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4月7日(土)ミューザ川崎「ヴェルディのレクイエム」
このコンサートは東京交響楽団特別演奏会~東響コーラス創立20周年記念~というものでしたが、プログラムの表紙にはその10倍以上の文字の大きさで、「西本智実のヴェルディ」と書かれており、何のためのコンサートだったのでしょうか?

私は、彼女のタクトは初めてでした。皆さんも良くご存知でしょうが、世間では大人気であると同時に、週刊誌では経歴詐称、暴力事件などで強烈に叩かれ、何かと騒がしい方です。しかし、スキャンダルや彼女の人間性と音楽とは直接関係がありませんので、出来るだけニュートラルな気持ちで演奏を聞こうと思っていました。

颯爽と指揮台に上がると、ステージ全体に緊張感が走るのが分かり、そのオーラはさすがという感じでした。指揮ぶりは思ったよりも遥かにおとなしく、もっとダイナミックでパフォーマンスたっぷりに、と思っていたのでやや拍子抜けでした。「怒りの日」などは、激しいところと静かで美しいところをもっとメリハリを付けて演奏しないとコントラストが浮かび上がらず、何とも締まりのない演奏になってしまいます。好意的に解釈すると、レクイエムだからこそ、わざとおとなしく演奏したということがあるのかも知れません。
東響はその前の週に新国の「運命の力」でとても良い演奏を聞かせてくれたので、かなり期待していたのですが、緊張感の乏しいやや残念な演奏になってしまいました。これがオケの実力なのか、指揮者の技量の違いなのか、練習不足なのか、まあそれらの要素もすべて絡み合ってのことなのでしょう。
ちょうど1年前に上野の文化会館で聞いたムーティ指揮、東京オペラの森管弦楽団、合唱団、フリットリ、ダルカンジェロらのソリストというコンサートと無意識のうちに比べてしまっているのもいけないのかも知れませんが。

ソリストは、菅英三子、林美智子、吉田浩之、宮本益光というメンバー。穴はないものの、これといった感動もありませんでした。ソリストをオケの後方、合唱団の中の中央に配置したこともあるのかも知れません。20周年を迎えた東響コーラスは、東京オペラの森合唱団の迫力とは比較にならないものの、アマチュアとしてはかなり高いレヴェルで大健闘だったと思います。

いずれにしても、西本智実の指揮は、キレが感じられず、リズム感が悪く、全体の構成力も無く、緊張感に乏しい演奏会となってしまいました。ただ、その美貌や容姿や雰囲気から来るオーラは余人には決して出せないものです。もっと勉強して、経験を積んで、クラシック界に新しい風を吹き込んでくれることを期待しています。
by hikari-kozuki | 2007-04-17 11:16 | Concert | Comments(0)
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