このサイトを通して何度か、そこそこいいところ(毎日メールして複数回デートする)まで行くのですが、いつも
「価値観が合わないので、今後お付き合いできない」といった言葉で断られてしまいます。
しかし、サイトで知り合ってそんなに間はないので、まだお互いを知る段階です。なので、
お互いの価値観にまで言及するような会話はした覚えがないのが正直なところです。
多分、私を傷つけまいと考えたお相手の配慮だと思うのですが、この断り文句が続いているので、まんざら全てが全てそうでもないのでは?と考えるようになりました。
そこでお聞きしたいのですが、付き合って(出会って)日が浅い異性と『価値観が合わない』時とはどんな時でしょうか?
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ご相談を拝見いたしました。
毎日メールのやりとりをして、複数回デートにまでこぎつけてらっしゃるのに、価値観を理由に、続けて断られてしまうというのは非常に残念ですね。
あなたがおっしゃるように、知り合って間がなく、まだお互いを知り合う段階なのですから、「結婚したらもちろんお仕事はやめますよね」とか、「子供は2人は欲しいんですよ。親にも早く早くと言われてまして・・・」とか、「親の面倒は子供が見るのが当然ですよね。介護は嫁の仕事でしょう」などと、あなたがおっしゃっているはずもないでしょう。
ましてや、ショートヘアの女性に、「なぜショートなんですか。女性は髪が長いほうが、僕は断然好きだなあ。そのほうが女性らしいじゃないですか」とか、パンツスタイルのお相手に、「スカートはかないんですか? 男と間違えられたことないですか?」などと発言してらっしゃるとはとても思えません。
さらに、キャリア志向の女性に、「将来は田舎に帰って農業やりたいんですよ。やっぱりこれからは有機農法ですよね」とか、スポーツに興味のない女性に、「野球はジャイアンツに決まってます」とか、あるいは、「息子が生まれたら東大に入れて、医者か弁護士にしたいなあ」などと、ご自分の思いを押し付けたりは絶対なさってないはずです。
でも“価値観”とは、いわゆる「あなたの価値観とは?」と聞かれて出てくる答えのようなものだけとは限らない、と思うのです。
普通に生活している中でのちょっとした言動にも生きる姿勢は表れますし、あえて価値観に対して言及していなかったとしても、数回デートするだけであなたの服装、言動、行動はたっぷりお相手に伝わっているはずです。
何気ない一言、体のクセ、衛生観念、ちょっとした美意識のようなものから・・・。
お相手の女性からすれば、“価値観”という言い方でひっくるめたくなることは、とてもたくさんあるように思います。
たとえば、服装ひとつとってもそう。もちろんあなたは、家にいる時と同じジャージ姿でデートしてはいらっしゃらないでしょう。
『私を傷つけまいと考えたお相手の配慮』に気づくことのできる優しさとデリカシーにあふれたあなたのことですから、清潔感のある服装を心がけていらっしゃることと推測いたします。
不潔な感じがしたら、女性は複数回も会わないと思いますから。
食べ方があまりに汚くガツガツしていて一緒に食事するのが辛い、恥ずかしい、といった場合も複数回のデートは無いでしょうから。
また、貧乏ゆすりとか、指をパキパキならすとか、やたら舌なめずりするとか、病気でもないのに1分ごとに鼻をすするクセがあるといった場合も同様です。
デートの時のお店選びも、3回続けて居酒屋か焼肉・・・ということもたぶんないでしょう。自分の行きつけや同僚たちとよく行く馴染みのお店で、肉や魚を焼く煙がムンムンし、破れたビニールにソースが飛んでいるような丸椅子に、真っ白いレースのワンピース姿の彼女を座らせるようなことはなさってないでしょう。
あるいは、そんなカジュアルなお店なのにもかかわらず、一円単位まできっちりと割り勘を要求したりはしてらっしゃらないですよね。
相手の女性がどうしても割り勘にして欲しい、と言うのでない限り、1回ぐらいはご馳走してさしあげましたか?
お酒を飲むことに関して、あまり強くない相手に「もう飲めないんですか?」とか、またはよく飲む女性に「そんなに飲むんですか」とか、おっしゃってないですか?
友人だったら何てことはない一言も、まだよく知らない相手からの言葉は、その人の“価値観”としてつきささることがあるものです。
男女関係なく、相づちのように繰り出される何気ない一言って意外に相手の印象に残ってしまうのではないでしょうか。
「そういうの嫌いなんだ・・・」
「女(男)の人ってそうだよね」
「男(女)ってこういう生き物ですよ」
・・・みたいな一言も、その人の“価値観”から出ているのですよね。
もちろん、何かを限定するような言い方をしないほうがいい、と言っているわけではありません。初対面で、相手に合わせて好きじゃないコーヒーを無理して飲む必要はないし、好きな歌手の歌がかかっているのに無視する必要もないし、食べたくもないウナギを注文する必要もありません。
ご自分の好き嫌いは自然に出してかまわないのです。
というか、そういうことからお互いを知ることができるのですし、それによって発展する関係性のほうがもっともっと重要です。
ただ、自分の好き嫌い、いわゆる価値観と他人から思われるであろう分野に関して、ご自身でのその扱い方、表現の仕方が問題なのだと思われます。
大事なのは、自分に酔ったり、押し付けになったりしていないか、です。
「俺ってこうだから・・・」
「これが僕の生き方なんだよね」
・・・といった言葉が登場するようなシーンは、笑いを取るために冗談めかしてテレビドラマ風に使うことはあっても、まだそんなに親しくないうちに発すると、相手にやんわりとプレシャーのようなものを感じさせてしまうことがあります。
もちろん、『俺についてこい』タイプの男性が好きな女性もいますが。
たとえば、どこかで食事をしようとなった時、あなたがウナギが大好物だとして、「僕はウナギが好物なんですが、女性はあんまり好きじゃないって人、多いと思うんですよ。いかがですか? 確かにちょっとアブラっこいですよね」みたいに話していらっしゃるかどうか。
そして、その前に、「よかったら食事しませんか? 何がお好きなものがありませんか?」と、まず相手の意向を聞いてさしあげていらっしゃるでしょうか?
そして、彼女が「何でもいいです」とか「お任せします」と言ってきたら、「僕はウナギが・・・」と続けるわけです。その前に「嫌いなものないですか?」と一言、尋ねるのをお忘れなく。
要は、普通に人間としての優しさ、思いやりの部分です。
どういう人間性であるかが試される部分でもあります。
それから、最低限のマナーが意外と実行されていない昨今です。
女性が重そうなものを持っていたら持ってあげるとか、車道側を男性が歩くとか、エレベーターや電車から我先にと降りないでお年寄り、子供、女性を先に行かせてあげるとか、レストランで食事して帰る時にクロークからコートを受け取ったら、女性に先に着せかけてあげるとか。
女性が「いいです。自分でします」と言ったら、もちろんそれでかまいません。
お店の人に無意識に横柄な態度を取っていませんか?
いつもタメ口でいい、行きつけの焼き鳥屋さんや居酒屋さんは別ですよ。
ちゃんと『です、ます』で話しているかどうか。
「水、持ってこいよ」ではなく、「お水、お願いします」と。
居酒屋さんが悪いのではないのです。居酒屋が大好きな女性もたくさんいます。
まずお相手の女性に伺ってみてください。最初はイタリアンかフレンチでも、つきあってあげてください。「何で女ってイタメシが好きなんスかね。気取ってるんじゃないかな」なんておっしゃらないで!
あと、お店の悪口や噂をつい口にしていたり。
「シェフが変わってから味が落ちたな~」
「こんなワインが3000円!?」
「コースに6000円も出せるかって感じ」etc.
もし、味が塩辛すぎるとか本当におかしかったら、きちんと「これ、ちょっとしょっぱいと思うんですけど、食べてみてください。できたら変えていただけませんか?」とお店の人に言いましょう。注文が違っていた時なども同様です。
あなたがワイン通で、開けたコルクを鼻に近づけた時、もし強いカビ臭を感じたら、正々堂々と取り替えを要求していいのです。
ただ、文句を言ったり、後でぐちゃぐちゃ言わない。
正しいと思うことを喧嘩腰でなく穏やかに発言し、それが受け入れられなかったら、あっさりとあきらめる。その後もに普通にしていらっしゃればいいのです。
女性の前だからとつい強気の発言をすると、本来のあなたではないのにすぐキレる人・・・と思われてしまう可能性がなきにしもあらず。
『あんな店だと思わなかった。二度と行かねぇぞ!』と心の中だけで思って、実際に行かなければいいのです。
お相手の女性に対しては、「以前一度行って、美味しい印象があったのですが、味が変わってたみたいです。せっかくお誘いしたのにごめんなさい」とおっしゃるほうがスマートだと思います。
様々な瞬間瞬間で、あなたの何気ない対応にあなたが出ます。
それが価値観なのではないでしょうか。
怒っちゃダメだとか、喜怒哀楽を出すな、というのではありません。
そこを含めての人間性であり、生き方であり、価値観だと思います。
面と向って「自分の価値観は・・・」と語られること以上に、如実に出てしまうもの。
今まで申しあげた中に、何か参考になることがあればよいのですが。
ご健闘を祈ります。
アドバイザー: 神原 響子