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ザルツブルク音楽祭「ドン・ジョヴァンニ」歌手編
さて、ザルツブルク音楽祭の「ドン・ジョヴァンニ」の続きを。
歌手たちはもちろん皆、基本的には素晴らしく、特に不満などありませんが、特に良かったのはまずレポレッロ役のイルデブランド・ダルカンジェロ。ここ2、3年はやや歌いすぎなのか、少々疲れたステージが多く、声自体の魅力も乏しいことが多かったのですが、このレポレッロでは完全に復活していました。この良く鳴る美声のバスは完全にトーマス・ハンプソンを凌駕してしまい、このオペラは彼が支えていたと言っても過言ではありません。演技力も抜群で、イジイジとしたレポレッロ(おそらくドン・ジョヴァンニとの関係はホモセクシュアルという設定かと思われる)を軽妙洒脱に演じていました。
次ぐに良かったのはドンナ・アンナのクリスティーネ・シェーファー。もともと声の魅力よりも歌唱力や演技力や表現力に定評がありますが、当夜は声の調子も良く、テクニックを兼ね備えた理想的なアンナだったといえるでしょう。
ドン・オッターヴィオのテノール、ピョートル・ベツァーラも良かったと思います。この役は、2曲のアリアがあるにもかかわらず、どうも存在感が薄い脇役になってしまいがちですが、彼はとても良かったと思います。このポーランド人のテノールは、レッジェーロの役にとどまらず、今後はリリコ・レッジェーロやリリコの役としても大いに期待できます。マゼット役のバス・バリトン、ルカ・ピサローニもなかなかの大器ぶりを発揮し、存在感を示しました。若いバスやバス・バリトンにとってマゼット役は、主役への登竜門と呼ぶべき役なので次へのステップアップを期待します。ツェルリーナ役のソプラノ、イザベル・バイラクダリアン。騎士長役のヴェテランのバス、ロバート・ロイドも良かったと思います。

一方、やや期待はずれだったのは、トーマス・ハンプソン。もともと美声のバリトン、というタイプではなく、その存在感、演技力、表現力などで勝負をするタイプですが、ダルカンジェロの美声と比較するといかにも厳しいものがありました。もうちょっとブリランテな声を出せるはずなのですが、調子自体も良くなかったのかも知れません。
もう1人、当初よりドンナ・エルヴィラ役にアサインされていたメラニー・ディーナーの代役で歌ったミカエラ・カウネ。決して悪くはありませんし、ザルツブルク音楽祭以外であればよい出来、と言えない事もないのかも知れませんが、他の歌手たちに比べると役不足な感は否めません。高音が少しガサガサ言ってしまうのはモーツァルトのソプラノとしては厳しいと思われます。

さて、あとは「魔笛」を残すのみとなりました。
by hikari-kozuki | 2006-09-11 13:28 | Comments(0)
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