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20年ぶりくらいにメトロポリタン歌劇場でオペラを見ました。アメリカNo.1の劇場に相応しく、公演はとても良かったのですが、ヨーロッパの歌劇場の文化、風習の違いにただただ驚くばかりでした。ということで、主な違いについて列記してみます。あくまでも私の主観ですので、ご了承下さい。なお、ヨーロッパの劇場とは、ミラノ・スカラ座、ウィーン国立歌劇場、ロンドン・コヴェントガーデン、パリ・ガルニエ、ミュンヘン・バイエルン国立歌劇場など、伝統と格式を誇る一流歌劇場をイメージして下さい。
*服装。私は日本から到着した日のソワレの公演にタキシードを着て行ったのですが、私の見た限りでは、タキシードのお客さんはただの1人も見かけませんでした。男性でスーツやジャケットにネクタイをしている人も半分弱と言う感じでしょうか?ジーンズにTシャツやセーターなんて人も多かったような気がします。女性もどうみても普段着にしか見えない人が多く、ワンポイントでスカーフだけ、なんて人が多くて驚きました。 *ほとんどの人がコートやジャンパーなどを自分の席まで持ち込んでいます。もちろん地下にクロークがあるのですが。休憩時にクロークの前を通りかかった時、中を見ましたが、ほとんどコートは掛かっていませんでした。 *ショップが充実していて1F横のショップの他、地下にも大きなショップがあって、幕間には多くのお客さんたちで賑わっていました。 *水を飲みの機械が幾つもあって、しかもご親切に使い捨ての紙コップまで用意してあるのです。バーのすぐ横にあったりするので、明らかに営業妨害になると思うのですが。 *当日のプログラムというものが販売されていません。その代わりに<Playbill>という無料のプログラムを配っているのです。このプログラムにキャストやストーリーなどが書かれております。ただ、だいぶ前に印刷してしまっているようで、突然のキャスト変更は、紙を挿しいれて対応していました。基本的には3月号としてどの公演でも同じプログラムのような形態なのですが、真ん中の16ページだけを公演ごとに差し替えて作成しています。これは素晴らしいシステムだと思います。 *幕のフィナーレやアリアの後の拍手が早すぎます。スカラ座以外は他の劇場でも似たり寄ったりの傾向はありますが、METはその中でも特に早いでしょう。「運命の力」では、2幕2場やフィナーレの4幕2番でまだまだオケが2、3小節残しているのに万雷の拍手が沸いてしまい、まったく聞こえなくなってしまいました。ただ、拍手をする場所自体は良く心得ていて、変なところで拍手が起こるというようなことはまったくありませんでした。 *上記と同様で席を立つのが早いです。カーテンが降りきってしまう前に拍手もまったくせずに席を立って帰ってしまう人も多く、あれでは出演者に失礼です。たまたま電車や飛行機の時間が迫っている人が多かったのかも知れませんが....。 *お客さんの笑いが多すぎます。例えば「運命の力」で言うと、ややブッファ役のメリトーネのシーンで少々の笑いが起きるのは理解出来ます。しかし、シリアスなシーンでもちょっと英語訳が面白かったりするとすぐに笑いが起きてしまいます。例えば、3幕1場の”鍵の2重唱”の後、自分(ドンカルロ)の探す宿敵が、友情を誓い合い大怪我をしてしまったアルヴァーロと分かった瞬間に、軍医が横を通り”彼は助かった!”と言うシーンで大爆笑が起きてしまうのです。少なくとも笑うシーンでは有り得ないと思うのですが。 *それ以外にも全体的にお客さんたちが盛り上がるシーンが多く、例えば幕が開いた時にセットが豪華だったらもうそれだけで大拍手となります。 良い意味では観客と出演者たちが一体になって盛り上がっているとも言えるのかも知れません。さすがにエンターテイメントの国というところでしょうか。お客さんも泣いて笑って楽しむミュージカルのような感覚なのかも知れません。文化の違いというのは面白いですね。 いずれにしても、マエストロ・ムーティがMETを振らない理由が良く分かりました。 ![]()
by hikari-kozuki
| 2006-03-14 18:54
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Comments(5)
上月さん、お帰りなさい。
ミランがユーべと引き分けたのは残念でした! メトの様子をお知らせくださって、ありがとうございました。 ご存じのとおり、ムーティは2009-2010シーズンにメトに出ますね。演目は《アッティラ》と《アルミーダ》(ロッシーニ)。後者には、星条旗を背負っているディーバ、フレミングが出るようです。 メトの聴衆の騒がしさ、大きな大きな空間はわたしも気懸かりです。
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上月さんが鑑賞された12日の「運命の力」がBBC,Opera on 3 で現在放送中です。 3月25日までストリーミングで好きな時間に楽しめますのでお暇な時にドーゾ。(最初の5分ほどは解説です、5分→をクリックすると第1幕が始まります。
http://www.bbc.co.uk/radio/aod/networks/radio3/aod.shtml?radio3/operaon3_sat
上月さんこんにちは。おもしろいレポートですね。
欧州のオペラハウスに行っても米国人はいかにもの観光者ルック(ジーンズ姿も珍しくない)なのですぐ見分けがつきますね。 ただぼくもえらそうにいえる立場ではなく、ウィーンのシュターツオパーでの「トリスタンとイゾルデ」を見に行った時、奮発して平土間の最高に近い席を取ったのですが、周囲の客がみな重厚な第一正装でビシっと決めた人たちばかりなのに、ひとりだけジャケットをひっかけただけの軽装の東洋人で、かなり恥ずかしい思いをしました。なぜかその晩の聴衆には観光客っぽいひとの姿が少なかったんですよね。 米国人は昔は夜会服などで盛装するのが大好きなひとたちだったんですけどね。
セットが豪華だと拍手が出る件、METのライヴ録画DVDでも見かけます。例えば「ヘンゼルとグレーテル」でお菓子の家がせり上がってきたら満場の拍手とか。DVDは音を拾ってますが、劇場内はまったくオケの音が聞こえないでしょうね。
以前のMET来日公演でもスター歌手が登場した途端、盛り上がる場面でもないのに拍手が沸き起こっていて、演歌歌手の座長公演みたいでした(笑)
誤解のないように申しあげますが、アメリカのオペラハウスが決してダメと言っている訳ではありません。凄いセットが出たら歓声が起こるのもそれほど悪いことではないでしょう。幕のフィナーレやアリアの後奏が完全終る前に拍手喝采になってしまうのも、スカラのガレリアの人たちほどは嫌いではありません。
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![]() 【筆者のプロフィール】 上月光 (KOZUKI,Hikari) 株式会社ラテーザ代表取締役社長。音楽評論家。青山女声合唱団団長、指導者。六本木男声合唱団倶楽部バリトンメンバー。ロイヤルチェンバーオーケストラ相談役、評議員。武蔵野音楽大学声楽科卒業。バリトン。趣味ゴルフ、スポーツ観戦等。熱狂的なACミランのファン(ミラニスタ) 【リンク】 六本木男声合唱団倶楽部 株式会社ラテーザ ピアニスト一世オフィシャルサイト 加圧トレーニングジムスイートアズ カテゴリ
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