数回会った男性に「結婚前提に付き合って」と言われました。嬉しいのですが、彼は派遣社員だと分かりました。
彼の年収は、その年齢の平均よりかなり低いのは知っていましたが、「後々昇給して行くだろう」と思っていました。でも、昇給があるのは正社員の場合だし、派遣にボーナスは無い・・・もうすぐ30代半ばになる彼、転職しても、もし失敗したら・・・
私は出産を考えると1日でも早く結婚したいですが、家事と仕事を両立できないので共働きも無理です。彼の事はたぶん、付き合っていくうちに好き度は増すと思う感じです。
【1】 彼を断って、新たな人を探すか?
(見つかる保障は無いし、これを逃したら出産が間に合うか…)
【2】 彼と付き合って結婚するか?
(確実に結婚はできそうだが、お金で苦労するのは見えてる)
・・・の2択のみです。
彼はメールや会う度に返事を急かすので、近いうちに返事しなければ。
こんな重要な選択を迫られたのは人生初めてなので、失神しかけてます。どうかよろしくお願いします。
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こんにちは、初めまして。
エキサイトお悩み相談室 カウンセラーの三吉野と申します。
ご相談内容、拝読いたしました。
ご相談いただいた時点では「失神しかけている」とのことで、気持ち的にとても切羽詰った状況だったようですね。
1. 彼を断って、新たに恋人を探すか?
2. 彼と付き合って結婚するか?
の二択で迷われているとのこと。
少々日にちがたっていますので、既にご自身で決断をされたかもしれませんが、あらためて“パートナーを選ぶ”という観点での回答とアドバイスをさせていただきます。
ご相談の文面からは、焦り、不安、怖れ、などが感じられました。
あなたの中にそのような感情を呼び起こした出来事を、ちょっと振り返ってみましょう。
まず、数回会っただけの男性に「結婚を前提に付き合って」と言われる状況というのを、私なりに想像してみました。
A. あなたがよほど相手の好みに合致した(「この人を手放してはならぬ」とビビっときた)
B. 相手がよほど結婚に対して焦っている(自分の人生プラン遂行にこだわっている)
C. 「きったはった」「惚れたハレた」ではない落ち着いた付き合いがしたいと思っている
D. 「結婚さえすれば幸せになれる」という幻想を抱いており、あなたを巻き込んでいる
などなど。
求められ好意を示されれば悪い気はしませんし、これが10代や20代前半の女性なら恋愛の一番おいしいところが始まったばかりなのですが、出産や結婚をまじめに考えていらっしゃる身としては、決断につきまとうシビアな現実問題・・・これは悩みますよね。
シビアな現実だからこそ、ここは恋愛気分を少し我慢して、ドライに考えてみてください。
現時点では、彼があなたに『好意と要求』を提示したところです。
ここにあなたの都合を提示して、折り合いがつけば「付き合う」契約が交わされるのですよね。
私なりの結論をはじめに申し上げますと、彼が返事を急かすからといって、それにあおられて急いで返事をする必要はありません。
むしろ返事を急かされて焦る気持ちや、出産を考えて不安になる気持ちを分かち合い、あなたの気持ちを尊重してくれる相手とお付き合いしてほしい、と思います。
なぜかというと、お互いの『怖れ』をかばい合う様にしてつながる関係は、本当のパートナーシップではないと私は考えるからです。
「今、この人をつかまえておかなければ結婚できない」とか、
「今、この人がいなくなってしまったら次はない」とか、
「今、この人の言うとおりにしないと大変な目にあう」など、
このように、"相手の出方を伺うような関係"は長続きしません。
はじめはうまくいっても、関係が落ち着いてくると、気持ちの部分で相手を尊重し合えていないことに気づきます。
要は、お互いが自分の欲求を満たすために相手を利用しているだけで、心から相手の幸せを願っているわけではないことに気づくのです。「まさか・・」とお思いでしょうか。
人は自分の中に、ある種の『弱み』と言えるものがあるとき、人の要求をのんでしまいたい衝動に駆られます。「この壺さえ買えば、幸せになれる」「このサプリメントを飲みさえすれば痩せる」とすがりたくなるのです。
しかし、現実はそうではないですよね。
この場合、あなたの弱みは「経済的な安定を相手に求めていること」であり、「出産を焦っていること」ですね。この二つがある限り、結婚相手として選ぶ人は限定されるでしょう。
そしてこの条件にこだわる限り、目の前に現れたパートナー候補の本当の姿と交流することがちょっと難しい・・・、私はそんなふうに感じました。
ここで、考えてみてほしいのです。
あなたにとって、結婚することや出産することの意味はどんなものなのでしょう。
それが本当に自分を幸せにするのか。
どんな幸せを望んでいるのか。
そのことをもう一度、自分自身に問い直してみてはいかがでしょうか。
その上で、
・恒常的な経済的安定を与えてほしい
・共働きはしないことを受け入れてほしい
・早めに子供を望むので応じてほしい
・・・これを相手が確約してくれることが自分の本当の幸せだと信じるのならば、今回出会った彼は「該当」しないかもしれませんね。
だとしたら、当初の条件を満たす相手が現れるまで出会い続けるしかないでしょう。見つかる保障もないですが、見つからない保障もまたどこにもないのですし。
自分の条件を満たす相手が見つかるまで出会い続けるのも手ですが、ここではもうひとつの方法をご紹介します。
それは、自分の中の資源を与え合う関係づくりです。
今のところ、あなたがパートナーに求めているのは、「自分の欲求を満たしてくれること」ですね。
そういうスタンスである限り、「自分の欲求を満たしてほしい」人が次々と目の前に現れ、自分も要求に応えねばと、いつも焦ったり困ったりすることになります。人は自分の鏡ですから。
あなたが落ち着いて自由な選択をしたいのであれば、回り道のようではありますが、自分が相手に与えたいことを書き出してみるのをおすすめします。
「自分の要求をいくつ満たしてくれるか」ではなく、
「相手の幸せのために自分がしてあげられることをいくつ想像できるか」で、自分自身の『幸せの質』が変わり始めます。
これは結婚・離婚を経験した身から申し上げるひとつの真実です。
今回の彼との縁が続いていても、そうでなくても、目の前の相手に対して上記のようなスタンスで望んでみてください。
結婚は先が長いイベントです。大事なイベントだからこそ、結婚を決断するのは上記の試みの結果を体験してからでも遅くないのではないでしょうか。
共に持てるものを持ち寄って、幸せを創りあげるようなパートナーに出会われることを、心から願っております。
そして大切な自分の選択に際してこの長い回答を読み終えた・・・この時点でまた大きく一歩を踏み出しておられることをお伝えして、結びとさせていただきます。
アドバイザー: 三吉野 愛子