エキサイトブログ ホーム | ブログトップ | サイトマップ
<   2006年 08月 ( 13 )   > この月の画像一覧
帰国しました。
今朝、25日成田へ到着しました。
現在、リムジンバスで都内へ移動中です。
昨日のティートの残りを機内で打ちましたので、報告します。

クリストファー・モウルズはビッグネームではありませんが、グラインドボーンなどで研鑚を積んできた英国の指揮者で、派手さはありませんが、手堅く、生真面目な指揮ぶりで、オケと歌手たちを良くまとめ、ウィーンフィルのメンバーたちも協力的だったように思います。
タイトルロールのティート役はザルツブルクのモーツァルトオペラではエース・テノールとも言うべき、ミヒャエル・シャーデ。ウィーン国立歌劇場でも彼の存在は非常に大きいものです。前述のようにクシェイの演出はティートを精神薄弱者のような描き方をしているので、百戦錬磨のシャーデにとってもかなり難しかったでしょうが、演技も歌もレチタティーヴォも大変良かったです。
ヴィッテリアはドイツのソプラノ、ドロテア・レシュマン。ドイツ語圏ではトップクラスの実力派ソプラノとして大忙しの彼女です。ヴィッテリアは高音だけでなく、かなり低音まで必要とされ、かなり難易度の高い役ですが、無難にこなしていました。、また、セストとの絡みのシーンでは太ももまで露にする熱演でしたが、ちょっと太めなので、見ていても痛々しい感じでした。
セストはブルガリア生まれののメッツォ・ソプラノで、このプロダクションの中でも最大ビッグネームです。ザルツブルクでは1991年にはアンニオ役でデビューしましたが、今回はセストに抜擢され、見事に期待に応えました。高音から低音まで安定感があり、ムラのない美声で、現代最高のメッツォ・ソプラノの1人と呼べるでしょう。
セルヴィリアはアルゼンチン生まれのソプラノの新星、ヴェロニカ・カンジェミ。当夜の出演者の中では地味な存在ではありましたが、健闘していました。
アンニオのメッツォ・ソプラノ、マレーナ・エルンマン、プブリオのバリトン、ルカ・ピサローニもなかなかの美声で将来が楽しみが歌手です。

全体的にはさすがザルツブルク音楽祭というレヴェルでしたが、クシェイの演出が歌手を邪魔しているような気がしてなりません。音楽祭での重要なポジションを占めるクシェイですが、私のような凡人には理解の出来ないところが多すぎます。
前夜の”イドメネオ”のヘルマン夫妻のシンプルな演出がとても良かったので、個人的にはがっかりしていしまいました。

まったく関係ありませんが、”ティート”の1幕と2幕の間の劇場の外に出たら、昨夜のイドメネオ、ヴァルガスが子供たちと一緒にジーンズにTシャツというラフな服装でのんびり歩いていました。アーティストたちと気軽に会えるという、こんな風景もザルツブルクならではでないでしょうか。
by hikari-kozuki | 2006-08-25 09:17 | Comments(1)
ザルツブルクにて4
今夜、8月23日は、ザルツブルクも最後の夜、演目は、モーツァルトの最後のオペラ”皇帝ティートの慈悲”でした。会場はフェルゼンライトシューレ、映画”サウンド・オブ・ミュージック”の最後のエーデル・ワイス”のシーンでも有名な、岩山を刳り貫いて作ったホールです。

この作品はモーツァルト最後のオペラとして知られていますが、”魔笛”の作曲中、一時中断して、皇帝レオポルト2世のボヘミア王への戴冠式のために書かれました。かなり無理なスケジュールの中で作曲を受けたため、レチタティーヴォは弟子のジュスマイヤーが書きました。今日、このオペラが評価されないのは、レチタティーヴォが最大の原因とされますが、実際に曲との繋ぎが調性としておかしな部分もありますので、仕方ないかも知れません。

このプロダクションは2003年にプレミエ公演されたもので、演出は2004年にザルツブルク音楽祭の演劇部門のトップに就任したマルティン・クシェイによるもの。”ドン・ジョヴァンニ”も彼の演出でしたが、演劇界の反逆児と言われているだけあって、一筋縄では行かず、賛否両論の嵐となった演出です。皇帝ティートは優柔不断で自律神経失調症で精神薄弱者のような人物に描かれています。確かに自分の妃候補を次々に変えて行き、友人を死刑と言ったり許したりと、およそ賢君とは言えない人物かも知れません。しかし、モーツァルトはレオポルト2世のために書いたオペラなので、このようなイメージで書いたはずがありません。確かになるほど、と思われる部分もありますが、実際のレチタティーヴォやアリアの内容とは人物像がかけ離れているところ多く、ちょっと無理だと言わざるを得ません。
舞台は、フェルゼンライトシューレの巨大なステージを丸ごと3階建てのホテルに置き換え、多数の部屋に分かれている断面が舞台セットです。時代は半世紀ほど前の近現代で、合唱団員は1幕ではホテルの宿泊客、2幕ではホテルのスタッフとして描かれています。1幕フィナーレでセストによって燃やされる宮殿は、当然ホテルで、2幕は焼け残った残骸のホテルが舞台となります。冒頭でパンツ1枚の子供たち、フィナーレでは大人たちの囲んだテーブルの真ん中に上半身裸の子供たちが生贄のような形で登場しますが、今後、国の指導者が暗君だった場合、将来子供たちが不幸になっていくというメッセージなのでしょうか?
いずれにしてもクシェイの演出は、”ドン・ジョヴァンニ”にしても”皇帝ティートの慈悲”にしても、メッセージ性が強いのかも知れませんが、およそ意味がなかったり、まったく理解出来ない部分も多く、とても一般聴衆に受け入れられるものではありません。

さてキャストですが、開演前に指揮のアーノンクールが急遽降りてしまい、クリストファー・モウルズに替わるというショッキングな幕開けとなりました。歌手陣は2003年のプレミエ時とほとんど同じで、違ったのはセルヴィリアがバーバラ・ボニーからヴェロニカ・カンジェミに替わったくらいです。

すみませんがここで時間切れです。
ティートの続きとドン・ジョヴァンニ、魔笛は帰国後アップします。
by hikari-kozuki | 2006-08-24 14:50 | Comments(0)
ザルツブルクにて3
ネッツァーさんのご希望に応えまして、モーツァルトハウス(Haus fur Mozart)について。
2階ホワイエに4~50人の歌手、指揮者、作曲家、演出家たちの色紙が展示されています。それぞれ”Mein Mozart”(私のモーツァルト)という題目で、五線譜の上に好きなことを書いているのです。多くの人たちが自分の好きなMozartの曲の一部分を書いていますが、イラストだけを書いている人がいたり、文字だけを書いている人もいます。たとえば、ネトレプコは、”ありがとう、モーツァルト!”というモーツァルトに宛てたお手紙のようなスタイルでしたし、ヴィラゾンは、夜の女王のイラストと夜の女王のアリアのコロラトゥーラの部分の譜面が書いてありました。ざーっと見ただけなので、あまり細かくはチェックしていませんが、変わったところでルネ・パーペは、B(シ♭)・A(ラ)・B(シ♭)・E(ミ)と4つの音だけを書いていて、それをPAPEと読ませるらしいです。要するにPをBに置き換えているのでしょう。

さて、ネッツァーさんは当然マエストロ・ムーティの色紙をお知りになりたいことでしょう。
彼は正統的に楽譜が書いてあるのですが、その曲とは、「コジ・ファン・トゥッテ」の一節で”Soave sia il vento~”のところです。これは私の記憶が正しければ1幕10番のフィオルディリージ、ドラベッラ、アルフォンゾの静かで美しい3重唱で、マエストロはフィオルディリージの旋律を書いていました。
マエストロのファンの方たちは当然”魔笛”と”ウィーンフィルのコンサート”をご覧になられたでしょうが、これは両方とも祝祭大劇場の演奏会だったので、モーツァルトハウスの色紙はご覧になっていない可能性が高いですね。バックステージツアー等にでも参加していない限り。
カメラータの方々にもぜひお伝え下さい。

また、今夜はフェルゼンライトシューレで”ティト”があるので、再度この色紙コーナーをチェックすることは可能です。お知りになりたいアーティストがいらっしゃれば、日本時間の本日24時までに投稿して頂ければチェックしてきます。
by hikari-kozuki | 2006-08-23 18:35 | Comments(3)
ザルツブルクにて2
今日でザルツブルクも3日目、とんでもない豪華キャストによる”ドン・ジョヴァンニ”と”魔笛”のあと、今夜は”クレタの王、イドメネオ”のプレミエ公演でした。
そして、”ドン・ジョヴァンニ””魔笛”を上回るほど素晴らしい公演だったため、終演後2時間たった今でも、まだ興奮が冷めやりません。本来順番から言うと今夜は”ドン・ジョヴァンニ”について書こうと思っていましたが、”イドメネオ”について書くことにします。

この”イドメネオ”という作品は、モーツァルトが弱冠25歳の誕生日を迎えた翌々日の1781年1月29日に初演され、モーツァルトのオペラの中では最初の傑作と呼べるものです。また、台本がザルツブルクのイタリア人司祭ヴァレスコという素人だったため、モーツァルトが深く台本に関与した最初の作品でもあります。

さて今夜の公演ですが、祝祭小劇場が生まれ変わったモーツァルトハウスで行われました。外観は近代的になり、オケピットから舞台がかなり深くなり、何より客席のシートが良くなりました。そして以前はフラットだった客席が前方から後方にかけてかなり傾斜が出来たため、後方の席でもかなり良く見えるようになりました。音響も前の劇場同様、とても良かったように思います。この劇場の柿落としの”フィガロの結婚”はずっとイタリアにいたため見ることが出来ませんでしたが、ネトレプコのスザンナはどうだったのでしょうか?どうもてもスザンナよりも伯爵夫人という感じがするのですが・・・。

演出は、ウルセルとカール=エルンストのヘルマン夫妻。2000年に新演出されたもののヴァージョンアップでした。モノトーンのシンプルな舞台ながら、無駄な装飾が省かれ、美しい舞台でした。まずオケピットの周り四方を約1m幅の渡り廊下で囲み、歌手たちはその渡り廊下をグルグル回りながら歌うので、客席から本当に近く、迫力満点。。そして後方の壁は必要に応じて開閉され本来のステージが現れますが、主に合唱のシーンで奥のステージを使っていました。このオペラはモーツァルトにしては珍しく合唱が大変重要視されている作品なので、大変効果的な使い方だったと思います。もちろん。オケピットの前の渡り廊下(つまり客席に1番近いところ)で歌う時は、当然歌手からは指揮者は見えないわけで、サイドにモニターを置いて対応していましたが、まったくそのハンディを感じさせませんでしたので、きっと音楽稽古を念入りにやったものと思われます。

歌手陣は”ドン・ジョヴァンニ””魔笛”に比べるとビッグネームは少なく、注目度はやや低かったかも知れませんが、全員が素晴らしく、これほどまとまった公演はいくらザルツブルクといえども、滅多に見ることは出来ません。まずタイトルロールのテノールは、ラモン・ヴァルガス。彼のステージは、マントヴァ、アルフレード、ロメオ等々、世界中でたくさん見ていますが、今夜が1番良かったです。彼は美声のリリコ・レッジェーロだと思いますが、細い声にもかかわらずアクートがややザラザラと濁ったり、完全嵌らないることが多いので、実は私の評価としては、好きなテノールではありませんでした。しかし、今夜のイドメネオは素晴らしかった。特に2幕のアリア”海の外にも”では、華麗なアジリタのテクニックも披露し、万雷の拍手を買っていました。もちろん容姿は変えられないので、相変わらず品のない的屋のお兄ちゃんみたいで王の貫禄はまったくありませんでしたが。とはいえ、今夜は相当彼を見直しました。
イダマンテはチェコのメッツォ・ソプラノ、マグダレナ・コジェナー。日本ではさほどネームヴァリューはありませんが、実は今ヨーロッパでもっとも注目されているメッツォの1人です。美しいブロンドの髪をばっさりと切ってしまい、ズボン役である王子に挑戦しました。1995年にザルツブルクのモーツァルト国際コンクールで優勝しているので、地元の人気も抜群です。華奢な体にもかかわらず、強く美しい声を持っていて、強いパッションを感じさせる歌唱テクニックも抜群で、フレージングも巧みです。1幕早々のアリア”私には罪がないのに”では、いきなり観客席の気持ちを鷲づかみにしていました。
イダマンテの恋人でトロイの王女イリーナにはロシア人のソプラノ、エカテリーナ・シウリーナ。実は彼女は初めて聞いたのですが、なかなかの逸材です。小柄でレッジェーロな声ながら、スケールが大きく、中低音から高音まで安定感があり、テクニックもあります。このオペラで1番有名なアリア3幕冒頭の”暖かい風よ”を美しく歌い上げました。
敵役アルゴスの王女アーニャ・アルテロスは、ギリシャ人の父とドイツ人の母を持つソプラノ。8頭身かと思わせるようなスタイル抜群の美人で、ミュンヘンのバイエルン歌劇場では看板スターとなっています。去年聞いた時よりも声が豊かになっている感じで、カーテンコールの時には1番拍手が大きかったかも知れません。3幕フィナーレ前の有名なアリア”オレステスとアリアス”では、鬼気迫る迫力で、今でも耳に残っています。
他にはテノール、アバーチェ役のジェフリー・フランシスも2幕冒頭のアリア”すべて存じております”ではレッジェーロらしいテクニックを披露し、大きな拍手を受けていました。ただし、あの変な髪形だけはちょっと可哀想でした。

指揮は、英国の”サー”、ロジャー・ノリントン。ザルツブルク音楽祭では、すっかりレギュラー指揮者の1人に定着し、オペラにウィーンフィルの演奏会に室内楽コンサートにと大活躍です。前述のように特殊な舞台構造のため、統率を取るのは大変だったと思いますが、見事にまとめあげていました。
そして、オケのカメラータ・ザルツブルクと合唱のザルツブルガー・バッハコーアも見事な出来栄え。特に合唱は、前述の通りこのオペラでは重要なキーとなりますが、最初から最後まで舞台を走り回わされ、かなり演技を必要とされていましたが、バランスも良かったと思います。ただし男性が全員ロンゲの長髪、女性が全員ポニーテールというのは何か意味があるのでしょうか?

ともかくさすがザルツブルクという素晴らしい公演でした。
それではおやすみなさい。
by hikari-kozuki | 2006-08-23 09:00 | Comments(3)
ザルツブルクにて
今日は携帯からの投稿ではなく、PCからです。
携帯で投稿する時の20倍は早く打てるでしょうか。
ヴェローナから携帯で投稿しているときは本当に大変でした。

さて、私は19日の夜アレーナで最後の演目”蝶々夫人”見た後、
20日の朝、ブレンナー峠を越えて、ザルツブルクに入っております。
20日の夜は”ドン・ジョヴァンニ”、21日の夜(さきほど)は”魔笛”を見ましたが、共に超豪華キャストで、今年のザルツブルク音楽祭の目玉の作品でした。
昨日、今日と忙しかったため、あという間に報告が遅れてしまいました。

とその前に、アレーナの”蝶々夫人”に触れなければなりませんね。
私は初めて見ましたが、昨年フランコ・ゼッフィレッリの新演出で好評だったものです。
舞台の中央に日本庭園風の岩山を配置し、それが真ん中で割れて左右に開閉すると大きな日本家屋の蝶々さんの部屋が現れる仕組みになっていてます。
何度も岩山の開閉を繰り返すことによって場面転換をする、というものでした。
舞台はとても美しく、日本人の私が見てもほとんど違和感がなく、着物の女性たちが傘や扇子を使って踊るシーンなど、まるで日本舞踊のようでした。
長崎の町の風景や町の人々の服装なども、とてもイタリアの演出家によるものとは思えません。もちろん衣装の和田エミさんを始め、日本のスタッフが脇を固めているのも大きいのでしょう。


さて歌手は蝶々さんにダニエラ・デッシー、ピンカートンにファビオ・アルミリアートのコンビ、シャープレスは一昨日パリアッチでトニオをやったアルベルト・マストロマリーノでした。
デッシーもアルミリアートも出来は上々で、この2人はこの役がとても合っています。
マストロマリーノはちょっと太りすぎていて、長崎領事には見えませんが、声自体は悪くありません。
その他にスズキのメッツォ、フランチェスカ・フランチが良かったです。
指揮は、アレーナではお馴染みの女流指揮者、ケリ=リン・ウィルソン。

何だか”トスカ”に比べてとっても簡単になってしまいましたが、”ドン・ジョヴァンニ”
”魔笛”の印象が強すぎて細部をほとんど忘れてしまいました。お許しください。
というわけで、明日からザルツブルク編に移ります。
言うまでもなくザルツブルクはモーツァルト生誕250周年で湧き上がっています。
by hikari-kozuki | 2006-08-22 08:47 | Comments(1)
イタリアにて3
さて、昨夜のトスカの続きです。
何と言ってもカヴァラドッシのマルセロ アルヴァレスに注目が集まりました。この役は通常スピント、ドラマティコなど強くて太い声のテノーレの役と言われています。リリコ・レッジェーロのマルセロがどのように歌うかが私にとって1番の関心事でした。アラーニャ、スコラらがドンドン太いテノーレに挑戦していく中、彼は自分のレパートリーを増やしていくことに慎重な歌手でしたが、少しずつスピント系の諸役にもトライを始めているのです。どうみてもマルセロと同じリリコ・レッジェーロのアラーニャがマンリーコを歌ったり、スコラがカラフを歌ったりすることは、自分の持っている声以上に太く当てることによって、フォームを崩し、寿命を縮めかねません。
しかし、マルセロに限っては、そのような心配は無用だったようです。彼のテリトリーであるベルカントオペラやヴェルディの軽めの諸役、フランスオペラを歌う時同様、無理に太く当てることなく、ごく自然に美しく流麗に歌ってくれたのです。1幕のアリア“妙なる調和”では、例え細くてもブリランテな輝く声で歌い上げ、2幕の“Vittoria!”で伸ばすところは、密度の濃いアクートで観客が熱狂するほどの美声で伸ばしまくり、3幕のアリア“星は光りぬ”では、緊張感のあり、かつ滑らかで美しいフレージングによる新しい形の“星は光りぬ”を聞かせてくれました。もちろん上記の見せ場だけでなく、全幕を通して、抜群の歌唱力と伸びがあってブリランテな美声を安定感のあるポジションで歌いきったのです。このような新しい形のカヴァラドッシはパヴァロッティ以来ではないでしょうか。
トスカ役は、フィオレンツァ・チェドリンスがアサインされていましたが、中国人のソプラノ、ヘイ・フーに変更になってしまいました。しかし、彼女は最近ヨーロッパで活躍しているだけに立派な声を持っています。高音は強くて良く鳴っていますが、中低音の声はやや薄く無理に押している感じなので、まだ課題はあるでしょう。しかし、2幕のアリア“歌に生き恋に生き”は見事に歌いきりました。
スカルピアはバリトンのシルヴァーノ カローリでしたが、以前ほどバカ声(失礼!凄く大きな声)一本槍ではなく、ほどほどコントロールの効いた声で、演技も良かったと思います。
指揮はネッロ・サンティがあまり出なくなった今、すっかりアレーナのエース指揮者となったダニエル・オーレン。相変わらず派手なパフォーマンスでエンターテイメント系指揮者ぶりを存分に発揮。大きな声で唸ったり、歌ったり、指揮台の上で飛び跳ねたりと大活躍。3幕のマルセロのアリアの後、観客からBis(ビス)!の声が掛かると、ゴールを決めたサッカー選手のように耳に手をやって『良く聞こえないぞ、もっと言え!』のパフォーマンス。もちろんマルセロも水を一杯飲んだあと、見事に2度目を歌ってくれました。
by hikari-kozuki | 2006-08-19 23:45 | Comments(3)
ヴェローナにて2
今夜はフーゴ・デ・アナによる新演出のトスカでした。アレーナの空間をダイナミックに利用した豪華で素晴らしい舞台だったと思います。舞台の中央に巨大なブロンズの顔と両脇に大きな腕と刀を配置し、その後ろには銀の大きな壁があって、いくつかの部屋に分かれていて、その銀のパネルが開閉して、1幕のテ・デウムでは巨大な祭壇になり、3幕ではカヴァラドッシの牢獄になったりしていました。ブロンズの刀は、1幕でスカルピアが登場するまでは黒い幕に覆われており、また死んだ後の3幕では下に下ろされたので、スカルピアの力を表していたのでしょうか?1幕のスカルピアの登場シーンでカヴァラドッシの巨大なキャンバスをなぎ倒して入ってくるところも面白かったです。3幕フィナーレのトスカがサンタンジェロ城から身を投げるシーンでは、ブロンズの顔の上に上がって、十字架を掲げるという面白い演出でした。
歌手等についてはまた明日…。
by hikari-kozuki | 2006-08-19 08:52 | Comments(0)
ヴェローナにて
今夜は、カヴァレリア・ルスティカーナとパリアッチのお馴染みヴェリズモオペラ2本立てでした。共にジルベルト・デフロによる新演出でしたが、開演2時間前くらいに突風を伴う嵐のような大雨の荒天模様。中止が危ぶまれましたが、開演の21時ちょっと前には何とか雨も止み、定時に幕が開きました。
舞台自体はシンプルかつオーソドックスなものでしたが、両オペラ共にアレーナでは珍しい客席後方からの入場行進のシーンがあり、巨大な空間を贅沢に使っていました。
歌手で目立ったのは、まずカヴァレリアでは、サントゥッツァのイルディコ・コムロージ。迫力十分の声量と安定感のあるポジションをキープしていて、将来が有望です。しかし、他を圧倒するようなドラマティコの声ではないので、他の役を聞いてみたいところです。もっと良かったのは、アルフィオのバリトン、カルロス・アルマグエルで、明るめの声で、とても良く響きます。なかなか難しい役ですが、十分に存在感を示していました。トゥリッドゥのテノール、アンドリュー・リチャーズは、まずまずといったところ。ビッグネームこそいないものの、なかなか粒ぞろいで良かったと思います。
一方パリアッチの方ですが、まずはカニオのニコラ・マルティヌッチ。もちろん全盛期に比べれば、落ちているのでしょうが、アクートの延ばし方や緊張感のある独特の密度の濃い声は貫禄たっぷりで、これぞテノーレ・ドラマティコといったところ。そして今夜1番の収穫は、シルヴィオ役のスキンヘッドのバリトン、マルコ・ディ・フェリーチェ。抜群に通る美声で、今後絶対に出てくる歌手でしょう。ただ、フィナーレのカニオに刺されて倒れるところであまりに演技が下手だったため、観客に失笑を買っていました。トニオ役のアルベルト・マストロマリーノも決して悪くはありませんが、冒頭のプロローグで最後のAs(アス)の音がちょっと引っかかってしまったのが残念でした。ネッダのアマリッリ・ニッツァは凄い美人で歌もまずまず悪くありません。
そしてアレーナと言えば、やはり大合唱です。今回も聞かせどころはバッチリで、特にカヴァレリアの教会前のシーンではしばらく拍手が鳴りやまないほどでした。
さて、気になった雨ですが、カヴァレリアのサントゥッツァとローラの対決の場面とパリアッチのフィナーレ5分前で2度ほどポツポツと来たため中断しましたが、すぐに降り止み、無事に最後まで見ることが出来ました。
by hikari-kozuki | 2006-08-18 09:23 | Comments(2)
出国。
帰ってきたと思ったら、もう明日の朝からヨーロッパです。
今度は、弊社のオペラツアーの添乗で、ヴェローナとザルツブルクです。
今回はPCを持って行きますので、現地から通信しますね!
by hikari-kozuki | 2006-08-15 23:08 | Comments(1)
帰国。
さきほどイタリアより帰国しました。
成田から会社に直行して仕事をしていますが、今回はさすがに13日間の日程でしたので、いろいろと仕事が溜まってしまっています。
来週の水曜日(16日)から再びヨーロッパなので、厳しいスケジュールで休む暇もありません。ともかく、公演は大成功、全員無事に帰国してよかったです。
by hikari-kozuki | 2006-08-11 13:58 | Comments(0)






Copyright © 1997-2004 Excite Japan Co., Ltd. All Rights Reserved.
免責事項 - ヘルプ - エキサイトをスタ-トペ-ジに | BB.excite | Woman.excite | エキサイト ホーム