エキサイトブログ ホーム | ブログトップ | サイトマップ
7月9日(土)杉並公会堂杉並区民オペラ「愛の妙薬」
ドニゼッティの傑作ブッファ「愛の妙薬」は、何十回も見てきた超スタンダードナンバーですが、いろいろな思い出がたくさんあります。その中でも、ネモリーノに関するだけでも、パヴァロッティが歌えなくなる直前にナポリのサン・カルロ劇場で椅子に寄り掛りながら「人知れぬ涙」を2回歌ってくれたことや、その直後にピッツァ・マルゲリータ発祥の店「ブランディ」で食事をしていたらパヴァロッティが仲間に両側から支えられてようやく店に入ってきたこと。ベルリン国立歌劇場でまだまったく無名だったローランド・ヴィラゾンを見て、彼は絶対にこれから出てくる歌手だと思ったこと。ウィーン国立歌劇場で見た故山路芳久さんの素晴らしいネモリーノ。先日亡くなってしまったヴィンチェンツォ・ラ・スコラのスカラ座での名演等々。テノーレ・レッジェーロにとっては絶対にはずすことができないのがこのネモリーノ役と言えるでしょう。

前置きが長くなってしまいましが、六男のバリトンのパートリーダーで東浩市さんがベルコーレ役で出演するとあって応援に行ったのです。出演者には東さんの他にも何人か知っている人がいましたが、1人1人がとても良く、大満足のオペラとなりました。

まず最大のサプライズはアディーナ役の西本真子さん。おそらく私は彼女の声を少なくとも主役では聞いたことがなかったと思いますが、素晴らしいソプラノでした。低音から高音まで非常に安定感があり、喉に無理のないベルカントな発声法、フレージングやブレッシングも実に上手く、アジリタも軽々こなしていましたので、コロラトゥーラの役もできるでしょう。声の伸びやヴィブラートのかかり方もまったく問題がありません。次はぜひもうちょっと大きなホールで、別の役を聞いてみたいものです。

ネモリーノは青地英幸さん。実にネモリーノらしい輝かしく繊細なレッジェーロです。1幕のフィナーレの方で少し疲れ気味な感じがありましたが、2幕は見事に立て直してくれました。この西本、青地のお2人で私の後輩なので、ますますの活躍を期待しています。

ドゥルカマーラは岡元敦司さん。六男がイタリアで「Jr.バタフライ」の合唱を歌った時に、トラとして手伝ってもらったことがありますが、朗々たる美声の持ち主です。彼もとても良かったですし、演技もとても上手でした。しかし、2幕のフィナーレはちょっと疲れてしまったでしょうか?

そして我らが東さん。普段は六男のバリトンパートを後ろかから支えてくれているので、あまりソロを聞かせて頂く機会はありませんが、さすがでした。フレーズの作り方が上手く、喉も良く鳴っていたと思います。演技も生真面目なベルコーレがとても合っていました。

最後に字幕と上演言語について。当日は日本語上演でさらに日本語の字幕付きという新国のように非常に親切な舞台となっていました。ただよくよく聞いてみると、日本語上演というのは主催者の方針で、オペラを分かりやすく紹介するため、とのこと。そして本来は字幕を入れたくないが、ホールが響きすぎて言葉が聞きづらいということなので、初めて導入したとのことです。
ただ、今回の公演に関していえば、字幕はまったく要らなかったと思います。まず歌手たちの日本語がとてもはっきり聞き取りやすいものだったということ。次に愛の妙薬と言うオペラはちょっと言葉が聞き取れなかったとしても、ストーリーが分からなくなってしまうことは決して無いでしょう。

ただ私は、オペラというものは基本的にはその国の言語でやるべき、というのが持論なので、イタリア語で上演し、そして字幕をつけた方が良かったのではないでしょうか?日本語訳はなかなか上手いと思いましたが
by hikari-kozuki | 2011-07-14 16:43 | Opera | Comments(0)
<< 7月10日杉並区民オペラ杉並公... 初音ミクコンサートツアー 3 >>






Copyright © 1997-2004 Excite Japan Co., Ltd. All Rights Reserved.
免責事項 - ヘルプ - エキサイトをスタ-トペ-ジに | BB.excite | Woman.excite | エキサイト ホーム