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4月4日(日)江東オペラ てぃあら江東「仮面舞踏会」
市民オペラは全国にたくさんありますが、この江東オペラは、とても良く頑張っていると思います。一昨年は「カルメン」を見ましたが、各幕で合唱団が非常に重要な役割を果たすこのオペラでアマチュアの合唱団のメンバーの方たちは歌に演技に大健闘だったと思います。この「仮面舞踏会」も2幕こそが合唱団のシーンがありませんが、1幕1場のリッカルドの部屋、1幕2場のウルリカの家、さらに3幕3場には仮面舞踏会と、合唱団は大活躍でした。

長引く不況で税収が減り、各自治体でも真っ先に芸術への予算が削られ、このような市民レベルのオペラ団体の活動を続けて行くこと本当に大変なことだと思います。自治体のバックアップだけでなく、指導者の方たちの情熱や根気がなければ決して成り立たないでしょう。素人の方々をオペラに出すということはそれほど大変なことだと思います。そして、何より出演者の方たちですが、単に暗譜するだけでなく演技をしながら歌を歌うという作業はやったことのある人でないときっと理解は出来ないでしょうが、本当に大変なことです。しかし、自分が出演したことのあるオペラを一流のオペラハウスで見る機会があれば、これほど素晴らしい経験はないでしょう。

さて前置きが長くなってしましたが、このオペラは昨年も「フィガロの結婚」で伯爵、一昨年の「カルメン」のエスカミーリョを歌ったバリトンの山口邦明がレナート役で出演したからです。このレナートという役、前半はリッカルドの忠実な部下、後半はリッカルドに対して復讐に燃えるというまったく異なる2つの人間を演じなければならず、非常に難しい役どころです。しかし、1幕1場の「希望と喜びに満ちて」、3幕の1場の「おまえこそ心を汚すもの」という2つの名アリアがあるので、ある意味ではバリトンにとって、とても美味しい役でもあります。ここ数年の彼の成長には目を見張るものがありますが、エスカミーリョ、アルマヴィーヴァ伯爵よりも数段に良かったと思います。喉が良く鳴っているのに力みや変な癖がなく、フレージングやブレッシングも滑らかで、pやppも遠くまで届く感じの声で、もっと大きなホールの後ろの方で聞いてみたいくらいでした。
ちょっと褒めすぎかも知れませんが、まさに正統派ヴェルディ・バリトンとしての風格さえ感じられました。

他のキャストは、テノールでこのオペラ団体の主催者でもあるリッカルドの土師雅人、ソプラノでアメリアの菅原千恵、ウルリカの勝又久美子、オスカルの平田真理子ら。特に穴が無く良いキャスティングだったと思います。
by hikari-kozuki | 2010-04-19 17:47 | Opera | Comments(0)
3月27日(土)第2回高松国際ピアノコンクール・ファイナル 第4回
さて、前回は、ファイナリストたちの演奏終了後、すぐに得点が集計され、審査委員会が開かれ、すぐに表彰式が行われました。しかし今年は集計はすぐに行われ、審査委員会も開かれましたが、表彰式は改めて翌28日(日)に行われ、その後に入賞者たちの記念演奏が行われるというスケジュールだったのです。ファイナリストたちはさぞドキドキした一夜を過ごしたことでしょう。

さて、順位ですが、以下の通りとなりました。
第1位 アレクサンドル・ヤコブレフ ベートーヴェンの4番
第2位 石村純 チャイコフスキーの1番
第3位 リー・ユン-ヤン ラフマニノフの2番
第4位 ダニイル・ツベトコフ チャイコフスキーの1番
第5位 ゲオルギー・ボイロチニコフ チャイコフスキーの1番
第6位 マリアンナ・プリヴァルスカヤ ラフマニノフの2番

そして、委嘱作品演奏者賞は、リー・ユン-ヤン、高松観光コンベンションビューロー理事長賞は、石村純。香川県知事賞と高松市長賞と松平公益会賞は優勝者に贈られることになっていたで、アレクサンドル・ヤコブレフが受賞しました。

この結果に関してはほぼ順当なところでしょう。特に異論はありません。しかし、私の個人的な得点では、以下の様な順位となっていました。リー・ユン-ヤン、アレクサンドル・ヤコブレフ、ダニイル・ツベトコフ、石村純、ゲオルギー・ボイロチニコフ、マリアンナ・プリヴァルスカヤ。私の予想では、残念ながら石村純はちょっと3位に届かないかな?と思っていましたが、見事第2位となりました。簡単にプロフィールを紹介しますと、1988年生まれの21歳。高校卒業後、英国王立音楽大学に留学し、今はロンドンに住んでいます。数々のコンクールへの入賞歴もあるので、一部では知られた存在なのかも知れません。彼女はとても音のキレイなピアノを弾きますので、これからの活躍をぜひ期待したいものです。

優勝のアレクサンドル・ヤコブレフに関しては、順当だったと思います。実にしっかりとしたベートーヴェンの4番を弾きました。ただ、第3次審査のモーツァルトのピアノ協奏曲第12番が抜群に良かったそうなので、審査員の先生たちはそれを含めて得点を入れたのかも知れません。私はファイナルしか聞いていないので、リー・ユン-ヤンのスケールの大きな演奏の方が少しだけ良いと思ったのですが、残念ながら3位という結果になってしまいました。彼はパリの学校を出て現在もパリで勉強中のようですが、これからの活躍が楽しみです。

いずれにしても第1回でパヴェル・ギントフがほぼ満場一致で第1位に選ばれたのとは違い、今回はかなり混戦模様で、上位の得点差もわずかなものでした。

なお入賞者の記念演奏会(3位まで)は以下のプログラムでした。
アレクサンドル・ヤコブレフ ストラヴィンスキー「ペトルーシュカ」
石村純 ショパン「ピアノソナタ第2番」
リー・ユン-ヤン ラヴェル作曲「夜のガスパール」よりオンディーヌ、リスト作曲「メフィスト・ワルツ第1番」

3人ともコンクールの緊張感からも開放され、入賞者に相応しい見事な演奏でした。

なお今回は、地元高松出身の方が3名も本選の40人に残ったので、その意味でも盛り上がりました。次回はぜひファイナリストにも入って欲しいものです。

次回の第3回TIPCは、4年後の2013年。4年は長いと思っていましたが、あっと言う間に第2回が来てしまいましたので、次回が楽しみです。2013年と言えば、オペラ界の2大巨匠、ヴェルディとワグナーの生誕200周年の年。TIPCには直接関係ないかも知れませんが、クラシック界にとって記念すべき年になりそうです。

コンクールの運営に携わった方々、ボランティアで参加された方々、スポンサーの方々、そして審査員の先生方、すべての力が結集した結果、第2回TIPCが大成功に終わりました。本当にお疲れさまでした。それでは4年後にまた。
by hikari-kozuki | 2010-04-05 12:34 | Others | Comments(0)
3月27日(土)第2回高松国際ピアノコンクール・ファイナル 第3回
さて昨日の続きを。

4人目は29歳のロシア人、アレクサンドル・ヤコブレフ。他の5人がロマン派の超名曲であるチャイコフスキーの1番とラフマニノフの2番に集中する中、1人ベートーヴェンの4番というのは非常に異質な感じがしました。この協奏曲、当時としてベートーヴェンがかなり革新的な手法を用い、ロマン派的な情緒も感じさせる名曲には違いありませんが、チャイコフスキーやラフマニノフに比べたら華麗さやダイナミックさ、色彩感のあるテクニックを見せるという点ではどうしても劣り、審査員受けがしないような気がするのです。しかし、結論から言うと、彼はこの派手さ劣る協奏曲を骨太でスケールの大きな演奏をすることによって、優勝を狙いに行ったのだと思います。翌日の入賞者の記念コンサートでは、ストラヴィンスキーの超難曲「ペトルーシュカ」を弾き、チャイコフスキーやラフマニノフを弾いてもさぞ上手かったであろうと思わせる素晴らしい演奏だったのです。さて当日のベートーヴェンの話に戻ると、彼の演奏は大胆かつ繊細、タッチは力強いが響きの美しいという演奏でした。ミスタッチもほとんどなく完璧に近い演奏だったと思います。しかし、残念ながら感動的であったという感じではなく、音が非常にキレイでオケとピッタリ合っていたハイレヴェルな演奏という印象でした。

そして5人目は27歳の台湾人、リー・ユン-ヤン。彼が弾いたのはラフマニノフの2番です。実はマエストロから、前日の練習時点では暗譜が完全に出来ていなかった、と聞いていたので、ちょっと心配しながら聞くこととなりました。しかし、1番最初に弾いたオケとずれまくってしまったプリヴァルスと同じ曲だったこともあるのでしょうが、素晴らしいラフマニノフだったと思います。確かなテクニックに裏打ちされた速いパッセージの処理、ダイナミックで音も美しい、そしてキラキラと輝くブリランテさがあるのです。決して完璧ではなかったと思いますが、非常に好感の持てる演奏でした。

最後の6人目は唯一日本人でファイナルに進んだ石村純。21歳という年齢も6人の中で最年少でした。また、彼女だけ、ピアノがファツィオーリで、あとの5人はスタインウェイでした。ファツィオーリというのは、イタリアの超高級ピアノメーカーで、手作りの素晴らしいピアノを作ることで知られている会社です。まあ、ピアノのフェッラーリみたいなものでしょうか。また、スタインウェイよりも良く鳴ると言われています。前回のコンクールでは、スタインウェイ、カワイ、ヤマハ、ベーゼンドルファーの4社が公式メーカーでしたが、今年はこのファツィオーリが加わって5社が公式なピアノとなっていたのです。実はこのファツィオーリ、今年10月のショパンコンクールにも公式ピアノとして導入されることが決まっていて、これからはもっともっと注目されることでしょう。

さて彼女が弾いたのは当日3回目となるチャイコフスキーの1番。確かにピアノはとても良く鳴ります。変な癖もなく、清潔感が、音楽的なセンスも非常に高いと感じられる演奏でした。しかしピアノが鳴っている割にはスケールの大きさがあまり感じられず音の輝きも少し重苦しいようなイメージなのです。ミスタッチも少なく、テンポ感も良く、オケとも良く融合し、演奏自体のレヴェルは大変高かったと思いますが、あまり高揚感のない演奏だったような気がしました。

ということで、次回はいよいよ結果発表を。
by hikari-kozuki | 2010-04-02 14:43 | Others | Comments(0)
3月27日(土)第2回高松国際ピアノコンクール・ファイナル 第2回
前夜まで東京で用事があったため当日は朝一の羽田発高松行きのフライトに乗り、会場のサンポート高松に到着しましたが、本選の開始まで少し時間があったので、事務局へ顔を出しました。するとたまたま音楽監督の堤俊作マエストロがいたので、5分ほど立ち話。前日のファイナリストたちのリハーサルの模様や3次審査までのことを簡単レクチャーしてもらいました。

さてトップバッターはラフマニノフの2番を弾くスペイン人のマリアンナ・プリヴァルス。実はマエストロいわく、前日の練習ではこのプリヴァルス嬢が最大の問題児で、全然オケと合わず、指揮をしていて、もしかしたら自分が悪いのかと自信喪失してしまったと言っていたのです。序盤はなかなかスムーズなすべり出しで、かなりのテクニックも持っていますし、過去の数々のコンクールでの輝かしい受賞歴はダテではないな、という感じでした。しかし、第1楽章のフィナーレのちょっと前のところで遂に決定的にオケとずれてしまったのです。オケはごく普通のテンポだったような気がしますが、彼女はなぜか大きく休みをとったため、オケが1拍くらい先に行ってしまったのです。オケをまったく聞いていないのか、オケをまったく無視しているのか、たとえずれても自分の弾き方を変えたくなかったのか、単に間違ってしまったのか、真相は分かりませんが、とにかく会場が息を飲むほどずれてしまいました。そして、2楽章、3楽章でも何度か決定的にオケと合わないところがあって、せっかく素晴らしいテクニックを持っているのに実に惜しい限りです。しかし、ピアノ協奏曲というのはピアニストがオーケストラや指揮者と1つになって音楽を作り上げるものであって、あのように自分勝手なテンポの取り方では、良い演奏になるはずがありません。果たして優勝する気があったのだろうか?と疑問に思ってしまうほどでした。

2人目はロシア人のダニイル・ツベトコフ。ここからロシア人が3人続けて演奏します。ツベトコフのチャイコフスキーの1番は、高速テンポながらダイナミックで実に歯切れの良い演奏でした。また、タッチの強さは6人の中でもダントツで、少し乱暴に聞こえてしまうほどでしたが、スケールの大きいチャイコフスキーでした。

3人目は同じくロシア人のゲオルギー・ボイロチニコフ。ちょっとロン毛でイケメン風の彼は、男性陣4人の中でルックス面ではダントツです。ただし、彼の弾いたチャイコフスキーの1番は明らかに練習、準備不足という感じで、暗譜がギリギリ間に合ったという感じの演奏なのです。直前に同じ曲を弾いたツベトコフが素晴らしかっただけに、余計にダメに聞こえたのかも知れませんが。

というところで続きはまた明日。
by hikari-kozuki | 2010-04-01 18:12 | Others | Comments(0)






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