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6月以降の演奏会 第10回
今日からはまたしばらく海外編が続きます。

8月9日(日)ローマ・カラカラ浴場「カルメン」
 カラカラ浴場は、古代ローマ時代の遺跡で、3世紀カラカラ帝の時代に作られた公衆浴場ですが、重要なローマ観光のスポットの1つになっています。1937年から夏の期間に円形浴場カルダリウムの中で野外オペラが行われていましたが、1994年から遺跡保護のために中止されていました。しかし、数年前から、カラカラ浴場の遺跡を直接使うのではなく、特設の劇場を造り、遺跡をステージの背景とするような形で公演を再開し、夏の風物詩となっています。

 このステージを有名にしたのは何と言っても、サッカーの祭典、ワールドカップ1990年のイタリア大会です。この大会の決勝戦の前夜祭にサッカー好きの3人の歌手が集まって、コンサートを開いたのですが、この3人が後に3大テノールと呼ばれることになります。説明するまでもなくこの3人とはプラシド・ドミンゴ、ルチアーノ・パヴァロッティ、ホセ・カレーラスのことですが、3人が集まってコンサートを行ったのはこのカラカラ浴場が最初のことだったのです。3人は、それぞれに世界のオペラ界でもトップスターとして君臨していましたが、あまり仲は良くないと言われていましたので、衝撃的な出来事でした。また、オペラの世界では、主役のテノールが2人、3人と必要になるようなオペラは滅多になく、彼らが同じステージで競演する機会はありませんでした。しかし、このカラカラ浴場のコンサートが大成功を収め、以降、3大テノールとして世界中をツアーで廻ることになるのです。また、この時の模様を収録したCDやVideoは空前のベストセラーとなりました。

さて、「カルメン」です。キャストは以下の通りでした。

指揮:カレル・マーク・チチョン
演出:レンツォ・ジャッキエーリ

カルメン(メッツォ・ソプラノ):エレーナ・ガランチャ
ドン・ホセ(テノール):アンドレア・カレ
エスカミーリョ(バス):ダリオ・ソラーリ
ミカエラ(ソプラノ):ミナ・ヤマザキ(山崎美奈)

この公演は、ローマ歌劇場の夏の間の引越し公演という形になっているので、オーケストラや合唱はすべてローマ歌劇場のメンバーが中心となり、歌手もなかなかレヴェルの高いメンバー。特にタイトルロールのラトヴィア人メッツォ、ガランチャは、現在世界で最も注目されているメッツォ・ソプラノ。素晴らしい声と演技力、抜群の容姿を持ち、世界中の一流歌劇場からオファーが殺到しています。他のメンバーもなかなかのレヴェルだったと思います。しかし、残念ながらここのステージは、吹き抜けになっていて、アレーナ・ディ・ヴェローナのようなローマの円形劇場ではありませんので、声を響かせるにはマイクを使うしかありません。ガランチャ以下、どの歌手も劇場で聞くのとは全然違う感じでしたので、評価は難しいところです。しかし、ミカエラ役の日本人、山崎美奈は、プログラムによると、イタリアで活躍しているソプラノのようで、なかなか健闘していたと思います。

休憩中にオケピットを除くと、知り合いのヴィオラ、ブルーノ・プッチの懐かしい顔がありました。2年前にスカラ座のメンバーを中心とした室内楽合奏団アンサンブル・クラシカの一員として来日し、私も一緒に箱根や諏訪等を廻ったのです。彼はその当時からローマ歌劇場管弦楽団のメンバーでしたので、もしかしたらいるかな?という程度だったのですが、彼の方がすぐに私に気づいてくれ、それ以降、幕間ごとに客席に上がって来てくれ、いろいろな話が出来、良い思い出になりました。

また、この日8月9日は私の48回目の誕生日でした。50歳まであと2年しかないなんて、とても信じられませんが、限られた時間を一生懸命生きなければなりません。

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これが舞台のセット 

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オケピット
by hikari-kozuki | 2009-09-25 13:37 | Opera | Comments(7)
6月以降の演奏会 第9回
皆さん、シルバーウィークは如何お過ごしでしたか?
私の場合、年末年始、ゴールデンウィーク、お盆休み等、日本人が休むべき時期は残念ながらほとんど日本にいませんので、ここ数年、まとめて休んだ記憶がまったくありませんが、このシルバーウィークは久々に日本にいて、家族と一緒に三重県の方へ行き、ゆっくりしていました。

さて9月も終わるというのに7月のコンサートというのも間抜けな話ですが、今日も前回の続きで6月以降の演奏会のレポートを。

7月11日(土)津田ホール 二期会ゴールデンコンサート「小山由美×愛」
 日本を代表するメッツォ・ソプラノ、小山由美ですが、バイロイト音楽祭に5年連続出演するなど、まさに脂の乗った感があります。彼女は、ドイツもののイメージが強いですが、この日のプログラムは、「愛」をテーマに世界中の歌曲を集めたもので、サブタイトルは、「私の密かに愛する名曲。」とありました。
作曲家を挙げると、バッハ、ハイドン、シューベルト、メンデルスゾーン、リスト、マーラー、マスネ、ドビュッシー、プーランク、メシアン、ヘルフェルト、ダルゴムィジスキー、グリンカ、チャイコフスキー、ラフマニノフ、リムスキー=コルサコフと、国も時代も百花繚乱というものでした。
残念ながら次の演奏会があって、前半しか聞くことが出来なかったのですが、朗々たる美声は低音から高音までムラがなく、安定感抜群。加えて表現力に富んだ歌唱力は、単に声の魅力だけではなく、一流歌手というものがどのようなものかということを示してくれるかのようです。

7月11日(土)江東区文化センターホール 江東オペラ「フィガロの結婚」
 この江東オペラは、去年も「カルメン」を見に行きました。江東オペラのように、アマチュアの方々がオーケストラや合唱団を編成し、ソリストはプロの歌手が歌うというオペラの形態はドンドン増えてきているようですね。つい先日も新宿区民オペラで「オテロ」を見またばかりです。江東オペラは年に数回の公演を行うという、非常に活発な活動をしている団体のようです。それにしても、このようにアマチュアの方が合唱団の一員としてオペラに出演するという決して簡単なことではありません。単に歌うだけでなく、当然暗譜もしなければなりませんし、演技をしたり、踊ったりしなければならないのですから。「フィガロの結婚」の場合、合唱は、活躍の場面は少なく、それほど難易度も高くありませんが、前述の「オテロ」や「カルメン」は本当に大変だと思います。しかし、アマチュアの方でもこのような形でプロの方々と一緒に本格的なオペラに出演できるというのは素晴らしいことで、病み付きになってしまう気持ちも分かります。老後の趣味が見つからない方はぜひ如何ですか?
 さて当日のことですが、アルマヴィーヴァ伯爵は私の友人、山口邦明でした。今までイタリアオペラばかりをやってきた彼としてはモーツァルトは未知の世界で(いくらリブレットがイタリア語でも)、レチタティーヴォなど、かなり硬さが感じられました。しかし、幕を追うごとに良くなって行き、最後の方はかなり良かったと思います。他の出演者方々には申し訳ありませんが、細かいところはほとんど忘れてしまいました。やはり8月にザルツブルク音楽祭で見た「フィガロの結婚」が強烈な印象だったので、そのせいだと思われます。

7月26日(日)浜離宮ホール「ベルカントによる声の競艶」
 名テノール田口興輔に師事する門下生たちによるガラコンサートだったが、強烈な印象を受けた記憶があります。このコンサートを見る限り、田口興輔の教えは、こじんまりとまとめることなく、多少ザラザラしていてもとにかく喉を鳴らして大きな声を出すというもので、イタリアの本物の発声に非常に近いと思われます。故疋田生次郎先生を思い出しました。そういえば田口興輔も疋田先生の教えを受けた1人だったような気がします。こうやって師から弟子へ発声が受け継がれていくというのは素晴らしいことです。このコンサートも友人の山口邦明が出演していましたが、フィガロとは違い得意のジャンルであるヴェルディを2曲歌いました。1つは「仮面舞踏会」のレナートの名アリア「おまえこそ、心を汚すもの」、そして「ドン・カルロ」から1幕冒頭のカルロとロドリーゴの情熱的な2重唱「われらの魂に友情と希望を」でした。2曲とも良く当たったポジションで滑らかでしかも良く通る声を響かせていました。他に印象に残ったのは、浅原孝夫、与儀巧という2人のテノール、そしてソプラノの佐藤篤子とメッツォの金子直美。2人のテノールは、とにかく声が良く当たっていて、少々浅すぎるような感じもしますが、スケールの大きさを感じさせます。2人ともまだ若いようなので、将来が楽しみです。ソプラノの佐藤篤子は、最初、「椿姫」ヴィオレッタのアリア”ああ、そはかの人は~花から花へ~を歌ったのですが、最初スピント系の深く重いくらいの感じだったのに、そのままのポジションで後半のコロラトゥーラまで歌いきってしまうという常識的には考えられないような声の持ち主でした。

7月30日(木)第一生命ホール「宮本益光のはじめのいっぽ」
 このコンサートは、第一生命がライフサイクルコンサートと銘打って、平日の昼間(しかも午前中の11時半開演!)に安いチケット代金で、気軽にクラシックに触れてもらおうというコンサート・シリーズです。しかし、いくらチケット代金が安いと言っても、出演するアーティストは一流ばかりで、実にお得なコンサートです。普段クラシックに触れる機会に少ない方にも気軽に足を運んでもらおうという企画は素晴らしいものです。最初はコンサートのタイトルから考えて、しかも夏休みということもあるので子供たちが対象にコンサートかな、と思ったのですが、実際には年配の方の方が多いくらいででした。
この日はバリトンの宮本益光とピアノの加藤昌則のゴールデン・コンビ。宮本益光はこのブログでも何度も紹介してきましたが、素晴らしいバリトン歌手というだけなく、マルチプルな才能を持つクラシック界の逸材です。この日も絶妙なトークを交えて、あっという間に歌いきってしまいました。ピアノの加藤昌則とは芸大時代からの同級生で、息もぴったり。作曲家としても活躍中の加藤昌則に即興で作曲をさせて盛り上げるなど、エンターテイメントしても普通のコンサートとは一線を画するもので、1,500円の入場料は安すぎます!
by hikari-kozuki | 2009-09-24 18:02 | Opera&Concert | Comments(0)
6月以降の演奏会 第8回 スカラ座「アイーダ」
ロシア編もようやく終わり、今日はスカラ座の「アイーダ」を。

御存知の通り、今月スカラ座は、「アイーダ」「ドン・カルロ」というヴェルディの2演目を引っさげて引越し公演で来日しています。来日直前の6月末から7月初旬に直前練習も兼ねて(?)、「アイーダ」を上演しました。私は7月4日、6日、8日と3回の公演を見てきました。キャストは、以下の通りでした。

アイーダ:ヴィオレタ・ウルマーナ(6日のみマリア・ホセ・シーリ)
アムネリス:ルチアーナ・ディンティーノ(6日のみアンナ・スミルノ-ヴァ)
ラダメス:サルヴァトーレ・リチートラ(6日のみワルター・フラッカーロ)
アモナズロ:ファン・ポンス(6日のみマーク・ドス)
国王:マルコ・スポッティ(6日のみカルロ・チーニ)
ランフィス:ジャコモ・プレスティア(6日にみジョルジョ・ジュゼッピーニ)

指揮のバレンボイムと演出のゼッフィレッリはもちろん同じです。

今回の来日公演と7割がたは同じメンバーですが、アムネリスのディンティーノとラダメスのリチートラという重要な2人がアサイン出来なかったのは、スカラ側か招聘元の失策であったと思われます。私がスカラ座で見た際、ウルマーナ、ディンティーノ、リチートラ、ポンスというキャストの日は本当に素晴らしい公演でしたので。
by hikari-kozuki | 2009-09-18 18:08 | Opera | Comments(0)
6月以降の演奏会 第7回
6回に渡ってロシア編を書いてきましたが、今回で最終回にしたいと思います。

今回のロシア渡航は私にとってソ連時代以来のことだったので、果たしてどのように変貌しているかが最大の関心事でしたが、思って以上に民主主義化、西欧化が進んでいるようです。今回訪問したのがロシアでも1、2の大都市サンクト・ペテルブルクとモスクワだったので、他の町の状況は全然違うのかも知れませんが。。サンクト・ペテルブルクとモスクワが強烈なライヴァル関係にあることも始めてしりました。帝政ロシアの首都が移転したこともあり、お互いの町に対するライヴァル意識は凄いものです。例えばサッカーの強豪チームサンクト・ペテルブルクのゼニトとモスクワのスパルタク・モスクワの試合などは大変な盛り上がりになるそうです。

町の様子はごく中心部しか見ませんでしたが、思いの他キレイで、ゴミなどはほとんど落ちていません。街中は100年前、150年前の建物が普通に建っていますが、建設ラッシュも目立ち、ロシア製の古い車はあまり見かけず、高級外車が普通に走っています。また、市内のいたるところで交通渋滞が起こっていて、都心の近い距離は歩いた方が早いくらいです。サンクト・ペテルブルクでは酷い交通渋滞に巻き込まれ、何度も開演ギリギリになってしまいました。モスクワでは渋滞の合流地点で我々のバスがアウディの高級車に横からぶつけられるというアクシデントもありました。

エルミタージュ美術館を始めとする美術館のコレクションの規模は本当に凄く、まだまだ見切れないほどでした。音楽の面でもマリインスキー劇場、ボリショイ劇場は、オーケストラ、合唱団、ソリスト、指揮者、バレエダンサー、どれをとっても一流のアーティストばかりで、ロシアの底力を感じました。

これらを日本の皆様に紹介しない手はありませんので、来年も白夜の頃にあわせてツアーを作ろうと思っています。しかしそこで最大のネックになるのは白夜祭のプログラム、キャストがギリギリまで決まらないことです。しかし、その時期はほぼ毎日オペラやコンサートが上演されますので、何かしらのプログラムは見ることが出来るでしょう。

最後にモスクワの街中の写真を幾つか紹介しましょう。

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赤の広場にあるレーニン廟と大統領府

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同じく赤の広場にある聖ワシリー聖堂

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クレムリンにあるブラゴヴェシシェンスキー大聖堂と大クレムリン宮殿

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クレムリンにある”皇帝の大砲” 世界一の大きさですが、1度も使われたことはないそうです

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クレムリン大会宮殿 クレムリンで唯一の近代建築 ここでも演奏会が行われます

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無名戦士の墓で行われる衛兵の交代

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革命広場の屋台風景 6月の白夜の時期だというのに服装は日本の初冬のよう。
またほとんどの店でマトリョーシカを売っています
by hikari-kozuki | 2009-09-16 13:51 | Others | Comments(0)
6月以降の演奏会 第6回
モスクワの2日目はボリショイ劇場(もちろん前日と同じ新劇場)でのバレエ「ラ・シルフィード」でした。バレエには決して造詣が深くない私としては、「ラ・シルフィード」の名前はもちろん知っていましたが、実際に見るのは今回が初めてでした。良く考えて見れば、ボリショイ劇場はオペラとしてももちろん有名ですが、それ以上に有名なのがボリショイ・バレエです。細かいところは分からないものの、世界最高峰のバレエをを目の当たりにして、せっかくロシアに来てバレエも見ておいて本当に良かったと思いました。それほど舞台は美しく、ダンサーたちの踊りは素晴らしいものでした。

当日のキャストは以下の通りでした。

指揮:イーゴリ・ドロノフ
振付:オーギュスト・ブルノンヴィル
振付改訂:ヨハン・コボー

シルフィード:エレーナ・アンドリエンコ
ジェイムズ:アンドレイ・ボロティン
マッジ:ゲンナディー・ヤーニン
エフィ:イリーナ・セミレチェンスカヤ
グルン:アレクサントル・ヴォイトユーク
アンナ・エフゲニア・ヴォロチュコヴァ

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ボリショイ劇場修復工事風景 現場を覆うカヴァーにその建物の絵を描くのはヨーロッパの風習?

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新劇場と工事中のボリショイ劇場の間にある階段。右上が工事中のボリショイ劇場
by hikari-kozuki | 2009-09-11 16:30 | Others | Comments(0)
6月以降の演奏会 第5回
6月5日はサンクト・ペテルブルクからモスクワへ移動し、ボリショイ劇場では2演目を観ました。

ボリショイ劇場は、1780年に開場されたという伝統を持ちますが、何度かの火災ののち、1856年に今の形の劇場が開場しました。それから150年も経ち、老朽化が進んでしまったため、全面的な修復工事が必要となっていました。2005年からその大修復工事が始まりましたが、現在ボリショイ劇場の公演は、2002年にオープンした約1,000席の新劇場で行われています。

この劇場はロシアの音楽史そのもので、シャリアピン、オブラスツォワ、ネステレンコら偉大な歌手たちやプリセツカヤ、ワシーリフら名ダンサーが数々の伝説を残してきました。また、グリンカやロシア5人組の数多くのさくひんが上演され、ラフマニノフのオペラ「アレコ」やチャイコフスキーのバレエ「白鳥の湖」などが初演されるという輝ける栄光の歴史を持っています。また、ボリショイというのはロシア語で”大きい”という意味で、もちろんボリショイ・サーカスも同じ意味でしょう。

現在の音楽監督は、指揮者のアレクサンドル・ヴェデルニコフ。2001年突然辞任をしたロジェストヴェンスキーの後任として38歳の若さで大抜擢されました。今ではペテルブルクのゲルギエフと比較されるまでも存在となり、今後のボリショイ劇場の躍進にも目が離せません。

現地の方によると、来年2010年に修復工事は終了すると言っていましたが、外から見た工事の進捗状況は、まだまだ時間がかかりそうでしたので、どうなるでしょうか。

さて6月5日の演目はプッチーニの「トゥーランドット」。
キャストは以下の通りでした。

指揮:アレクサンドル・ヴェデルニコフ
演出:フランチェスカ・ザンベッロ

トゥーランドット(ソプラノ):エレーナ・ツェレンスカヤ
カラフ(テノール):オレグ・クルコ
リュー(ソプラノ):ロリッタ・セメニーナ
皇帝アルトゥム(テノール):ユーリ・マルケロフ
ティムール(バス):イーゴリ・マチュヒン
ピン(バリトン):ニコライ・カザンスキー
ポン(テノール):マラット・ガーリ
パン(テノール):ヴィアチェスラフ・ヴォイナロフスキー
役人(バリトン):ユーリ・ネチャエフ

舞台セットは小さな劇場にも関わらず、大掛かりなもので、かなりお金がかかっているでしょうが、国の威信をかけた劇場なのできっと許されるのでしょう。ペテルブルクの白夜祭の歌手たちが連日素晴らしかったので、正直に言うとボリショイ劇場にはあまり期待していなかったのですが、レヴェルの高さはさすがでした。主役の3人(姫、カラフ、リュー)は、ペテルブルクに比べると若くはありませんでしたが、いずれも50歳前くらいの脂の乗り切った歌手たちで、西欧の一流歌劇場でも充分に歌って行けるに違いありません。

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新劇場外観

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新劇場客席
by hikari-kozuki | 2009-09-10 17:28 | Opera | Comments(0)
6月以降の演奏会 第4回
サンクトペテルブルクでは、「マリインスキー劇場管&ゲルギエフの演奏会」、「イーゴリ公」、「エフゲニー・オネーギン」の3演目を見ましたが、日中もかなり充実し観光等が出来ました。かの有名なエルミタージュ美術館は1日ではとても見ることが出来ないので、2日間に渡り見学、ロシア美術館の素晴らしいコレクションも堪能した。郊外のペテルゴフ大宮殿やエカテリーナ宮殿も行くことが出来ました。

それらの中でも特に印象に残ったのはやはりエルミタージュ美術館でしょうか。
世界に名だたる美術館、例えばパリのルーヴル、オルセー、ロンドンの大英、ナショナル・ギャラリー、ヴァチカン美術館、マドリッドのプラド、NYのメトロポリタン等々、私は世界中の有名な美術館は、ほとんどのところに行ったことがありますが、エルミタージュのスケールには驚かされました。

特に凄かったのが、レオナルド・ダ・ヴィンチやラファエッロ、ティツィアーノ等のイタリア・ルネッサンス、ルーベンス、レンブラントらのフランドルの作品、ヴェラスケス、エル・グレコらのスペインの作品。そしてフランス印象派から近代にかけての作品群は圧巻でした。ルノワール、ルソー、セザンヌ、モネ、ルソー、ゴッホ、ドガ、ゴーギャン、マチス、ピカソらの大作がずらりと並んでいるのです。ロマノフ王朝の栄光を再認識しました。

ここの美術館で驚いたのが、撮影料を支払えば好きなだけ写真が撮れることです。確か200ルーヴルでしたので、800円くらいです。また、ロシア美術館やトレチャコフ美術館なども同じようなシステムになっていますので、マニアの方にとってはたまらないことでしょう。
せっかくですから、幾つか紹介でしておきましょう。もちろんカメラマンがド素人の私なので、デジカメのテクノロジーに頼るしかありませんでしたが。。。

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ダ・ヴィンチの「リッタの聖母」

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カラヴァッジョの「リュートを弾く若者」

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ラファエッロの「聖家族」

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レンブラントの「フローラに扮したサスキア

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ゴーギャンの「エア・ハエレ・イア・オエ」

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マティスの「ダンス」

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ピカソの「扇を持つ女」
by hikari-kozuki | 2009-09-09 13:34 | Others | Comments(0)
6月以降の演奏会 第3回
第3回もサンクトペテルブルクの白夜祭。チャイコフスキーの代表作「エフゲニー・オネーギン」です。

過去2回は素晴らしさばかりを言ってきましたが、今日は敢えてちょっと苦言を。
演奏には直接関係ないのですが、観客のマナーが非常に悪いのには辟易とさせられました。1度や2度ではなく、どの日も同じようなものでしたで、おそらくいつものことなのでしょう。
隣の人とずーっと喋っている人たち、オペラなどまったく観ないで欲を向きっぱなしの人たち、演奏中でもお構いなくフランシュで写真を撮りまくる人たち、とにかくマナーが悪いのです。そして、その方たちは地元ロシアの方々が多いようでした。
彼らから見たら我々が外国人ですので、これがロシア流だ、と言われれば言い返す言葉はありませんが、周りの人たちに迷惑をかけて良いはずがありません。私の周りの方たちには何度か注意しましたが、言葉がまったく通じないこともあって、ほとんど改善はされませんでした。
服装もラフな方が多く、このあたりは西欧のオペラハウスの雰囲気とは全然違いますが、まあ服装のことはどうでも良いので、最低限マナーだけでも守って欲しいものです。

それからもう1つ。今年もそうだったのですが、スケジュールがなかなか発表されないのには本当に困ってしまいます。白夜祭のオープニングは4月27日からだったのですが、結局ちゃんとスケジュールが発表されたのは、4月の中旬でした。何度かアングラの情報は流れましたが、結局、ほとんどの演目は変わってしまって、本当にギリギリまで決まらなかったのでしょう。
このような状況では、ロシアへ旅行しようと思っている人もスケジュールの立てようがありません。しかもロシアは現在でも査証(VISA)が必要になってしいますので、簡単には入国できないのです。

これは特に困ったことではありませんが、もう1つ。劇場内で白夜祭の総合プログラムを売っていたのですが、これが2008年シーズン(昨年度)のものなのです。それもかなり堂々と売っていましたので、間違って買ってしまう人も続出していました。もちろん今年の総合プログラムも売ってはいたのですが、こちらはかなり目立たないところでしか売っていなかったので、昨年度の余ったものを売りたがっているのは明白でした。

しかし、今年の総合プログラムに比べてかなり安かったので、ディスカウントしていたのは間違いありませんし、翌日間違って買ってしまった!クレームをと言ったらちゃんとお金を返してくれたらしいので、そのあたりは微笑ましいと言えないこともありません。

さて前置きが長くなりましたが、「エフゲニー・オネーギン」のキャストです。

指揮:トゥガン・ソヒエフ
演出:ユーリ・テミルカーノフ

エフゲニー・オネーギン(バリトン):アレクセイ・マルコフ
タチアーナ(ソプラノ):入りーナ・マタエワ
オルガ(メッツォ・ソプラノ):エカテリーナ・セメンチュク
レンスキー(テノール):セルゲイ・スコロクホドフ
グレーミン公爵(バス):ミハイル・キット

この中で私がもっとも注目していたのは、指揮のトゥガン・ソヒエフでした。1977年北オセチア生まれの若者で、ロシア期待の若手指揮者です。ロシアでも、テミルカーノフの後継者とかゲルギエフ2世と言われているようです。実際にこの「エフゲニー・オネーギン」は素晴らしく、オーケストラを見事に統率、音楽性の高さも感じました。
今年の現在、白夜祭の指揮者は、もちろん総裁のゲルギエフ。そして、名指揮者ネーメの息子・パーヴォ・ヤルヴィ。世界中が注目している逸材です。それからゲルギエフの片腕とも言われるジャナンドレア・ノセダ。彼もBBCフィル、メトロポリタン歌劇場などで活躍中のマエストロです。そして4人目の指揮者がソヒエフということになりますが、ヤルヴィ、ノセダよりもさらに一廻り若い世代ですので、今後、ハーディングらのライヴァルとして、ロシアのみならず世界の音楽シーンを引っ張っていくと思われます。

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マリインスキー劇場ホワイエの休憩時の風景
このようにラフな服装の観客が多い。
by hikari-kozuki | 2009-09-08 13:20 | Opera | Comments(0)
6月以降の演奏会 第2回
さて、サンクトペテルブルク白夜祭の2日目の夜は、ボロディンの「イーゴリ公」です。
はこのオペラは、未完のままボロディンが死んでしまったため、同じ5人組のリムスキー=コルサコフと、グラズノフが補筆して完成した作品です、ロシアの民族オペラの代表的な作品と言われています。
しかし、ストーリーははっきり言って、何だこれ???という感じで、矛盾点も多く、強引な物語の展開やフィナーレにも疑問だらけです。
にもかかわらず今もなおロシア民族オペラの代表的な作品の1つとして上演回数も多いのは、一重に音楽が素晴らしいからです。民族色が豊かで音楽は際限なく盛り上がって行きます。登場人物が多く、ダンスのシーンも多いので、グランドオペラの一種と言う事も出来るでしょう。特に誰でも知っている”ダッタン人の踊り”のあたりは本当に素晴らしい音楽の連続です。

キャストは以下の通りでした。

指揮:パヴェル・スメルコフ
演出:エフゲニー・ソコヴニン(1954)
演出改訂:イルキン・ガビトフ(2001)

イーゴリ公(バリトン):アレクサンダー・モロゾフ
ヤロスラヴナ(ソプラノ):エカテリーナ・シマノヴィチ
ウラディーミル・イーゴレビチ(テノール):セルゲイ・セミシュクール
ガリツキー公(バス):アレクセイ・タノヴィツキー
カン・コチャク(バス):セルゲイ・アレクサーシュキン
コンチャコヴナ(メッツォ・ソプラノ):ナタリア・エフスタフィエヴァ
オヴルール(テノール):セルゲイ・ロマノフ


若い歌手が多かったですが、先週も言いましたように、非常にレヴェルが高く、とても良かったと思います。ダンスのシーンもマリインスキー劇場バレエ団が素晴らしく、オペラだけでなく、合わせてバレエも見たような充実感がありました。また、ステージも色彩感に富み、派手で豪華な舞台でした。


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マリインスキー劇場外観
by hikari-kozuki | 2009-09-07 12:55 | Opera | Comments(0)
6月以降の演奏会 第1回
光陰矢のごとし。
皆さんご無沙汰しています。
今年の夏は4回もヨーロッパの往復をしていたため、日本で夏を感じる間もなく、今日などはすでに初秋を感じさせるようになってしまいました。
多くの方からこのブログの更新がないとお叱りを受けておりましたが、そのような訳で時間がまったくなく、2ヵ月半も空いてしまったのです。実は昨日アップしたつもりだったのですが、どうやら”送信”のアイコンを押すのを忘れてしまったようで、消えてしまっていました。泣きながら再度アップして、今日から再開させて頂きますので、どうぞよろしくお願い致します。

6月は1日から8日までロシアに言っていました。サンクトペテルブルクとモスクワです。ソ連邦崩壊後のロシアをまったく知らなかった私は、その変貌ぶりに驚きました。西欧とちょっと田舎の大都市といった風情で、社会主義だった片鱗はほとんど見ることが出来ません。この時期のロシアは白夜の季節。夜中の12時を過ぎてもまだ明るく、気候的にも日本の軽井沢という感じで、ロシアに行かれるのであれば、ぜひこの季節をお勧めします。

さてサンクトペテルブルクはちょうど白夜祭の季節。1988年にキーロフ劇場(現マリインスキー劇場)の芸術監督に就任したヴァレリー・ゲルフギエフが、次々に新機軸を打ち出し、ソ連邦の崩壊に見舞われたものの、見事に世界的な音楽祭に育て上げました。ロシアの古典的なオペラの上演、海外公演を積極的に行うなど、ゲルギエフでなければ出来なかったでしょう。1996年にはマリインスキー劇場の総裁に就任し、以降、すべてを彼が取り仕切っていると言っても過言ではありません。ちなみにゲルギエフは音楽祭の名前を変更し、現在は”白夜の星音楽祭”という名前になっています。

今回オペラ、バレエ、コンサートを見ましたが、そのレヴェルの高さには驚かされました。クラシック音楽の先進国であることは充分に認識していましたが、層の厚さ、質の高さ、スケールの大きさは西欧のどの年にも負けません。オペラでは名前も聞いたことのないロシア人の若い歌手をたくさん見ることが出来ましたが、近い将来、この中から明日のアンナ・ネトレプコ、ディミトリー・ホロストフスキーが出てくるに違いありません。

6月2日(火)サンクトペテルブルク・マリインスキー劇場コンサートホール
マリインスキー劇場交響楽団、合唱団演奏会
指揮:ヴァレリー・ゲルギエフ
演目:ベートーヴェン作曲オペラ「フィデリオ」より抜粋シーン<演奏会形式>
    ベートーヴェン作曲「交響曲第5番」<運命>
フロレスタン(テノール):エフゲニ・アキモフ
レオノーレ(ソプラノ):エレーナ・ネベラ
ロッコ(バス):ユーリ・ヴォロビエフ
マルツェッリーネ(ソプラノ):ツァンア・ドムブロフスカヤ
ヤキーノ(テノール):アンドレイ・イリュシュニコフ
ドン・ピツァロ(バリトン):エデム・ウメロフ
ドン・フェルナンド(バリトン):エフゲニ・ウラノフ

マリインスキー劇場コンサートホールというのはマリインスキー劇場から徒歩5分くらいのところにある、去年出来たばかりの新しいコンサートホールです。収容人員1,100名の小ぶり劇場ですが、シューボックススタイルながら、ステージの周りをぐるりと客席が取り囲むというちょっと珍しい造りです。

この日は開演時間の20時になっても入場すら出来ず、いったいどうなっているのかと思ったら、30分以上遅れて開演となりました。劇場横の高級レストランでゲルギエフがVIPと食事をしていたために遅れてしまったという噂が流れていましたが、案外本当かも知れません(笑)。

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コンサートホールの入口。横はまだ工事中?

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内部の造りはこんな感じ。
by hikari-kozuki | 2009-09-04 10:50 | Opera&Concert | Comments(0)






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