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ミュンヘンのオペラハウス事情
ミュンヘン・オペラ・フェスティヴァルの「運命の力」について書こうと思いましたが、その前にちょっとミュンヘンの劇場について触れましょう。言うまでもなく、ミュンヘンはバイエルン州の州都で、日本では、ビール、1972年のオリンピック、BMWなどで有名でしょうか。

さて、私が良く聞かれる質問で、バイエルン国立歌劇場とバイエルン州立歌劇場というのは違う劇場ですか?というののがありますので、これについて簡単に説明します。クラシックに詳しい方は当然ご存知かと思いますが、同じ劇場です。
劇場名は、Bayerische Staatsoper。このStaatsというドイツ語が、「国家、国」という意味もあれば、「州」という意味もあるので、紛らわしいことになるのです。

最近の書物や文献では、バイエルン州立歌劇場という方が多いようですが、確かに国(ドイツ連邦)からはお金は出ず、州と市の助成金で運営していますので、こちらの方が実情には沿った言い方でしょう。
一方、今年の9月~10月にこのBayerische Staatsoperは来日公演を行いますが、この公演主催のNBSさんは、一貫してバイエルン国立歌劇場と言い続けています。オペラハウス側の希望なのか、昔からの録音等における名称を優先するためなのか、それとも別の理由なのでしょうか?

私は、常日頃、バイエルン国立歌劇場というようにしています。
その理由は、この劇場が出来た当時はドイツ連邦ではなく、あくまでバイエルン王国であったからです。だったらなぜバイエルン王立歌劇場といわないのか?というご意見もあるでしょうが、現在、バイエルン王国もなく王様もいないのに、王立歌劇場というのはあまりにおかしいです。それに現在でも正式にロイヤルという冠のつく劇場はいくつもあって、それとも区別する必要があると思われるからです。例えば、ロンドンのロイヤル・オペラ、通称コヴェント・ガーデン、コペンハーゲンの王立劇場、ストックホルムの王立歌劇場などが、正式な王立歌劇場です。
それにバイエルン州立というといかにも現代の劇場のような感じがしますが、バイエルン国立というと、この劇場を愛したルードヴィヒ2世の夢の跡が感じられるような気がしませんか?ルードヴィヒ2世はこの劇場にワグナーを招き、「トリスタンとイゾルデ」「ニュールンベルクのマイスタージンガー」「ラインの黄金」「ワルキューレ」を初演させました。
by hikari-kozuki | 2005-07-25 22:57 | Comments(0)
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