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イタリア北部にある古都ヴェローナ。かのシェークスピアの名作「ロメオとジュリエット」の舞台。落ち着いたたたずまいを見せる美しい街です。ゲーテの「イタリア紀行」にも書かれているように街の中心にはアレーナと呼ばれるローマ時代の巨大な円形競技場があります。紀元1世紀の建築物ですが、外壁は壊れているものの内部はほぼ完全な形で残されています。
かの有名なヴェローナ夏の野外音楽祭は、そのアレーナで毎夏繰り広げられます。 野外オペラなんて、とバカにするオペラファンもいるでしょうが、このアレーナは違います。まず、キャストが良いこと。ビッグネームや若手が混ざり合いますが、レヴェルはかなり高く、期待外れな公演は滅多にありません。演出もゼッフィレッリを始めとして、一流演出家がずらりと揃い、巨大な空間を見事に料理します。大編成のオケ、大合唱、ダンサー群、時には馬車なども出てくる迫力のあるステージは、まさに真夏の夜の夢と言えるでしょう。そして、天井のない巨大な空間にもかかわらず、音響が素晴らしく良いこと。決してマイクやPAは使わず、歌手が生の声で遥か遠くまで響かせることになるので、歌手の実力がはっきりと分かってしまいます。正しい発声を身に着けている人は、遠くまで良く響きますので。それがまさにベルカントの発声と言えるでしょう。 今夏のスケジュールは6月17日から8月31日まで、恒例の「アイーダ」を始め、「ジョコンダ」「ナブッコ」「ボエーム」「トゥーランドット」など、大スペクタクルが繰り広げられます。 つい最近キャストが発表になりましたが、世界中の一流歌劇場で活躍中の歌手たちが大集結します。 そういえば、今年のG/Wに横浜アリーナで行われるはずだったアレーナの引越し公演は中止になってしまったようです。理由は分かりませんが、やはり、現地のアレーナでなければ、あの雰囲気、あの迫力は味わえないと思います。
by hikari-kozuki
| 2005-02-10 18:51
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Comments(8)
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私の将来の夢その1。ヴェローナのアレーナで、浴衣でオペラ堪能。でも結構夜は冷えるらしいですね。浴衣の下にホッカイロなんて矛盾してますか、ハハハ・・・・。
せっかくのアレーナですから、象の登場するアイーダ観たいですね。 モネ劇場での抽象的なアイーダで眠くなっちゃいましたから。へへへ。
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ようやく日が暮れようとし、いよいよ開演というところで、観客がろうそくを灯して演奏を待つのが、とても幻想的でいいですね!あと、休憩が終了して次の幕が始まりますよ!という合図に衣装を着た出演者がドラを叩くのも、面白かったです。
一昨年に初めて行ったのですが、その時は熱帯夜で、冷えるどころか暑くて暑くてまいりました。出演したJクーラは途中で舞台の上で頭から水をかぶっていたのには笑いました。 あんな野外のステージでマイクもつけずに生声で歌っているのに、よく響くことにとても驚いたことを思い出します。 上月さんは、これまでの中で素晴らしい演奏で思い出深いのはなんなのでしょう? ![]()
主題とは全く無関係な質問なのですが、ドイツ古典文学の”恋愛三昧”という作品を書いたアルツール.シュニッツラーのスペルがお解かりでしたら教えてもらいたいのですが?この作品は”恋ひとすじに”という映画の原作でもあるとのことなのですが!
まずヴェローナですが、浴衣の人は見たことがありません。ぜひトライしてみてください。きっと大注目されますよ。
残念ながら、現在のゼッフィレッリ演出の「アイーダ」は、象は出てきません。馬車は出てきますので、それで我慢してください。
Arthur Schnitzlert ですよ。ともさま。
そして、アレーナの素晴らしい演奏ですか...。うーむ、あまりにもたくさん見ているので、迷ってしまいます。「アイーダ」ということに限ると、キアーラのアイーダ、コッソットのアムネリス、ボニゾッリ、マルティヌッチのラダメスといったところでしょうか。もうちょっと新しくなると、グレギーナのアイーダにディミトローヴァのアムネリス、バルトリーニ、ヨハンソンのラダメス。そうそう凄いジャコミニを聞いたこともあります。林康子さんのアイーダもありました。
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さすが光さん。どうもありがとうございます。
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![]() 【筆者のプロフィール】 上月光 (KOZUKI,Hikari) 株式会社ラテーザ代表取締役社長。音楽評論家。青山女声合唱団団長、指導者。六本木男声合唱団倶楽部バリトンメンバー。ロイヤルチェンバーオーケストラ相談役、評議員。武蔵野音楽大学声楽科卒業。バリトン。趣味ゴルフ、スポーツ観戦等。熱狂的なACミランのファン(ミラニスタ) 【リンク】 六本木男声合唱団倶楽部 株式会社ラテーザ ピアニスト一世オフィシャルサイト 加圧トレーニングジムスイートアズ カテゴリ
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