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「愛怨」 in ハイデルベルク 第10回<最終回>
「愛怨」inハイデルベルクもすっかり長くなってしまいましたが、今回で最終回にします。

オペラの話ばかりで、古城街道の代表的な都市で、学生の街としても有名なハイデルベルクの話をほとんどしていなかったので、最後に主な名所旧跡を写真で紹介しておきましょう。

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旧大学の講堂

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大学博物館

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イエズス会教会 パイプオルガンの素晴らしい演奏会を聴きました。

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カール・テオドール橋 市内を流れるネッカー川に架かる古い橋です。

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ハイデルベルク城

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ハイデルベルク城にある有名なワインの大樽

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市庁舎

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選帝侯の博物館

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精霊教会


それでは、次回からはしばらく触れていない国内のオペラや演奏会について書いていきましょう。
by hikari-kozuki | 2010-07-16 12:50 | Opera | Comments(0)
「愛怨」 in ハイデルベルク 第9回
さて、いよいよ「愛怨」当日の模様を。
ハイデルベルク歌劇場は3年間の改修工事に入ってしまっているため、公演はオペルンツェルト(Opernzelt)で行われました。Zeltとはドイツ語でテントのことなので、直訳するとオペラのテントという意味で、要するに仮設のテント小屋ということなのですが、音響は決して悪くなく、超満員の客席は凄い熱気に包まれていました。
大劇場のように決してスター歌手が出演するわけではありませんが、歌手陣のレヴェルは非常に高く、オケもさすがに世界に冠たる音楽の国ドイツのオケでした。

まず指揮のディートガー・ホルムは若い指揮者でしたが、テンポ感がとても良く、ソリスト、オケをグイグイ引っ張っている感じでした。演出のネリー・ダンカーは、仮設テントという非常に制約を受ける空間だったにも関わらず、舞台上にオーケストラ上げ、細かい工夫も数多くみかけられました。また、日本の文化も良く勉強したようでした。

桜子/柳玲役は、韓国人のソプラノ、ヘソン・ナ(Hye-Sung Na)。声の太さ的にはリリコ・レッジェーロだと思われますが、アクートも強く、なかなかの美声の持ち主。小柄ながら情熱的な演技で聴衆を魅了しました。大野浄人役は、ドイツ人テノールのヴィンフリード・ミークス。やはり彼も少し軽めで美しいリリコ・レッジェーロ、とても楽譜を良く読み込んでいる感じがしました。また、三木先生のこのオペラでも浄人役は高音(アクート)が続いたり、非常にテノール泣かせの役なのですが、最後は少し声が掠れながらも健闘していました。このミークスには旅行中何度かお会いしましたが、奥様が日本の方で、とても感じの良いご夫妻でした。
若草皇子はバリトンのアーロン・ユディッシュ、玄照皇帝はテノールのペテル・フェリックス・バウワー、光貴妃はソプラノのシルケ・シュヴァルツ、あとはほとんどがダブル・キャストになっていたので、今プログラムを見てみても残念ながらどちらが歌ったかが分かりませんのでここれは省きます。しかし、もちろん日本語とは微妙にイントネーションが違ったり、少し違和感のあるところもありましたが、全体的には素晴らしい日本語だったと思います。日本のオペラの場合、日本人が歌っても何を言っているかなかなか聞き取れないというオペラにあまり向いていない言語なのですが、彼らの日本語は聞き取りやすかったです。もちろん作曲家と台本作家の卓越した技術があったからでしょうが。もちろん字幕はドイツ語でした。

そして、琵琶のシズカ楊静ですが、前回も言った通り、その素晴らしい琵琶の演奏は、間違いなく当夜1番の大喝采を浴びていました。

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オペルンツェルト前風景

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天井はこんな感じ
by hikari-kozuki | 2010-07-09 13:45 | Opera | Comments(0)
「愛怨」 in ハイデルベルク 第8回
「愛怨」の話をする時にもう1つとても重要なことがあります。
このオペラのテーマともいうべき、琵琶の秘曲についてです。このオペラは、この秘曲を巡る人間模様を描いた作品ですので、この秘曲が素晴らしいものでないと、このオペラ自体が成り立ちませんし、さらにはアーティスト(琵琶奏者)の卓越した技術がなければならないのです。
この琵琶を演奏したのが、「源氏物語」の時にも活躍した、シズカ楊静です。新国の初演の時にも彼女が演奏しましたが、天才的なテクニックと芸術性の高さには琵琶という楽器そのものの概念が変わってしまうと思わせるほどです。今後この「愛怨」が再演される時にも彼女の琵琶は必須であると思われます。

このオペラ最大のハイライトである3幕の柳玲が浄人に秘曲を聞かせるシーンでは、オケピットの右前方に柳玲が迫り出してきて、しばらくは彼女の独壇場となります。古今東西の数多のオペラで、舞台上のピアノが重要な役割を果たしたり、ヴァイオリンやフルートと歌手が絡み合って、まるで声&楽器による2重唱のようなアリアを展開するというようなシーンはいくつもありました。しかし、このシーンは、琵琶奏者が楽器でアリアを歌うという表現が的確かどうかは分かりませんが、とにかく圧倒的な迫力を持って歌手以上の主役となるのです。
by hikari-kozuki | 2010-07-07 13:48 | Opera | Comments(0)
「愛怨」 in ハイデルベルク 第7回
この「愛怨」ですが、台本は瀬戸内寂聴先生です。初めてオペラの原作、台本を書かれたとのことで、その御苦労は私たちがオペラを実際に見た千秋楽6月5日の前日、6月4日にハイデルベルク歌劇場での特別講演会でユーモアを交えながら語られました。

三木先生は徳島の出身ですが、寂聴先生も同じ徳島の出身で、以前から交流はあったそうですが、この新国からの新作の委嘱にあたり、以前から寂聴先生の美しく理解しやすい文体がオペラに適しているという考えられていたとのこと。そして、「奈良時代」「遣唐使」「初期仏教」「琵琶」という4つのキーワードを元にオペラの台本を書いて欲しいと依頼されたそうです。寂聴先生は慣れないオペラの台本ということ、超多忙なこともあり、創作は遅々として進まず、台本の提出は期限は大幅に過ぎてしまいました。新国から矢の催促を受け、改めて契約書を読み直すと、台本が書けなかった場合、罰金を払わなければならないことが分かり、一生懸命書きました、とユーモアたっぷりに告白。会場は温かく大きな笑いに包まれました。

それにしても寂聴先生は88歳ということですが、驚異的にお元気でいらっしゃいます。現地でも精力的にかなりのハードスケジュールこなしていらっしゃいました。実は寂聴先生御一行は4月の「愛怨」の公演に会わせて行かれる予定だったのですが、例のアイルランドの火山噴火で直前に行けなくなってしまい、ようやくこの最終公演に来ることができたのです。しかし、私個人としましては、この日程の変更によって、ハイデルベルクでご一緒することができ、また、愛らしく、素敵な人柄に触れることができ、非常にラッキーな経験となりました。いつか嵯峨野の寂庵にも行ってみたいと思います。

三木先生にしても寂聴先生にしても80歳を過ぎてもまだ現役で素晴らしい仕事をされている方は、やはりそのパワーやオーラが普通の人とは全然違います。私は徳島ではなく、愛媛の宇和島の出身ですが、同じ四国の出身ということもあって、すっかり嬉しくなってしまいました。

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三木先生の講演

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寂聴先生の講演
by hikari-kozuki | 2010-07-02 10:25 | Opera | Comments(0)
「愛怨」 in ハイデルベルク 第6回
さてようやく「愛怨」についてです。
このオペラは、三木先生が新国から新作オペラを委嘱をされ、2006年の2月に初演されたもので、日本史オペラ連作の最後を飾るにふさわしい壮大なスケールを持つ大作となりました。

まずはストーリーから。
時代は8世紀、奈良時代。遣唐使の大野浄人は大和の女帝から、唐の光貴妃が門外不出の秘曲としている琵琶の曲「愛怨」を持ち帰るように厳命を受け、結婚したばかりの愛妻の桜子を残して出発します。しかし、船が遭難してしまい、唐の南部に漂着します。囲碁の卓越した腕前と日本人の朝慶などに助けられながら長安へ行き、光貴妃の誕生日の日に光貴妃と玄照皇帝と会うことができるのです。そこで楊貴妃の侍女で美しい琵琶奏者、柳玲と初めて会いますが、日本に残してきた桜子と瓜二つなのに驚愕します。そして、皇帝は自分の誕生日の囲碁大会の優勝者に柳玲を与えると宣言し、柳玲に横恋慕している囲碁の名人の孟権は狂喜するのです。
実は柳玲の父は雅楽師で、2次前の遣唐使として唐へ渡り結婚し、双子の姉妹を作りますが、柳玲の父が桜子を連れて日本に帰国してしまったために、2人は離ればなれになってしまったということが分かるのです。ちょうどそこに、浄人が死んでしまったと思い、絶望した桜子が自殺してしまったという一報が日本から届くのです。柳玲は、自分の父が光貴妃のために作曲し、自分しか弾くことのできない秘曲「愛怨」を弾くのです。他に伝えたら死刑になるということを知りつつも、自分の双子の妹の夫であり、そして愛が芽生えてしまった浄人のために。それを孟権が盗み見るのですが、囲碁大会の決勝戦で浄人と孟権が対戦し、破れてしまった孟権は、柳玲が浄人に秘曲を伝えたと叫びます。そして、柳玲は用意した毒を煽り、浄人が自分も一緒に死んで行くと歌う愛の2重唱で膜となります。
by hikari-kozuki | 2010-07-01 18:16 | Opera | Comments(0)






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