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渡辺一世ピアノリサイタル
一昨日、イタリアより帰国しました。
不思議なことに日本ではクシャミもほとんど出ません。

唐突に渡辺一世ピアノ・リサイタルと書きましたが、これはイタリアへ出発する前夜、5月25日(木)に弓町本郷教会で行われたコンサートです。
タイトルは”祈りのバッハvol.2”ということで、2005年春の教会の演奏会に続く、バッハ・シリーズの演奏会です。がしかし、普通の演奏会が堅苦しい大嫌いな渡辺氏のこと、どんなものになるのか、と期待していましたが、やはりやってくれました。
バッハのオリジナルの曲はだたの1曲もなく、すべてのプログラムがバッハの曲を後世の作曲家たちが編曲したものなのです。もちろんいつもの通り1曲ずつ説明をしながら。

まず最初の演目がふるっています。
名曲”音楽の捧げ物(BWV1079)”からベートーヴェンの幼少時の編曲というもので、楽譜をどこで入手したものでしょうか。
次は”2声のインヴェンション”。ピアノを習った人であれば誰しも通った道でしょうが、数多くの作曲家が編曲を残していて、それを各作曲家の装飾音符の特徴を際立たせて1つ1つ分かりやすく解説してくれました。
そして1部の最後は”イタリア協奏曲(BWV971)”のブゾーニ版のコンサート用の編曲でしたが、全楽章を見事に弾いて、この曲が1番普通の演奏会らしかったでしょうか。

休憩を挟んで第2部はいきなり左手のための大曲が2つ。
”プレリュードト長調(BWV1007)”はチェロのための曲をゴドフスキーが編曲したもの。そして”シャコンヌニ単調(BWV1004)”はブラームスがクララ・シューマンのために無伴奏のヴァイオリン・パルティータを編曲したという名曲です。この曲は、渡辺氏のCD(円熟のバッハ)にも収録されている曲ですが、とても片手で演奏しているとは思えないような重厚な表現力と多彩な音の輝きで、古典の素晴らしさを再認識させてくれる演奏でした。
いずれにしても、左手のための曲を1部と2部に分けず、2曲続けて弾くというのは本人の挑戦なのでしょうが、まったく疲れを感じさせず簡単に弾ききってしまいました。
最後は”プレリュードとガボットホ長調(BWV1006)”のラフマニノフのコンサート用ピアノ編曲で、渡辺氏が最も得意としているバッハとロシア物、ということで、見事な演奏でした。

ぜひまた行ってみたくなる素晴らしいピアニストです。
by hikari-kozuki | 2006-06-05 17:35 | Comments(0)
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