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3月27日(土)第2回高松国際ピアノコンクール・ファイナル 第3回
さて昨日の続きを。

4人目は29歳のロシア人、アレクサンドル・ヤコブレフ。他の5人がロマン派の超名曲であるチャイコフスキーの1番とラフマニノフの2番に集中する中、1人ベートーヴェンの4番というのは非常に異質な感じがしました。この協奏曲、当時としてベートーヴェンがかなり革新的な手法を用い、ロマン派的な情緒も感じさせる名曲には違いありませんが、チャイコフスキーやラフマニノフに比べたら華麗さやダイナミックさ、色彩感のあるテクニックを見せるという点ではどうしても劣り、審査員受けがしないような気がするのです。しかし、結論から言うと、彼はこの派手さ劣る協奏曲を骨太でスケールの大きな演奏をすることによって、優勝を狙いに行ったのだと思います。翌日の入賞者の記念コンサートでは、ストラヴィンスキーの超難曲「ペトルーシュカ」を弾き、チャイコフスキーやラフマニノフを弾いてもさぞ上手かったであろうと思わせる素晴らしい演奏だったのです。さて当日のベートーヴェンの話に戻ると、彼の演奏は大胆かつ繊細、タッチは力強いが響きの美しいという演奏でした。ミスタッチもほとんどなく完璧に近い演奏だったと思います。しかし、残念ながら感動的であったという感じではなく、音が非常にキレイでオケとピッタリ合っていたハイレヴェルな演奏という印象でした。

そして5人目は27歳の台湾人、リー・ユン-ヤン。彼が弾いたのはラフマニノフの2番です。実はマエストロから、前日の練習時点では暗譜が完全に出来ていなかった、と聞いていたので、ちょっと心配しながら聞くこととなりました。しかし、1番最初に弾いたオケとずれまくってしまったプリヴァルスと同じ曲だったこともあるのでしょうが、素晴らしいラフマニノフだったと思います。確かなテクニックに裏打ちされた速いパッセージの処理、ダイナミックで音も美しい、そしてキラキラと輝くブリランテさがあるのです。決して完璧ではなかったと思いますが、非常に好感の持てる演奏でした。

最後の6人目は唯一日本人でファイナルに進んだ石村純。21歳という年齢も6人の中で最年少でした。また、彼女だけ、ピアノがファツィオーリで、あとの5人はスタインウェイでした。ファツィオーリというのは、イタリアの超高級ピアノメーカーで、手作りの素晴らしいピアノを作ることで知られている会社です。まあ、ピアノのフェッラーリみたいなものでしょうか。また、スタインウェイよりも良く鳴ると言われています。前回のコンクールでは、スタインウェイ、カワイ、ヤマハ、ベーゼンドルファーの4社が公式メーカーでしたが、今年はこのファツィオーリが加わって5社が公式なピアノとなっていたのです。実はこのファツィオーリ、今年10月のショパンコンクールにも公式ピアノとして導入されることが決まっていて、これからはもっともっと注目されることでしょう。

さて彼女が弾いたのは当日3回目となるチャイコフスキーの1番。確かにピアノはとても良く鳴ります。変な癖もなく、清潔感が、音楽的なセンスも非常に高いと感じられる演奏でした。しかしピアノが鳴っている割にはスケールの大きさがあまり感じられず音の輝きも少し重苦しいようなイメージなのです。ミスタッチも少なく、テンポ感も良く、オケとも良く融合し、演奏自体のレヴェルは大変高かったと思いますが、あまり高揚感のない演奏だったような気がしました。

ということで、次回はいよいよ結果発表を。
by hikari-kozuki | 2010-04-02 14:43 | Others | Comments(0)
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