撮影
デビュー音源が出来上がり、次はアーティスト写真なるものを撮影することになった。
撮影スタジオは六本木にあった。
撮影スタジオも初体験だったし、スタジオやスタジオの機材、カメラマンなど見るものすべてが珍しかった。
ここで撮影された写真があらゆる媒体の宣伝用に使われることになった。
バンドのグループショットや個人写真などである。
僕はアースシェイカーの頃からライブなどではメイクをする習慣があったので、そのまま写真撮影の時もメイクをすることにした。
髪の毛はテクノカットからようやく抜け出した感じだったけれど、ロングヘアーからは程遠い。
髪の毛が中途半端な短さだったのでパンキッシュなツンツンヘアースタイル以外選択肢が無かった。
衣装は豹柄のTシャツに黒のスパッツに白のブーツが用意されていた。
「では適当にポーズをとってくださ~い!」
(ポーズ?ポーズって・・・・)
僕は困った・・・照れた・・・笑った・・・。
「ハ~イ、ヴォーカルの人真面目にやってくださ~い!」
(アホ!こっちは必死やっちゅうねん!!)
「ん・・・取りあえずロックっぽい感じで行きましょう!!」
(ロックっぽい?ロックっぽい感じと言われてもなぁ・・・)
僕は困った・・・照れた・・・笑った・・・。
「ハ~~イ、ヴォーカルの人笑わないで~~~♪」
(アホ!こっちは必死やっちゅうねん!だいたい、ロックぽいって何やねん!)
思い切って怖い顔してみた・・・。
「おぉ~ヴォーカルの人、良いねぇ~♪そんな感じ♪」
(なんじゃそりゃ!初めから怖い顔してくれって言えっちゅうねん!)
「顔だけ怒っていてもあれなんで、もっと体全体でロックのイカツイ感じ表現してみようか?」
(ロックのイカツイ感じってなんやねん!これではロック禅問答やがな・・・)
僕は困った・・・照れた・・・笑った・・・。
とりあえず、怖い顔して、握りこぶしを作り、必死の形相を作って「オリャ~~」みたいにした。
「おぉ!ヴォーカルの人、イイネェ~~怖いよ~~~♪」
(アホ!なにが「怖いよ~~♪」じゃ!)
「ではヴォーカルの人はもっと怖い感じを出して、それ意外の人はクールな感じで!」
(にゃ~に???俺だけもっと怖い感じやとぉ~~~~??)
仕方が無いので、もっと怖い顔して、外人の誰かがやっていた手のサインを真似たり、腕をV字に組んだり、足を開いて必死の形相を作って「オリャ~~」みたいにしたり、カメラを思いっきり睨み付けた。
「おぉ!!ヴォーカルの人雰囲気出てきたね~~♪そんな感じ!!そんな感じ♪では目線を外して何かを訴えているような感じで・・・」
(目線を外す?)
カメラ目線を外して下を見たら、スタッフの少し破れた靴下から覗く親指が目に入った。
スタッフの少し破れた靴下から覗く親指を睨みながら必死の形相でロックした。
「おぉ~ヴォーカルの人イイ表情だよ~~♪ロックしてるよ~~♪」
はっきり言ってアホである・・・・。
とは言うものの、撮影被写体の初心者でド素人ヴォーカリストをその気にさせた・・・。
さすがプロカメラマンであった・・・。
結局、最後まで僕はカメラマンに良いように踊らされ調子に乗った。
その時の写真がレコードのインナー写真だったり、各種ポスターになったり、雑誌に掲載された。

後日、その時の写真が掲載された雑誌を見た高校の友人から電話があった。
友「おい!二井原!!お前凄いなぁ!!ついにお前の写真が雑誌にデカデカと写真のってるで!!」
二「おぉ、なんやお前見たんか!」
友「当たり前やんけ!お前もすっかり有名人やなぁ!!」
二「何言うてんねん!まだまだこれからやんけ!まだデビューしたてやんけ!」
友「おぉそれにしてもなぁ二井原、おまえ等の写真っちゅうか、顔やけどなぁ・・・」
二「おぉ、なんや顔がどうしてん?」
友「お前等みんな「フンギャ~~!」みたいな怖い顔してるやんけ・・・」
二「おぉ、それがどないしてん?」
友「はっきり言うてエエか?」
二「なんやねん?」
友「お前等どっか痛いんか?」
撮影スタジオは六本木にあった。
撮影スタジオも初体験だったし、スタジオやスタジオの機材、カメラマンなど見るものすべてが珍しかった。
ここで撮影された写真があらゆる媒体の宣伝用に使われることになった。
バンドのグループショットや個人写真などである。
僕はアースシェイカーの頃からライブなどではメイクをする習慣があったので、そのまま写真撮影の時もメイクをすることにした。
髪の毛はテクノカットからようやく抜け出した感じだったけれど、ロングヘアーからは程遠い。
髪の毛が中途半端な短さだったのでパンキッシュなツンツンヘアースタイル以外選択肢が無かった。
衣装は豹柄のTシャツに黒のスパッツに白のブーツが用意されていた。
「では適当にポーズをとってくださ~い!」
(ポーズ?ポーズって・・・・)
僕は困った・・・照れた・・・笑った・・・。
「ハ~イ、ヴォーカルの人真面目にやってくださ~い!」
(アホ!こっちは必死やっちゅうねん!!)
「ん・・・取りあえずロックっぽい感じで行きましょう!!」
(ロックっぽい?ロックっぽい感じと言われてもなぁ・・・)
僕は困った・・・照れた・・・笑った・・・。
「ハ~~イ、ヴォーカルの人笑わないで~~~♪」
(アホ!こっちは必死やっちゅうねん!だいたい、ロックぽいって何やねん!)
思い切って怖い顔してみた・・・。
「おぉ~ヴォーカルの人、良いねぇ~♪そんな感じ♪」
(なんじゃそりゃ!初めから怖い顔してくれって言えっちゅうねん!)
「顔だけ怒っていてもあれなんで、もっと体全体でロックのイカツイ感じ表現してみようか?」
(ロックのイカツイ感じってなんやねん!これではロック禅問答やがな・・・)
僕は困った・・・照れた・・・笑った・・・。
とりあえず、怖い顔して、握りこぶしを作り、必死の形相を作って「オリャ~~」みたいにした。
「おぉ!ヴォーカルの人、イイネェ~~怖いよ~~~♪」
(アホ!なにが「怖いよ~~♪」じゃ!)
「ではヴォーカルの人はもっと怖い感じを出して、それ意外の人はクールな感じで!」
(にゃ~に???俺だけもっと怖い感じやとぉ~~~~??)
仕方が無いので、もっと怖い顔して、外人の誰かがやっていた手のサインを真似たり、腕をV字に組んだり、足を開いて必死の形相を作って「オリャ~~」みたいにしたり、カメラを思いっきり睨み付けた。
「おぉ!!ヴォーカルの人雰囲気出てきたね~~♪そんな感じ!!そんな感じ♪では目線を外して何かを訴えているような感じで・・・」
(目線を外す?)
カメラ目線を外して下を見たら、スタッフの少し破れた靴下から覗く親指が目に入った。
スタッフの少し破れた靴下から覗く親指を睨みながら必死の形相でロックした。
「おぉ~ヴォーカルの人イイ表情だよ~~♪ロックしてるよ~~♪」
はっきり言ってアホである・・・・。
とは言うものの、撮影被写体の初心者でド素人ヴォーカリストをその気にさせた・・・。
さすがプロカメラマンであった・・・。
結局、最後まで僕はカメラマンに良いように踊らされ調子に乗った。
その時の写真がレコードのインナー写真だったり、各種ポスターになったり、雑誌に掲載された。

後日、その時の写真が掲載された雑誌を見た高校の友人から電話があった。
友「おい!二井原!!お前凄いなぁ!!ついにお前の写真が雑誌にデカデカと写真のってるで!!」
二「おぉ、なんやお前見たんか!」
友「当たり前やんけ!お前もすっかり有名人やなぁ!!」
二「何言うてんねん!まだまだこれからやんけ!まだデビューしたてやんけ!」
友「おぉそれにしてもなぁ二井原、おまえ等の写真っちゅうか、顔やけどなぁ・・・」
二「おぉ、なんや顔がどうしてん?」
友「お前等みんな「フンギャ~~!」みたいな怖い顔してるやんけ・・・」
二「おぉ、それがどないしてん?」
友「はっきり言うてエエか?」
二「なんやねん?」
友「お前等どっか痛いんか?」
by loudness_ex
| 2008-07-06 19:26





