メイド・イン・カッシーナ展 公式ブログ
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カッシーナ社の家具100点を、1000㎡もの会場に一堂にそろえ、技術とデザインが融合した歴史的な名作を、一気に鑑賞できるのがこの
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喜多俊之氏 特別セミナーレポート(2)
 イタリア人の暮らしが、「人生を楽しむ」という思想に貫かれている。そんな文化を背景に、家具産業が成長してきたというお話を、前回は報告いたしました

 そんなイタリアだからこそ、この椅子が受入れられたのかもしれません。喜多さんがデザインした「ウインク」チェアです。
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 これは1980年に発表されたものですが、ポップミュージックやニューカルチャーが世界的に流行した、明るい時代の気分を表現したようなデザインです。喜多さんによると、カッシーナのものづくりは「まずデザインのアイデアを、形にする。物ができてから、最後に図面に落とす」というデザイナーの哲学を優先したスタイルで、まずモックづくりは手作業からはじまります。
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 木工職人、縫製の専門家、モールドポリウレタンフォームの技術者、革のプロなど、カッシーナには各分野のエキスパートがそろい、製品を開発しながらも「デザインが美しいか」「製造しやすいか」「ユーザーが使いやすいか」の3要素を念頭において、同時に検証しているのだそうです。

 ヘッドレストがウインクするみたいに折れ曲がる、この寝椅子は、3つのスチールフレームと自動車のジョイントパーツを組み合わせ、モールドポリウレタンで閉じ込めることで完成しました。その内部構造は普段はなかなか見ることができませんが、今回は会場で見ることができます。
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 かのドイツ・ヴィトラミュージアムで、「ウインク」チェアの1/10モデルがつくれないのは、この「耳折れ」の機構がミニチュアではうまく再現できないからだといいます。

 「ウインク」チェアはカバーリング式ですが、ヘッドレストとボディ部で色を変えたのは、当時はやっていたカラフルなスニーカーがヒントだそうです。「色って面白い」という喜多さん流の遊び心から、現在までに様々なパターンがつくられています。
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 その後もカッシーナからは「アキ」「ビキ」「カンタ」「ドド」といった喜多ファミリーが続々と商品化されています。


会場では喜多さんへの質問も飛び出しました。

Q:喜多さんの家具は、椅子とかソファとか、従来の家具のカテゴリーに当てはまらないような気がしますが、どうしてですか

 そうですね。寝椅子に機能を付けたようなものが多いかもしれません。それは私にとって椅子とは座るだけのものではないからです。のびのびと足をのばしてもらって、自由に回転して… つまり五体を支え、人の体の一部になるものですね。椅子というのは古代からあったものです。それを現代にあったものにするのには、私はムーブメントが必要と考えました。結果として、パーツがさまざまに動く、ソファでもない椅子でもない自由なものが生まれてきたのでしょう

Q:カッシーナの商品では、個人的に何が好きですか?

 まずはコルビュジエのLCシリーズでしょうか。自分たちはウレタンの存在した時代に家具をデザインできましたが、LCシリーズはあの時代のせいいっぱいの技術で、あれほど完成度の高いものができたのがすごい。それとヴィコ・マジストレッティとは波長があい、よくデザインについて語り合いました。それ、オレがやりたかったのに、なんて会話もありましたよ。マリオ・ベリーニはバウハウス的な機能主義から脱した優れたデザイナーでした。「ウインク」チェアのこともよく見てくれて、お互いのデザインの方向性に影響し合いました。そうですね… 家具が好きというより、デザイナーのコンセプトが好きなのです

Q:もし喜多さんがデザイナーになっていなかったら、何になっていましたか?

 一番可能性が高いのがコックさんですね。目の前の素材をお客さんのために料理して、喜んでもらう。その喜んだ顔が見たいんです。それは今のデザイナー業でも、共通の気持ちですね。


 喜多さんが料理人になっていたら、どんなレストランを開いていたのでしょうか?興味は尽きません。喜多さんの温かく深みのあるお人柄を示すようなお話でした。このレポートを読んで、喜多さんの作品を見るとちょっと違って見えるはずですよ。会期はまだたっぷり残っています。どうぞお出かけください。

取材/本間美紀

喜多俊之氏 特別セミナーレポート(1)
by madeincassina | 2009-05-19 12:26 | 本間美紀
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