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第3回となる今回は、カッシーナの本拠地であるイタリア生まれの巨匠3人を紹介する。
ジオ・ポンティは、今日のカッシーナの発展を築いた立役者とも言える重要人物だ。1891年、ミラノ生まれ。食器から家具、インテリア、建築まで、暮らしにかかわるありとあらゆるものをデザインしてしまう万能型デザイナーだった。現在まで続くイタリアのデザイン雑誌「ドムス」も、1928年にジオ・ポンティが創刊した。 普通、こういう何にでも手を出す人は「器用貧乏」と言われ、そこそこの評価で終わってしまうものだが、ジオ・ポンティの業績はどれをとっても一流。そしてどれをとっても“オシャレ感”に満ちている。 ![]() ![]() 1957年に発売されたこの椅子は、軽くてオシャレで飽きのこない椅子として大ヒットした。(スーパーレジェーラについてもっと詳しく知りたい方は本間美紀さんのエントリーを参照) 建築家としてのジオ・ポンティの代表作は、ミラノ駅前に立つ超高層ビル「ピレリ・ビル」(1956年)だ。筆者は実際にこの建物を見たことがあるが、このビルもなんとも言えずオシャレ。超高層特有の威圧感を感じさせず、空に描いた絵のようなのである。おそらくその理由は、ダイヤを押しつぶしたような形の平面形状にある(イラスト参照)。それぞれの壁の微妙な角度を見ると、スーパーレジェーラの背もたれや足を連想してしまうのは筆者だけだろうか。 ガエターノ・ペッシェは1939年、イタリア・スペツィア生まれ。前述のジオ・ポンティが万人に愛されるオシャレなデザインを究めた巨匠だとしたら、ペッシェはその対極に位置する前衛の巨匠だ。 ![]() ガエターノ・ペッシェがデザインした家具にも同じ反応を示す人が多いだろう。熱で溶けたような「ダリラ」チェアしかり、摩天楼に沈む夕日風の「トラモント・ア・ニューヨーク」しかり。「何これ?」「でも気になる…」。好き嫌いは分かれるだろうが、一度気になったら虜になってしまう麻薬的なデザインだ。 マリオ・ベリーニは1935年、ミラノ生まれ。現代イタリア建築界を代表する一人で、日本でも「横浜ビジネスパーク」(1991年)、「東京デザインセンター」(1992年)などの設計にかかわっている。ジオ・ポンティと同様、家具からオーディオまで何でもデザインしてしまう万能タイプだ。ちなみにベリーニは、ポンティが創刊した「ドムス」の編集長を1986年から1991年まで務めた。 ![]() ベリーニの椅子を見て「建築家らしい」と感じるのは、いずれも仕上げ面の独特の質感が、表面の操作ではなく「骨格」を見直すことから生まれていることだ。キャブの金属フレームもそうだし、モールドポリウレタン製の巨大ソフトクリームを思わせるアームチェア「テネリーデ」や、シーソーのような構造の寝椅子「ブルッコ」も、骨格自体が革新的だ。 ポンティ、ペッシェ、ベリーニ──。イタリアの3人の巨匠は、デザインの方向性は三者三様だ。だが、彼らがデザインしたどの家具を見ても、他国のデザイナーとは違う“イタリアらしさ”を感じてしまうのはなぜなのか。もちろん、単に「赤やオレンジが多い」という理由だけではないだろう。あなたも会場に足を運んで、その理由を考えてみてほしい。 取材/宮沢洋=日経アーキテクチュア副編集長
by madeincassina
| 2009-05-02 20:24
| 宮沢洋
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