エキサイトブログ ホーム | ブログトップ | サイトマップ
第1回高松国際ピアノコンクール その3
お待たせ致しました、続きです。

さてトップバッターの王超君の課題曲「屋島」の演奏で、いよいよファイナルが始まりました。私も「屋島」を聞いたのは初めてでしたが、予め審査員、審議員には楽譜が配られていたので、曲のイメージは出来ていました。しかし実際に聞いてみると、和音など現代曲風でも、なかなかメロディーラインが美しく、瀬戸内海の輝く波の様子が浮かぶようなきれいな曲でした。この曲は、昨年末に青山氏が書き上げて、今年の1月30日に予備審査通過者全員に楽譜を送ったものなので、予選通過者63名全員が弾きこんだことでしょう。ファイナリストの6人は、全員が完璧に暗譜をして、ほとんどミスタッチもなく弾いていました。たった1ヶ月の間に10分弱の曲をこれだけ弾きこなすようになったことは本当に驚きです。これだけ第1回高松国際ピアノコンクールに力を入れてくれたという証明なので、主催者としてはこれだけでも大成功と胸を張っていえることでしょう。

さて王君に戻りますが、彼は弱冠16歳の若者で、何と1990年1月生まれなのです。コンクール終了後の表彰式でお母さんらしき人が客席から一生懸命写真を撮っていましたが、とてもお若くて、どうみても30歳そこそこにしか見えませんでした。なお、彼は顔立ちも幼いので本当に子供に見えますが、体はがっちりとしてかなり大柄です。現在、北京の中央音楽学員で勉強中ですが、順調に伸びていけば将来はかなり有望でしょう。最近は、ランランを始め、優秀な中国人ピアニストが台頭しており、種々の国際ピアノコンクールを席捲しています。

前置きが長くなりましたが、王君のショパンのピアノ協奏曲第2番が始まりました。とても緊張していたようで、1楽章の第1主題のころは少し硬さが取れていないような印象もありましたが、ドンドン良くなって行き、2楽章、3楽章などは素晴らしい演奏でした。
ショパンのポーランド時代のこの曲は、若々しい情緒に満ち溢れた傑作で、私も大好きな曲です。2楽章など素晴らしい演奏に当たると涙がこぼれそうになります。実は審査員の1人が個人的に、「彼はショパンが全く分かっていない、、強弱も逆だ!」と言っていましたが、私はまったくそうは思わず、ショパンらしい甘く切ない美しい旋律をロマンチックを表現したとても良い演奏だったと思います。別の審査員でポーランド人のピアニスト、ピオトル・パレチニ氏はショパンコンクールやチャイコフスキーコンクールの審査員を務めるほどのビッグネームですが、彼は王君の演奏に感心していたらしいです。いずれにしても、素晴らしい演奏後、王君は万雷の拍手に包まれようやくニッコリと微笑んでいました。

私の中では3次予選にはなかったような高得点を付け、優勝は王君で決まりかな、とも思いました。そのあとのピアニストたちが凄いことになっているとは知らずに...。

<続く>
by hikari-kozuki | 2006-03-31 15:11 | Comments(1)
Commented by daimi at 2006-03-31 18:38 x
次号がまたまた楽しみです。
多方面でお忙しい様子ですが、こちらも頑張ってくださいませ♪
<< 第1回高松国際ピアノコンクール... 第1回高松国際ピアノコンクール... >>






Copyright © 1997-2004 Excite Japan Co., Ltd. All Rights Reserved.
免責事項 - ヘルプ - エキサイトをスタ-トペ-ジに | BB.excite | Woman.excite | エキサイト ホーム