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第1回高松国際ピアノコンクール その6
さてさて4人目は、ソフヤ・グルヤクさん、26歳のロシアの女性です。3次審査では弾いたベートーヴェンの1番は素晴らしく、優勝候補の1人と思っていました。彼女が弾いたのはラフマニノフの2番のコンチェルトだったのですが、3次の時ほどのキレがなく、何だかおとなしく、こじんまりとした演奏のように感じました。彼女の前に弾いたスタニスラ氏のラフマニノフの3番がスケールの大きな素晴らしい演奏だったため、余計そのように感じてしまったのかも知れません。

これは演奏後に舞台裏で聞いた情報なのですが、彼女は前日から風邪をこじらせてしまい、戻してしまったそうなのです。なるほどそれならば無理もなかったと納得した次第ですが、彼女にとっては気の毒なことでした。とはいっても自分の健康管理もすべて自己責任ですので、何の言い訳にもなりませんし、そのあたりのことを全て含めてそれがコンクールなのでしょう。ただ、彼女も数々の国際コンクールで入賞をしている逸材ですので、今後には大きな期待が出来ると思います。実際に審議員の審議の際、彼女のピアノの音は他の人のものと明らかに違う何かがある!と彼女を押す方もいらっしゃっいました。

ここで審議員、オブザーバーのメンバーを紹介しましょう。
まずは、大阪のいずみホールの支配人の伊東順一氏。彼は誰だったらいずみホールを満席に出来るか、すなわちお客さんが呼べるか、そして誰にスター性があるかとか、独自の視点でご覧になっていたようです。次に静岡市にある立派なコンベンションセンター、静岡グランシップの館長の山本肇氏。ご自分から積極的にご意見をおっしゃる方ではありませんでしたが、バランス感覚の良い紳士でした。
そして、ミラノ在住のテノール歌手、榛葉昌寛氏。彼とは親しくさせて頂いており、審査員、審議員の中で唯一友人と呼べる存在です。イタリア各地で演奏会やオペラに多数出演され活躍されていますが、日本でも地元の静岡県掛川を中心にいろいろなところで舞台に立たれています。彼とは毎晩一緒に飲みに行っていましたが、チーム・イタリアのメンバーも彼のことを頼りにしており(もちろん語学的に)、気遣いが大変だったと思います。そして、私が音楽評論家として審議員の末席に名前を加えさせて頂いていました。
また、オブザーバーとしては、毎日新聞社編集委員の梅津時比古氏がいらっしゃっていました。書籍等も多数書かれており、この業界では文句なしのビッグネームですが、さすがに造詣が深く、確固たるご自分の音楽観を持っていらっしゃいました。

<続く>果たしていつになったら終るのでしょうか...。
by hikari-kozuki | 2006-04-05 17:38 | Comments(1)
Commented by daimi at 2006-04-05 21:10 x
ず~っと前、諏訪内晶子が優勝したチャイコフスキーコンクール。高熱にも関わらず演奏したバッハがナントカ賞を取ったんでしたよね。最後は気合でしょうか^^;

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