メイド・イン・カッシーナ展 公式ブログ
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カッシーナ社の家具100点を、1000㎡もの会場に一堂にそろえ、技術とデザインが融合した歴史的な名作を、一気に鑑賞できるのがこの
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カッシーナの名作、教えます。(1)イ・マエストリ シリーズ
 カッシーナといえば、さまざまな名作で知られる家具ブランドです。ちょっとでも名作家具の世界に興味を持ったことがある人なら、「ああこれ!」と思うものがたくさんあるでしょう。

 その中には、カッシーナが依頼を受けて復刻製作しているものがあります。こういった製品のシリーズが、「イ・マエストリ」シリーズです(イタリア語で大御所とか偉人といった意味です)。

 どうしてそんな風に「復刻」されるのかというと、名建築と呼ばれる建築では、空間にあわせて建築家が家具までデザインすることが多かったのです。ただし、あくまでもその空間に納めるために製造され、「量産品(プロダクト)」として世の中に流通することはなかったのです。こういったせっかくの「名作」を現代の建築や暮らしに呼び戻したい。そんな要望を、カッシーナの技術とブランド力が実現したのです。

 一例を挙げましょう。有名なアメリカの建築家でフランク・ロイド・ライトという人がいましたが、その代表作が「インペリアル トウキョウ」(下写真)。かつての帝国ホテルのためにライト自身がデザインしたものです。
カッシーナの名作、教えます。(1)イ・マエストリ シリーズ_b0166527_15481084.jpg
 当サイトの年表で1996年製作とあるのは復刻年で、1867年生まれのライトがこのソファをデザインしたのは、同ホテルが竣工する1923年以前のことでしょう(日本では大正時代)。70年以上前のデザインが、現在のプロダクトとしてよみがえったのです。

 チャールズ・レニー・マッキントッシュの「ヒルハウス,1」(下写真、個人邸用)や「ウィロー」(同名のカフェのために製作)も最初は特定の空間のために生まれ、置き場所まで指定されたほどでしたが、そこは名デザイン、今やどんな場所でも似合います。
カッシーナの名作、教えます。(1)イ・マエストリ シリーズ_b0166527_15484753.jpg
 欧米で建築家が家具までデザインすることは、かなり一般的で、カッシーナ以外でもアルヴァ・アアルト(アルテック)、アルネ・ヤコブセン(フリッツ・ハンセン)など、多くの建築家が今に残る名作家具をデザインしています。

 一方で美術やデザインの流派の「スタイル」を示すためにデザインされた椅子もあります。ヘーリット・トーマス・リートフェルトの「レッド・アンド・ブルー」(下写真)は構成主義というデザインの流派を(平面や矩形、3原色に忠実な意匠が特徴)シンボリックに表現した「作品」で、実用優先でデザインされたのではないと思われます。同じリートフェルトの「ジグザグ」も、「座る」という行動を斜線と面を使って抽象化し、デザインアートに位置づけられる家具となりました。
カッシーナの名作、教えます。(1)イ・マエストリ シリーズ_b0166527_154977.jpg
 建築用の家具も、アートとしての家具も、当時ではある意味、「特別製作品」」だっただけに、そのデザインは精緻を極め、数が限られていたからこそ高い技術が使われました。そんな名作の復刻を任せられるのが、カッシーナの技術力だったわけです。

 すべての作品に図面が残っているわけではありません。職人が、現存する家具から作り方を「読み解く」。そんな能力も求められるわけです。ちなみにル・コルビュジエの「LCシリーズ」は、晩年の本人から直々にカッシーナに復刻依頼があったそうで、その信頼の篤さが伺いしれます。

 カッシーナの復刻品はすべて、正式な権利継承者に認定され、製作過程までオリジナルに忠実な「プロパー」です。その一方で残念なことに、見た目だけを真似した、まがい物が増えているのも事実。けれども細かいところによく目を凝らしてみましょう。やっぱり仕上げが違うものです。そして一番は「経年変化」。たとえばLCシリーズのスチールパイプ。カッシーナのメッキ技術であれば何年経っても、決してはげる、さびることはありませんから。

文/本間美紀
by madeincassina | 2009-04-15 15:51 | 本間美紀
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