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MET来日公演の出演者たちのドタキャンについて
先週末の愛知県芸からMETの来日高音が始まりました。まだ私のところに情報は入ってきていませんが、今回の公演は、前代未聞なほどのキャンセルが出てしまいました。
まず、指揮のレヴァイン。最近の彼は本当に体が悪いようなので、これは仕方ありません。代わりにファビオ・ルイージが「ボエーム」と「ドン・カルロ」を振ることになりました。このあたりの演目は彼にとって得意中の得意なので、安心して聞けると思います。そして、「ドン・カルロ」のエボリにアサインされていたメッツォのオリガ・ボロディナ。彼女も健康の問題でキャンセルということですが、真相はわかりません。そして、今世界のオペラハウスを席巻しているテノールのヨナス・カウフマン。彼は「ドン・カルロ」のタイトルロールを歌うはずだったのですが、原発が怖いという理由でキャンセルになってしまったのです。ここまでは5月中旬に発表されていました。

しかし、来日直前の5月末になって、「ボエーム」のミミを歌うはずだった現在、世界一の歌姫と言われるアンナ・ネトレプコが同じく原発を理由にキャンセルになってしまいました。さらには、「ボエーム」のロドルフォ、「ルチア」のエドガルドにアサインされていたテノールのジョセフ・カレーヤまでキャンセルになってしまったのです。ただこの2人は今までずっと来日を表明しており、直前のドタキャンには不信感が募ります。本当に来る気があったのでしょうか?

特にアンナ・ネトレプコは日本中のファンが楽しみにしていただけにがっかりされた方も多いことでしょう。妊娠によってザルツブルク音楽祭の「ロメオとジュリエット」がキャンセルされたのは仕方ないですが、彼女はキャンセルが多すぎると思います。私自身、何度も彼女のキャンセルに遭遇してきました。ちょっと暗めの美声、天性の容姿、抜群の歌唱力と演技力で、ここ数年世界中のオペラハウスから引っ張りだこになっていた彼女ですが、喉や体には相当無理な負担をかけ続けていたのではないでしょうか?こうなると実質的には10年くらいしか全盛期がなかったマリア・カラスを思い出さずにはいられませんが、まだ若いのですからそうならないことを祈っています。

さて天下のMETですので、すぐに代役を発表しました。相当ドタバタがあったようですが、何とか形にはなったと思います。まず、「ドン・カルロ」でエリザベッタを歌うまずだったバルバラ・フリットリをアンナの代役として「ボエーム」のミミに回したのです。そして、ロドルフォのカレーヤの代役はマルセロ・アルヴァレス。昨日のトロヴァトーレでも書きましたが、脂の乗った素晴らしいテノールですので、はっきり言ってカレーヤよりもはるかに良いと思います。しかし、バルバラとマルセロの「ボエーム」というと去年のトリノの来日公演とまったく同じキャストになってしまったので、日本のファンとしては新鮮味がなくなってしまったかも知れません。しかし、アンナが落ちてしまった今、これしか方法がなかったのでしょう。

1番酷いのは「ドン・カルロ」です。カウフマン、ボロディナが落ちてしまった上に、バルバラまで「ボエーム」に取られてしまったのですから。主役級で残ったのはロドリーゴのディミトリ・ホロストフスキーとフィリッポ2世のルネ・パーペだけになってしまいました。バルバラの代役は若いロシア人ソプラノのマリーナ・ポプラフスカヤ。カウフマンの代役は、韓国のテノール、ヨンフン・リー。エボリの代役はエカテリーナ・グバノヴァというメンバー。もちろん普通のオペラハウスでは悪いキャストではありませんが、スター揃いの素晴らしいキャスティングに惹かれてチケットを買った人たちのショックははかり知れません。

「ルチア」は被害が最小だったと言えるでしょう。カレーヤの代役として、ローランド・ヴィラゾンとアレクセリ・ドルゴフがアサインされましたが、ヴィラゾンは一時期の不調から立ち直り、術後の経過も順調なので、かなり期待できます。それに、指揮のノセダ、タイトルロールのディアナ・ダムラウもそのままですし、エンリーコのルチッチ、ライモンドのアブドラザコフも実力派です。当初は「ルチア」が1番地味なキャストかも?と言われましたが、ここに至っては、「ルチア」のチケットを買った方が正解だったかもしれません。


ショックを受けた方々も決して少なくないでしょうが、METが世界屈指の実力を誇るオペラハウスであることは疑いのない事実です。合唱団やオーケストラが我々の期待を裏切ることはないでしょう。払い戻しもまったくないそうなので、気持ちを切り替えて、楽しまないと損ですよ!
by hikari-kozuki | 2011-06-08 13:28 | Opera | Comments(0)
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