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カッシーナ社の家具100点を、1000㎡もの会場に一堂にそろえ、技術とデザインが融合した歴史的な名作を、一気に鑑賞できるのがこの
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カッシーナの名作、教えます。(3)家具が動きはじめた
 家具が動く。そんな発想を早いうちから取り入れたのも、カッシーナでしょう。

 日本人は住宅事情のせいか、移動させたり、組み替えたりできる可動式の家具が大好きですが(主にソファベッドや収納ですね)、カッシーナは、家具のパーツが「動く」プロダクトを多く発表しています。

 代表作の一つが「マラルンガ」です(1973年)。ヴィコ・マジストレッティというイタリアのデザイナーによるものですが、彼自身もひょうひょうとしてどこかユーモラスなお人柄だったと聞いています。
カッシーナの名作、教えます。(3)家具が動きはじめた_b0166527_14331395.jpg
 家具のデザインにもそんな人柄が出るのでしょうか。マラルンガはふくらんだ座布団のようなパーツを、ふんわり積んだような、温かみのあるフォルムです。そんな柔らかなフォルムのこのソファ、背がお辞儀をするようにぐぐっと曲がるのです。ハイバックにしたり、ローバックにしたり、背あての加減を調節したり。

 もちろんただ「動く」からすごいのではありません。カッシーナの家具の仕組みは、ちょっと人間のようなのです。マラルンガもまるで背骨のような特殊な機構(もちろんカッシーナのオリジナルの機構です)により、曲げを好きな位置で止められるのです。

 曲げを支える背の内側と外側ではクッションの密度が変えてあり、あのむっちりした形がスムーズに動きます。それに伴って表面の生地や革も折り曲げる動きに耐えうるようになっています。それは本当に人の骨や肌、関節を思わせるのです。

 同じくヴィコ・マジストレッティの「ヴェランダ」は、10年後の1983年に登場しました。こちらはさらに全身をもっと自由に(?)動かします。特にユニークなのは一人掛けのシェーズロング。背から座、フットレストまでが一枚の紙を広げたような形です。背の3段階の動きと、ヘッド、フットレストがまるで折り紙を折るように、広げるように、畳むように動きます。
カッシーナの名作、教えます。(3)家具が動きはじめた_b0166527_14341148.jpg
 さらにこのヴェランダ、3人掛けの動きも必見です。こちらは椅子自体が自由に動くだけでなく、横に連なった3つのシートが「扇形」に広がります。各シートの一部がつながっていて、そこがピボット(軸機構)で動くのです。
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 横一列に端正に並んでいるのもいいのですが、この軸の動きで花が開くように3つの座が円のように広がる。すると座っている人の視線の向きも変わり、よりコミュニケーションが取りやすくなる。

 同じように動く椅子では、喜多俊之の「ウィンク」も有名です(1980年)。これはヘッドレストがパタパタとウィンクするように折れ、曲線的なフォルム、躍動感ある動きは、登場した当時1980年代のポップミュージックのヒットやウォークマンの流行といった気分まで体現しました。デザイナー喜多俊之氏の、温かくおおらかな性格までにじみ出ているようです。
カッシーナの名作、教えます。(3)家具が動きはじめた_b0166527_1435996.jpg
(c)Cassina S.p.A

 人間工学的な意味はもちろん、動くことでそこで過ごす人の会話をよりよいものにしたり、空間の雰囲気を変えたり、時代の気分やデザイナーの人柄まで表してしまう。機能的なだけではなく、一つの表現活動や提案になる。それがカッシーナとデザイナーが考える「家具が動く意味」でしょう。

文/本間美紀
by madeincassina | 2009-04-20 14:35 | 本間美紀
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