ展 公式ブログ
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カッシーナ社の家具100点を、1000㎡もの会場に一堂にそろえ、技術とデザインが融合した歴史的な名作を、一気に鑑賞できるのがこの
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「Cassinaツアー」をレポート
 今回はフィアット グループ オートモービルズ ジャパンとのスペシャルコラボイベント「Cassinaツアー」をレポートします。

 なんとこのツアーは、フィアット グループ オートモービルズ ジャパンから特別に提供された車両による送迎付き! ということで、かなり限られた人数のみ参加が可能なイベントだったのですが、正直、これはとってもお得なツアーでした。

 イベントの柱となっていたのは、展覧会会場とカッシーナ・イクスシー青山本店におけるガイデッドツアー。まずはじめに、展覧会会場でのガイデッドツアーでおなじみのカッシーナ・イクスシー森田氏(本間さんレポートの「子供むけガイデッドツアー」でも登場してましたね)といっしょに、エントランスに集合。

 スーパーレジェーラが飾られるあのエントランスからスタートするツアーではまず、カッシーナ社の歴史的変遷とその発展がどのように展開していったかというイントロダクションから・・・

 カッシーナが家具メーカーとして世界にその名を馳せる以前は、教会の説教壇をつくっていたという逸話や、ウンベルト&チェーザレのカッシーナ兄弟が、世界恐慌の時代下、逆風が吹き荒れるなかでどのように販売チャネルを広げて会社を発展させていったかなどなど、インカム着装した森田氏の口からは興味深い話がぽんぽん飛び出します。

 こちらは、木工、接合部へのこだわりを展示したコーナー。ここでは、マッキントッシュの「ヒルハウス,1」や、ジオ・ポンティの「スーパーレジェーラ」の接合部が公開されていて、その強度がどのように実現しているかがわかります。
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 牛が生きている時に作った生キズ、「ナチュラルマーキング」などの細かいキズを今でも必ず手作業でチェックしているカッシーナ社。昔ながらの職人気質さが今の時代にも継承されているお話や、どのように裁断されているかといった工程の説明まで、丁寧に解説してくれます。

 世の中にたくさんコピー品が出回ってしまっているル・コルビュジエの「LC3」の前では、「本物と偽物の見分け方のポイント」をスペシャルレクチャー。さすがにみなさん、前のめり気味。

 はっと気づけば、会場内に居た学生さんたちとかが次々に集まってきて、ガイデッドツアーご一行は2倍以上の人数にふくれあがってます(笑)。
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 その他にも、スタルクの「プリヴェ」、マリオ・ベリーニの「キャブ」チェアー、ヴィコ・マジストレッティの「マラルンガ」ソファ、ブラッチオディフェッロのアートのようなコレクション… すべてご紹介できないのが残念なくらい。とにかく約1000平米の会場に展示された100点の家具を、それぞれの見どころをくまなくガイドしてくれたので、相当マニアックなカッシーナファンでも食いつくような逸話を次々惜しみなく披露してくれます。

 約1時間のツアーなのですが、私も気づけばずっとメモとりまくり。大満足な1時間でした。

 いよいよ、フィアット グループ オートモービルズ ジャパン提供のアルファロメオで第二会場へ移動。六本木ヒルズの車寄せで4台並んで横付けされたアルファロメオはさすがに壮観です。わたしたちが乗り込んだのは、「Alfa 159」のスポーツワゴン。
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 さすがなスムースドライビング。超優越感。乗り心地最高です。このまま海岸線まで走ってほしい!と湧き上がる欲求をぐっと抑えつつ、第二会場に到着。

 ここで青山本店スタッフの川上氏にバトンタッチ。本店では、先ほど展覧会会場で誕生秘話やエピソードなどをたっぷり聞かせてもらった家具に実際に触れたり座ったりできてしまう。このふたつの会場を両方体験することで、かなり立体的にリアルに「メイド・イン・カッシーナ」展が体験できました。
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 川上氏のガイドでまず紹介されたこちらは、スーパーレジェーラの原型となった「646 レジェーラ」チェアー(下写真)。1952年(スーパーレジェーラが誕生する5年前)に発表されたもので、先ほど本会場で解説いただいた「接合部」を見ると、確かに足が “丸”から“三角”に変わってます。
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 こんなふうに、どのように軽量化したかをあらためて確認できたりして。実際にこのふたつの椅子を持ち比べてみると、その違いに改めて驚かされます(「646」は片手で持ち上げても結構ずしっときますが、「スーパーレジェーラ」は本当に小指で持ち上がっちゃいます)。

 「マラルンガ」ソファにも座れます。世界で一番売れているカッシーナの家具。どんないきさつでこの時代にハイバックとローバックの切り返しのアイデアが生まれたのか、そんなお話をたっぷり聞かせていただいた後なので、皆さんなにげに感慨深げな表情。座り心地のよさに思わずまったりです。

 といった具合に、ここでのツアーは残念ながら今回限りなのですが、もちろんふらっと訪れても十分楽しめます。ご興味のある方は5/21にアップした宮沢さんのレポートもぜひチェックしてみてください。


取材/松浦明
by madeincassina | 2009-06-01 14:48 | 松浦明
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