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「愛怨」 in ハイデルベルク 第8回
「愛怨」の話をする時にもう1つとても重要なことがあります。
このオペラのテーマともいうべき、琵琶の秘曲についてです。このオペラは、この秘曲を巡る人間模様を描いた作品ですので、この秘曲が素晴らしいものでないと、このオペラ自体が成り立ちませんし、さらにはアーティスト(琵琶奏者)の卓越した技術がなければならないのです。
この琵琶を演奏したのが、「源氏物語」の時にも活躍した、シズカ楊静です。新国の初演の時にも彼女が演奏しましたが、天才的なテクニックと芸術性の高さには琵琶という楽器そのものの概念が変わってしまうと思わせるほどです。今後この「愛怨」が再演される時にも彼女の琵琶は必須であると思われます。

このオペラ最大のハイライトである3幕の柳玲が浄人に秘曲を聞かせるシーンでは、オケピットの右前方に柳玲が迫り出してきて、しばらくは彼女の独壇場となります。古今東西の数多のオペラで、舞台上のピアノが重要な役割を果たしたり、ヴァイオリンやフルートと歌手が絡み合って、まるで声&楽器による2重唱のようなアリアを展開するというようなシーンはいくつもありました。しかし、このシーンは、琵琶奏者が楽器でアリアを歌うという表現が的確かどうかは分かりませんが、とにかく圧倒的な迫力を持って歌手以上の主役となるのです。
by hikari-kozuki | 2010-07-07 13:48 | Opera | Comments(0)
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